2012年3月13日火曜日

近代オリンピック

今週は、オリンピックの追加資格をとるために、ロンドン大学で特別講義を受けています。

今日の授業のひとつは、近代オリンピックの歴史について。
グーグルで「近代オリンピック」を検索すると、フランスのピエール・デ・クーベルタン男爵が提唱して始まったことになっています。

でも、私が勉強している場所はイギリスですから、歴史は単純ではないのです(笑)

確かにピエール・デ・クーベルタンは人を集めていろいろな働きかけをした人です。
が、彼の少し前にイギリスでは既にオリンピックゲームが行われていました。
労働者階級の教育と健康のために、ウイリアム・ペニー・ブルックスという名前のお医者様が提唱しています。
ブルックス先生はウェールズとイギリスの境にある、小さなマッチ・ウェンロックという村に生まれて生活していました。
そこでこの競技大会は、村の名前を取って「Wenlock Olympian Games」とよばれていたのです。
1890年にクーベルタン男爵はこの村を訪れて、ブルックス先生の家に滞在し、オリンピックを見学、そしてオリンピックを国際的に広げるために国際オリンピック委員会を作ったのです。

ということで、イギリスでは近代オリンピックの父はブルックス先生。
そして、ウェンロックでは今でも毎年オリンピックが行われています。
ウェンロック・オリンピック協会のホームページはこちら

ただ、国際的な近代オリンピックは、やはりクーベルタン男爵に名誉を譲らないといけないようです。
彼が作った国際オリンピック委員会(IOC)はスイスのローザンヌにその本部を置いています。
クーベルタン男爵の亡骸はローザンヌに葬られましたが、心臓はオリンピアに埋葬されたそうです。

ウェンロックほど有名ではありませんが(というか、ウェンロックだって、有名じゃないんだけど)今から400年前(1612年)にコッツウォルズの有名な町チッピンカムデンでもオリンピック再興の動きがありました。
こちらはCotswold ‘Olimpick’ Games とよばれました。
オリンピックの綴りが違うでしょう?
競技も今とは随分違います。
「shin-kicking(向う脛蹴り)」なんて、痛そうです(爆)
ウェブサイトのリンクはこちら
このサイトによると、もちろん近代オリンピックの提唱者はロバート・ドーバーさんです(笑)

歴史って、奥が深いなぁ・・・

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