昨日も朝から晩まで桃太郎君のベッドのそばで1日を過ごしました。
6人部屋で、3人ずつ向かい合わせのつくりなのですが、肺の関係で入院している人たちばかりです。
斜め向かいの人は30歳半ばの女の人、スロバキア人です。
なぜわかったかというと、病棟の入り口に名前が書いてあったから。
この人は桃太郎君と同じ症状で、同じ治療を受けていましたが、桃太郎君より1日遅くやってきて、おととい退院してしまいました。
桃太郎君のお隣には咳をよくするおじいさん。
お気の毒とは思うのですが、このおじいさんが咳き込むたびに、すごく苦しそうな音なので、ちょっと隣にいるのがイヤになってしまいます。
昨日、そのおじいさんのところに、新しい看護婦さんが来ました。
ここは大学病院なので、いろんな人が来ます。
医学生や看護学生なんかも。
「どう?元気ですか?」
なんて、とってもフレンドリー。
少し後に「ところで、お誕生日はいつ?」とその看護婦さんが聞きました。
普通、看護婦さんが誕生日を聞くのは、その人が本人かどうか確認するため。
その時も、お薬を渡しに来たときでした。
でもそういった時は「Date of Birth(生年月日)」といいます。
彼女はそのかわりに「Birthday(お誕生日)」という言葉を使いました。
意味は同じだけど、印象は随分違います。
おじいさんは、「どうもありがとう。でもまだもう少し先なんです」と応えました。
看護婦さんは「あの、本当に知りたいの」
おじいさん「そのキモチだけで十分です」
カーテン越しに聞いていた、桃太郎君と私は、もうおかしくっておかしくって声を上げて笑ってしまいました。
病院生活も、耳を澄ませば悪くないかもね。
でも1時間後にはスロバキア人の替わりに入ってきた人が、おなじ病室で亡くなりました。
一度に10人くらいお見舞いに来て「狭いのにカーテンを閉めたままなんて、変だなー」とは思っていたのですが、何となく雰囲気でそうとわかりました。
2時間ぐらい、そのベッドのカーテンは閉められたまま、時々ナースが注意深く出入りしていました。
カーテンで仕切られているだけなので、中の会話は周りに筒抜けです。
「死亡証明書」とか「「遺体安置所」とか、はっきり言って病人には聞かせたくない単語がたくさん出てきました。
桃太郎君はあまり気にしていないようでした。
それよりもナースの態度が変わりないことに気付いて、
「病院なんかで働いていると、普通になっちゃうんだよ、きっと」と言いました。
そのあとポツリと「僕はナースにはなりたくないな」
本当に大変なお仕事だと思います。
2 件のコメント:
病院にはいろいろな人がいますよね。
どうぞお大事になさってください。
無理しないようにお過ごしください。
のび太さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
来週には退院できそうです。
コメントを投稿