桃太郎君は日本のテレビドラマが大好きです。
こちらで手に入るものは音声はそのまま、英語の字幕が出てきます。
桃太郎君の日本語は、日本のドラマを見始めてから随分上達しました。
小学校の2年生くらいまでは、ロンドンの補習校で土曜日に日本語を勉強していたのですが、「日本人は意地悪だ」と補習校は辞めてしまって、日本語はそれほど上手ではありませんでした。
桃太郎君はつい最近まで、自分はイギリス人だと考えていました。
だから、「補習校の日本人が意地悪だ」とは言わずに、「日本人(自分は入っていない)は意地悪」となるわけです。
ところがおととし日本に遊びに行かせた頃から、ちょっと変化が出てきました。
何でもイギリスのものがだめで、その反対に日本が最高の場所のように考え始めたのです。
今では音楽も日本のものを中心に聴くようになりました。
因みに好きなのはYUIちゃんと、大塚ナントカって子と、ウタダヒカルだそうです。
たぶん、アルバムは全部I-Podに入っているんじゃないかな?
学校でもオリエンタル系の子達と仲良くし始めました。
(残念ながら男子校なので、女の子はいませんが、どうやら髪の長い清楚な女の子が好みのようです)
桃太郎君の学校はハーフやクウォーター、そして外国人の子が殆どで、生粋のイギリス人は半分以下です。
といってもヨーロッパや北米のミックスなので、見た目ではあまり気が付かないかもしれません。
オリエント系の子は全体の10%くらいかな?
あまり友達の国籍が偏るのも心配なので、学校の先生に相談したこともあるのですが、思春期の男の子の普通の行動だと言われて安心しました。
お友達に剣道を教えている女の子がいるのですが、彼女もオリエント系のハーフや日本人の思春期の男の子のことをよく知っているので、相談してみました。
やっぱり問題ないそうです。
この時期の子供(特に男の子)はアイデンティティーについて模索する時期で、数年したら、自然に偏りがなくなっていくそうです。
少なくとも私たちには、友達のことでも自分のことでも、何でも話してくれるので、それほど心配は要らないのかもしれません。
桃太郎君は映画も大好きです。
殆どお友達から借りてきたDVDなのですが、なぜか桃太郎君のMacか、PS3でしか映りません。
そこで桃太郎君のお部屋で、ベッドに座って楽しむことになります。
たまにはティムちゃんも参加して、ベッドの上に3人が座ると、本当に窮屈ですが(これが団欒?)この年頃の子供は親と口もきかないことも珍しくないそうなので、まぁ幸せなほうだと思います。
一月くらい前から、そんな桃太郎君が
「マミィ、とてもいい日本のドラマがあるから一緒に見ようよ」ときいてきました。
「字幕がついてるなら、ティムちゃんも楽しめるかな?」と思ったのですが、桃太郎君はあまり気が進まないみたい。
理由を聞いてわかりました。
不治の病にかかった、女の子のお話なんですって。
「1リットルの涙」というタイトルです。
延ばし延ばしにしていたのですが、やっと数日前から見始めました。
ティムちゃんは怪我とか病気の話は大嫌いです。
でも仲間はずれになるのはもっと嫌いなので(笑)私たちがドラマを見るといったら、枕を2つ抱えてお部屋にやってきました。
でも案の定、第1話でギブアップしてしまいました。
先週末から桃太郎君の学校は春休みなので、二人でこの先このドラマを楽しむ予定です。
昨日3話目を見たけれど、泣かなかったのは1話目だけかな?
ティムちゃんがバックグラウンドの音楽が悪いとか、ア、この子かわいい、とか、余計なことばかり言うので泣かずに済んだのですが、桃太郎君と二人で見ていると、集中できるみたいです。
「絶対マミィは泣くと思った」そうですが、これみて泣かない人はちょっと変だと思います。
まぁ、感受性は人それぞれだけど。
特に主人公が桃太郎君と同じ年なので、余計に考えてしまうかもしれません。
それにしても、どうして桃太郎君はこのドラマが好きなのかな?
しかも、私にまで勧めるなんて。
(桃太郎君は既にもう全部見てしまっています)
やっぱり自分のアイデンティティーや、人生についていろいろ考えている時期なのかな?
4 件のコメント:
北米で15-18歳対象の家庭教師やホームスクーリングをしていたのですが、そういう(子供からの)質問は結構多かったです。
ちょうど自分の将来とか、そこまで明確な認識はなくても、自分はどんな大人になりたいかということを考え始める時期なのかもしれません。
そうなると、まず一番に考えるのは「自分はどういう人間なんだろう?」とか「どういう性質・特質があるのだろう?」「どこからきたのだろう?」「自分の中に流れる血とかDNAってどんなもの?」と考えるようです。
そういう時期なのかもしれませんね。
逆に、自分のバックグラウンドを全く否定をしたがる子もいました。
親が日本人だったり、日系人だったりする生徒は、私が日本人だと知ると、特にそういう質問が多かったです。時には偏ったり、頭でっかちになったり、昨日まで大嫌いだったものが、今日は大好きになったり・・・でもそれがその子供、子供の「過程」なのだろうなと思いました。
一番良いのは「お手本」を示してあげることで、その子が「そうなりたい」と思う考え方や、ライフスタイル、思考方法などを示してあげると多少方向性が見えてきて楽になるようです。
お手本は「本」だったり、「親」だったり、「身近な大人」だったり、時には「どこかの有名な人」だったり・・・。
でも純粋なその国生まれの子供でもそうですから、ごく普通の成長過程なのではと感じました。
一緒に観たかったのは、単純に感動したので誰かとシェアしたかったのかもしれないし、「日本人であるママ」はこの日本のビデオを見てどういう反応をするのかなぁという好奇心・観察心みたいなものもあったのかもしれませんね。(単に、ひとりで見たくなかっただけだったりして・・・笑)
ちなみに、親の国籍が違う子供って、親の行動を「国籍別文化」を通してよく観察していることが多いです。
なんか、こんなことでお役に立てると良いのですが・・・
Patioさん、こんにちは。
興味深いお仕事をされていたんですね。
このドラマに出てくる子供たちは桃太郎君と同じ年という設定なので、共感や反感を持って結構入り込めるみたいです。
そういえば他のドラマも学園モノが多いかな?
どこの国でも似たようなものなんですね。
久しぶりです。元気ですか?
私も「1リットルの涙」見ました。
ご存知のように、私は英国在住なのに、大量に日本の映画&ドラマのDVDを見ています。でも、うちの娘(英国&日本のハーフ)は、一緒に見たいと言うことはありません。
私も「お母さんと一緒にドラマを見たい」なんて言ってくれる、男の子がほしいなあ。
ひろこさん、お久しぶり!
やっぱり男の子と女の子の差じゃないかな?
我が家では「何でも3人で一緒にする」ってことが普通なので、それもあるかもね。
きっと親というより友達感覚なんだと思う。
だから、全然威厳がないので、見るひとによってはイケンされたりもするけど。
「躾によくない」なんてね。
昨日も3人でニモとハリーポッターと2本も映画を見ました。
でもね、桃太郎君はそちらみたいに自分で起きて朝ごはん食べて学校に行ってくれるほど手間要らずではありません(笑)
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