私の職業は観光ガイドです。
イギリスでは観光のガイドには資格があって、ブルーバッジガイドというのが私の資格の名前です。
昨日、私のお仕事用のメールアドレスにに、日本の大学生から問い合わせが入っていました。
大学でブルーバッジガイドについてプレゼンを考えているので、話を聞かせて欲しいという旨です。
これまでにも、海外で働く女性という立場から、何か書いてくださいとか、イギリスのガイドから見た、ロンドンの近況についてとか、そんな質問はよく頂くのですが、ブルーバッジガイド自体についての質問はちょっと珍しいかも。
以前、日本の某県の観光局の方が、ロンドンのブルーバッジ制度について視察に来られましたが、それくらいかな?
観光の時に、私のつけているバッジに目を留められた方から質問されることはよくありますが、わざわざその為に来られる、というのはその一回限りです。
このメールでは、ブルーバッジガイドの成り立ちや、資格試験のことなど質問がいくつか書かれていました。
私のブログから、メールアドレスに辿り着いたそうなので、じゃあネタのひとつに使わせてもらおう、と今回の記事になりました(笑)
世界中に観光地があって、それぞれの国や地方に観光ガイドが存在するわけですが、資格や制度、また習慣などは、かなりの違いがあるようです。
現在では WFTGA (THE WORLD FEDERATION OF TOURIST GUIDE ASSOCIATIONS)が設けられていて、世界中の公認ガイド協会とそのメンバーが一目で分かるようになっています。
パッケージの旅行では、通常現地オペレーターがガイドの予約などを行いますから、お客様が旅行の前に直接ガイドとコンタクトを取ることは非常に稀なケースです。
でも、手配旅行や個人旅行などでは、少しずつですが、お客様がガイドの下調べをしたり、また事前にコンタクトを取って、綿密な打ち合わせを希望されるお客様も増えてきました。
最近では飛行機とホテルだけは旅行会社のパッケージを利用して、中身だけをアレンジして欲しいといった、個人のお客様も増えてきました。
ロンドンのブルーバッジガイドは、その殆どがオペレーターから仕事を請け負っています。
大手の旅行会社の「専属」ということで、他社からの仕事を取らない代わりにある程度の仕事の保障を受けているガイドや、フリーランスとして、請われればどのオペレーターからでも仕事を請けるガイドもいます。
いずれにしても、その一つ一つの仕事に対して請求書を書いて、その支払いを受ける、といった個人営業のカタチになります。
私はオペレーターからの仕事は全体の10%以下で、殆どのお仕事はお客様から直接請けています。
間に誰も入らないので、お客様の意向が直接伝わるのがこの方法の魅力です。
コミュニケーションはインターネットのおかげで随分スムーズに、そしてコストも低くなりました。
電話やファックスの代わりに、メールやウェブでいろんな情報を流すことができるようになりました。
ブルーバッジガイドは第2次世界大戦の後、ロンドンで始まりました。
街の中で爆撃を受けた場所などを案内したのが始まりだそうです。
ですからブルーバッジガイドのギルドの前衛に当たる、「ガイドレクチャー・ギルド」は瓦礫の後にたくましく咲いている雑草の花がロゴに使われました。
1951年、終戦後の国民の士気を高めるために「フェスティバル・オブ・ブリテン」というお祭がロンドンで開催されたのですが、国内からたくさんの人々がロンドンに集まったそうです。
その案内役にもガイドは活躍したそうです。
現在ではブルーバッジの資格はインスティチュートによって管理されていて、過去の試験問題や資料などもそこで手に入ります。
ブルーバッジのコースは18ヶ月で、受講するためには英国の基礎知識テストに合格する必要があります。
レベル2やレベル3のコースを終了後、このテストを受けるのが普通ですが、自信のある人は直接チャレンジすることもできます。
私が受けたときは100の設問(xxxは何ですか?、xxxはどこでみられますか?、xxxは何年ですか?、xxxは誰が設立しましたか?みたいな質問)と、エッセイ(何字だったかは忘れました。ノルマンの征服についてだったような気が・・・)で成り立っていたのですが、今はどうなっているか知りません。
問題を見た時に、
「この答え、全部知っていたら、コースなんて受ける必要あるの???」
と思ったことは、はっきり記憶に残っています。
テストに合格したら、今度は面接です。
事前に課題を与えられて、それに関する5分ほどのプレゼンテーションを行います。
私の課題は大英博物館だったのですが、何を喋ったのかはすっかり忘れてしまいました。
その時に私の書いたエッセイに関して、幾つか質問を受けたことを覚えています。
数週間してから、手元に受講許可のお手紙が届きました。
それでは続きはまた今度。
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