この写真はクラスと名前は消しましたが、本物の桃太郎君の成績表。
名前を消す意味があるのかどうかは別にして、とりあえず本人の希望なので。
これまで成績を表すのは、努力も達成度も両方数字だったのに、今学期から達成度はアルファベットに変わりました。
これは来年受けるGCSEという全国統一試験のために評価をわかりやすくしているのが理由だそうです。
しかし桃太郎君、完全に文系の成績です。
将来何をしたいのかなぁ?
イギリスの学校は日本との違いがたくさんあります。
まず歴史が違います。
イギリスでははじめに大学ができました。
大学へ行ったのは、教会で出世できるように、神様についてのお勉強が必要だったからです。
聖書を読むためにラテン語やギリシャ語も必要です。
はじめは有名なお坊さんの下に、各自弟子入りをしましたが、そのうちもっとその規模を大きくした方がお互い便利だろうということで「カレッジ」が登場します。
というのは先生であるお坊さんが留守や病気のときに、代わりがいないと困りますし、先生の方もばらばらに弟子を取るよりは、何人かで責任を分担した方が効率がいいからです。
カレッジというのはチャペルと図書室と寮で成り立った共同体だと思ってください。
そして大学はそのカレッジの集合体です。
有名なオクスフォードではマートンカレッジが1264年、ケンブリッジではピーターハウスカレッジが1284年の設立といわれています。
ともに裕福だったお坊さんが作りました。
そのうち「カレッジに入る前にある程度のお勉強をいておいたほうがいいんじゃないの?」ということでパブリックスクールができました。
パブリックということは一般に開かれた、という意味で、公立という意味ではありません。
イギリスのパブも同じ意味です。
時々、「イギリスではパブリックが私立でプライベートが公立」といった、訳の解らないデマカセを読んだり聞いたりしますが、そんな事実はありません。
ということでパブリックスクールは13歳から18歳までの男の子の学校として始まっています。
そしてやはりチャペルが重要な位置を学校の中で占めているのです。
パブリックスクールにははじめからその目的(College)で始まったタイプのものと、教会付属の学校(School)から変化したものの2種類があります。
前者の代表がWinchester Collegeで創立1382年。
後者の代表はWestminster School、創立は1560年ですが、その前身の学校は1179年とという風に開きがあります。
桃太郎君の学校もウエストミンスター校のように元は教会付属校で450年以上の歴史がありますが、今では礼拝の義務はなくなりましたし、英国国教会信者以外の生徒もいます。
時代が下ると今度は「パブリックスクールの準備が必要」となって、その名もプレパレートリー(準備)学校というのができるわけです。
これは子供を入れたい時期はいろいろなので、入学時期よりも13歳に終わるというのが特徴です。
公立の学校が小学校、中学校と低年齢から上がるように発展してきたことと、私立の準備という感覚の発展の違いは今でも学校のシステムの歪として残っています。
何歳で何年生、というのは公立か私立かで変わってきます。
2 件のコメント:
↓の記事もそうですが、みきさんってさすが優秀ガイドさんだけあってお詳しいですね。
私は歴史(特に庶民の暮らしとか風習)が好きなので、とっても興味深く読ませていただきました。
ところで桃太郎君文系なんですね。
うちのおねえちゃんは悲しいくらいに理数系でした。
Pharyさん、こんばんは。
優秀ガイドさんかどうかはわかりませんが、イギリスのことは結構勉強しました。
私も歴史は大好きです。
それから凝っているのが語源学。
数年前に大きな辞書を買ってもらって暇なときに読んだりします。(辞書を読むのが好きなんて結構悲しい人生かも・・・)
へぇー、お姉ちゃんは理数系なんですかー。
理論的なのはいいですね。
桃太郎君は数学がとっても苦手です。
いくら説明してもわかってくれないので、フラストレーションがたまって、それがわかるらしく、マミィは先生には向いていないって何度もいわれました。
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