2009年3月12日木曜日

ダブルブッキング

我が家のカレンダーはいろんなところに置いてありますが、一番大事なのはお玄関のドアの内側にかけてあるものです。
おうちを出入りするときに必ず目にするので、歯医者さんの予約とか、桃太郎君の学校行事とか、たくさん書き込んであります。
以前にも書きましたが、私もティムちゃんも通勤していないので、不規則なお仕事関係の予定もカレンダーに書いておきます。

3月11日の予定は「MIKI・BRITISH MUSEUM/STUDY」と書いてありました。
私の所属している観光ガイド関係の協会は4つ。
それぞれが勉強会や講習を主催しているのですが、そのひとつJRTGA(日本語観光ガイド協会)主催の大英博物館でのケルトに関する講義が予定されていました。

イギリスのブルーバッジという資格は、はとバスのように建物を外から案内することもありますが、博物館や美術館の中を案内することも多くあります。
ハイライトツアーのようにめぼしいものなら、資格を取った段階で説明できますが、ギャラリーの展示を一つ一つ丁寧に見ていくためにはもっと深い知識が必要になります。
そこで専門書を読んだり、博物館のコースを取ってみたり、勉強会に出席したりするわけです。

数週間前に、ティムちゃんが日本酒のテイスティング(利き酒)に誘われていたのですが、これがなんと同じ日です。
「僕一人で行きたくないから、みきちゃんも来てよ」と言われていたのです。
初めは勉強会の前にちょっと軽く利き酒を楽しんでから、大英博物館に行こうと思っていたのですが、ちょっと時間的にきつそうです。
利き酒は12時から4時半まで。
勉強会は2時から3時半まで。

和食のお弁当を利き酒の会場で出してくれるというのですが、やっぱり、ちゃんとお昼ご飯をレストランで食べたいので、そうなると、勉強会に遅れてしまうかもしれません。
そこでやむなく勉強会をあきらめることにしました。
利き酒をあきらめないところが、私らしいでしょ?
だって、イギリスに住んでいたら、なかなか日本酒って飲めないんですもん。
大英博物館は明日も明後日もそこにあるけれど、日本酒はこの日だけ・・・。
しかもこの利き酒は、長野県の小さな蔵元ばかり、5家から3種類の日本酒が提供されているんです。
イギリスでは手に入らないものばかりです。

ピカデリーサーカスにある、日本クラブが会場でした。
私はこれまでたくさんのワインのティスティングに行った経験がありますが、日本酒のものは初めて。
しかも今回は規模が小さいので、個人面談みたいにテーブルを挟んでの試飲です。
ティムちゃんは和食のレストランで日本酒を飲んだことはあるけれど、こんなにたくさんの日本酒を蔵元の話を聞きながら飲んだことはありません。
それぞれの蔵元に通訳がついていたのですが、正直言って飲み物の専門家ではなかったので、ティムちゃんには私が全部訳しました。
吟醸酒とか、お米の精米度だとか、熟成だとか、面白かった。
それにしても日本酒って高い。
それぞれのテーブルで、輸入した場合のお値段をもらいましたが、最低でもシャンペンと同じくらいの値段です。
このテーブルに最初に案内されました。
大信州酒造という会社です。
私にはここのお酒が一番美味しかった。

このテーブルは親子で参加。
芙蓉酒造という名前です。
ティムちゃんは「イギリスにはどれくらい滞在するんですか」とか「ホテルは何処」とか「イギリスは好きですか」とか、お酒に関係ないことばかり聞いていました。
お米の見本なども見せてくれて、ここのプレゼンテーションが一番良かったと思いました。
お次の蔵元は湯川酒造、今回参加の中では一番古いおうちだそうです。
彼で15代目なんですって。このテーブルが最後、豊島屋酒造5つ目の蔵元だったのですが、お土産に彼の着ているのと同じ、上着(?)と携帯につける日本酒のボトルのチャームをくれました。
ティムちゃんは嬉しかったみたいで、「キモノをもらった」とお友達(英国人)に電話しましたが、所詮イギリス人なんて、そんなもの・・・?
実はもうひとつ、テーブルがあったんですが、写真を撮り忘れていました。
遠藤酒造場というところで、ティムちゃんいわく、イギリスでだったら、ここのお酒が一番受けるだろうということです。
「どうして?」ってきいたら、パッケージングがいいそうです。
イギリス人はまだまだ日本酒の味がわからないから、パッケージやメダルでアピールしていくことが大切なんですって。

この後近くのレバノン料理のレストランによって、帰路についたのは4時過ぎ。
とってもお勉強になった午後でした。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

楽しそうな企画!!
お酒は飲めないけれど、こういう催しは好きなんですよ。
それに博物館のスタディツアーも興味深いですね。それってガイド関係者以外でも受けられるんですか?
大都会ロンドンでは様々な催し物があっていいなぁ。

Miki Bartley さんのコメント...

マダム、お返事が遅くなりました!
ちょっと忙しかったんです・・・。
この企画、面白かったですよ。
でもすごく小さな会だったので、緊張しました。
たくさん人が来るところだと、適当に飲んで失礼するんですけど(笑)、ちょっとそんな雰囲気ではありませんでした。
残念だったのはプラスティックのカップだったこと。
ちゃんとした器で飲むと、違うのになぁって思いました。
スタディーツアーはね、主催者によります。
あと、やっぱり基礎知識がある人向けか、一般向けか、いろいろあるみたいです。
でも一般向けのツアーもたくさん用意されています。