2005年にロンドンが開催地に決定したとき、正直わたしの気持ちは複雑でした。
絶対パリのほうに分があるとも思っていました。
しかも、翌日ロンドンでは同時テロ。
大変なことになるかもって思ったのを覚えています。
仕事が観光ガイドなだけに、イギリスでの大きなイベントは、直接生活に関係します。
東京は2016年の誘致も考えていたので、ロンドンに決まってすぐ、視察ツアーもありました。
古代オリンピックと近代オリンピック、加えて開催地である東ロンドンの歴史や背景、スタジアムなどの建築なども取り込んだ、幅の広いコースです。
オリンピックパークには入れなくても、周りのウォーキングツアーが人気に。
私もたくさんのお客様をご案内して、オリンピックへの期待がどんどん高まっていきました。
ロンドンのオリンピックがこれまでのものと大きく異なるのはレガシー(遺産)の部分です。
西暦2000年のお祭り騒ぎの後、会場だったミレニアムドームの処理が大変だったのは記憶に新しいところ。
イギリス国民の間に「もうホワイト・エレファントはごめん」という気分が蔓延していました。
ホワイト・エレファント(白い象)というのは、お金がかかるだけで何の役にも立たないもの。
そこで、オリンピックにかけるお金の70%は、オリンピック後を見越して使うというアイディアが出てきたわけです。
開催地の東ロンドンは、貧民区でもあるわけで、そこの再開発や雇用に力が入れられました。
選手村は将来の住宅にするために、近くに病院や学校などの計画も立てました。
既に、選手村はマンションへの改装が終わって、今月から住民を受け入れます。
オリンピックパークはクイーンエリザベス・オリンピック・パークという名前に代わりました。
ウェブサイト(リンクします)は随時アップデートされています。
オリンピックがなければ、この地域は汚染されたまま、人もほとんど住めないままだったのです。
近代オリンピックは、特にロスオリンピックから、コマーシャリズムの影響を大きく受けています。
なので、純粋なスポーツの祭典とは考えにくいかもしれません。
それでも「オリンピックだからこそできること」がたくさんあると思います。
私が東京オリンピックに期待していることのひとつは、パラリンピックの成功です。
ロンドンのパラリンピックのために、日本からも車椅子のお客様がたくさん来られました。
ロンドンは古い建物も多いために、やっぱり「まだまだ」な場所が多いのですが、パラリンピックのおかげでずいぶん改善された部分も多いのです。
「オリンピック以外に、もっとお金の使い道があるだろう」という意見もあるようです。
2020年の夏の2週間のために莫大なお金を使い切るのなら、それは間違っているでしょう。
でもそれで終わらせない使い方というのは、ロンドンが既に実践しています。
東京オリンピック・パラリンピック楽しみですね。
それじゃあ過去記事をちょっとリンクしておきます。
近代オリンピックのクイズ
近代オリンピッククイズの答え
古代オリンピックのクイズ
古代オリンピッククイズの答え
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