2009年5月19日火曜日

イギリスでの経費

イギリスではここ10日前後、毎日のように国会議員の経費の詳細について議論が交わされています。
そもそもはデイリーテレグラフ(The Daily Telegraph)という新聞が、これまで公表されたことのなかった議員の経費の内訳をスクープしたからです。

ただでさえイギリスでは、景気の落ち込みや職を失って家計が苦しい人たちが増えているのに、国会議員たちの経費の内容はまるで全くその影響の外にあるようです。

国会ができた初めの頃、イギリスでは国会議員は無償でした。
そのために裕福な人しか国会議員になれなかったという歴史があります。
国会議員にお給料や経費を出すことによって、裕福でない人も議員として国会に意見が出せるようになりました。
イギリスの国会議員の経費についてのルールは「グリーンブック」という名前の小冊子で見ることができます。

国会議員は自分が代表する地域に住む必要があります。
そして議会の開かれるウエストミンスター(ロンドンの西)にも住居が必要になります。
その為にこのセカンドハウスやオフィスが経費の対象になるわけです。
賃貸の場合は家賃、購入の場合は住宅ローンを経費で支払います。
それ以外に内装や家具、その他いろいろ住居に付随する細かなものが加わっていくと、そのリストは膨大なものになるわけ。

今回の暴露によって、例えばペットのえさとか、プールの清掃費用とか、全く国会議員としての仕事に関係のないものがどんどんリストアップされ始めました。

何人かの議員は適当ではないと思われるような経費に関して返却をはじめました。
これがまた庶民の神経を逆なでしています。
というのも、もし普通の市民が税務署などに対して虚偽の申告をしたり、不正な行為のあった時は「返したから」といって済まされないからです。
とうとう昨日からは諸悪の根源は議長にあり、ということで衆議院の議長、Michael Martin 不信任の動きが始まりました。
ちょっとスケープゴートっぽいと私は思いますが、どうなるかとても興味があります。
すぐに総選挙みたいなことにはならないはずですが、今選挙があったらどうなるかな?
多分3大政党から選出される議員は激減して、小さなグループや無所属の議員たちが大半を占めるかもしれません。
英語ですが、テレグラフの国会議員の経費に関するリンクを張っておきますので読みたい人はどうぞ。

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