2009年4月24日金曜日

マーブルヒルパーク


ロンドンは春の真っ只中です。
あちこちの垣根に、色とりどりの花がとてもきれい。
今日はおうちのそばのマーブルヒルパークをお散歩して楽しみました。

このパークはイングリッシュヘリテイジが管理していて、マーブルヒルハウス(250年位前の邸宅)の周りが芝生で囲まれています。
南にはテムズ川。
毎年8月にはここで野外コンサートが開かれます。
北側はリッチモンドロードに面していて、ビクトリア時代(100年ちょっと前)の住宅が並んでいます。
私たちはおうちの位置のために、普通は北側からここへ入ります。
マーブルヒルハウスを北側から見ると、視界に入るのは芝生と邸宅と周りの木々だけです。
テムズ川の向こうは、ピータシャム、そしてリッチモンド公園なので、背の高い建物はありません。

そんな景色を見ながら、ふとティムちゃんが、
「みきちゃん、僕たちが見ているこの景色は、きっと200年前から変ってないよ」
「木はもっと小さかったんじゃない?」と私。
「それはそうだけど、雰囲気っていうか、そんなこと。芝生とかは変ってないよ。こんなに広いのに、芝生を刈るのは大変だっただろうなー」
「鎌とか使ったんじゃない? きっとたくさん使用人がいたのよ。でも羊を飼って済ませたかもね。勝手に食べてくれるから楽チンじゃん」
今日はこれ以上ティムちゃんの気持ちを害したくなかったので言いませんでしたが、この周りは150年前までは畑が広がってたはず。
そんな中で見るマーブルヒルハウスは、今私たちが街の中で見るマーブルヒルハウスとは随分違っていたはず。
建物はもちろん一緒だけど、住宅地の中にいきなり広い芝生があって、そこにぽつんと瀟洒なお屋敷がある今、私の連想する言葉は「歴史、閑静、安らぎ、保存」
この建物ができたときは、この辺りには何もなかったはず。
村と村の間。
テムズをはさんで(橋はまだなかったので、舟で渡った時代)1kmくらいで別の貴族のお屋敷。
きっとその時代にここを見れば「富、権力、浪費、別世界」っていう感じかな?


お散歩の楽しいところは、こんな風にバカなことを言い合って時間がたっていくことです。
基本的にティムちゃんは、見ているものをそれ以上深入りして考えません。
そのまま何でも受け入れるタイプ。
典型的なイギリス人です。
私は日本人なので、どうしてそうなの、とか、こうだったらいいのに、なんて研究、改良型(笑)


ところでお散歩の途中に気が付いたのですが、マーブルヒルパークのタンポポは、みんな地面からすぐのところに花をつけています。
そんな種類なのかなー、と思って注意していると、パークの淵あたりでは、ちゃんと茎が伸びて、ちょこんと花が咲いています。

「ねえティムちゃん、タンポポ見てよ。これってダーウィンの進化論みたいじゃん」
このパークではトラクターみたいな芝刈り機を使います。
「背の高いタンポポは種を作る前に刈り取られちゃうから、短いのばっかり生き残ったのよ。公園の淵は草がたくさん生えているから背が高くないと競争に負けちゃうから背が高いの、すごいよねぇ」これが芝生の上のタンポポ。葉っぱも小さくて殆ど見えません。これはパークの淵のタンポポ。
ティムちゃん、これを聞いてなんて言ったと思います?
「よかったね、みきちゃん、かわいいタンポポがたくさん見れて」

イギリス人が、というよりもティムちゃんが深く考えないタイプなのかなぁ?
ダーウィンは偉大だったと改めて思いました。
「物事がそうなのは、そう決まってるから」なんて国で、よく進化論なんて発表できたと感心してしまいました。

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