最近の一連の暴動で、イギリスの世論はコミュニティーのあり方について言及していたりしています。
例えばロンドンを例に取ると、人口約800万人のグレーターロンドンの中に、バラー(区)と呼ばれる地域が31、シティー(市)と呼ばれる地域が2つ、合計33のコミュニティーが存在します。
統計を見ていると、32とかかれたものが存在しますが、それは「City of Londoon」を含めていない数です。
グレーターロンドンの面積は約1580km2、大体でいいなら、大阪府の1割引弱くらいのサイズ(笑)
人口も大阪府の1割引くらいです。
もともとはグレーターロンドンでひとつのコミュニティーだったものが、1986年に現在のような細分化したスタイルに変わりました。
ひとつひとつのバラーで住居のサイズに応じた地方税を払って、その見返りに、ごみの処理や清掃、学校教育の設備などのサービスを受けるわけです。
ということはそれぞれのバラーで地方税(カウンシルタックス)の額が違います。
ごみを出す曜日や回数も違います。
学校の設備も違います。
そしてなんといっても街並みが違います。
いろいろなバラー別の統計を見ると、本当にあまりにもの違いに愕然とします。
専門職についている人の数、平均収入、学歴、給食手当てを受けている家庭の数、統計庁の発表から何でも調べることが出来ます。
例えば平均寿命(政府発表の統計を基にしました)、ロンドンの中で一番短いものと長いものを比べると、男性は最低がイズリントンの75.4歳、最高がケンジントンチェルシーの84.4歳、ということで、その差9歳
女性のものはニューハム(今度のオリンピック開催地)が80.5歳、ケンジントンチェルシーは89歳なので、差は8.5歳です。
イギリスに住んでみようなんて考えている人は、まず希望の地域の詳細をこういった正式な統計で調べてみるのも役に立つのではないでしょうか?
学校のある郵便番号や、ホームステイ先の住所などをこの索引に入れると、その地域の統計が出てきます。
犯罪の統計なんかもあります。
今日、晩御飯のおかずの材料を買いにリッチモンドに行こうとして、橋の手前でふと街灯に花かごがかかっているのに気がつきました。以前、この街灯に花かごがかかっていた記憶がなかったので、よく見てみると、小さなプレートがついていました。おうちのすぐ横にある、インド料理のお店と歯医者さんの名前。
おうちに帰って早速調べてみました。
リッチモンド・イン・ブルーム(花盛りのリッチモンド?)というボランティアのグループが、リッチモンド区の協賛を得て、区の住宅地区や商業地区で花作りを推奨したり、花かごのスポンサーを募ったりしているそうです。
因みに花かごのスポンサーになるには1かご150ポンドだそうです。
この金額には1年間の世話代と設置費が含まれているそうです。
インターネットオークションのイーベイのヘッドクウォーターがリッチモンドにあることを以前書いたと思うんですが、そこもスポンサーになっているそうです。
一番上の写真の白くて大きな建物がそう。
テムズ沿いの芝生の傾斜のところにもたくさんの花かごがかけられています。
もちろん大会社だけではなくて、中小企業、個人商店や個人サークル、そして個人の名前でもスポンサーになれるそうです。
いつも歩いている道に花を寄付するなんてステキなアイディアです。
他の区でもあるといいのに。
特に、あまり街並みがきれいでない区では、リッチモンドよりも、もっともっとインパクトがあると思います。
きれいなところに住んでいると、その地域を大切にしようという気にもなると思うんですが。
そう簡単にはいかないだろうけど、住んでいる場所に、誇りを持つ助けにはなると思います。
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