2008年2月21日木曜日

イギリスの教育制度と豚の心臓


イギリスと日本の違いはいろんなところにありますが、教育もそのひとつです。
この国では元々勉強が必要だったのは出世の見込みのある頭のいい子供たち。
そして中世では出世は教会の世界で、と決まっていたのです。
有名なお坊さんの下で神様の勉強をしたのが始まり。
そしてこれらは現在では大学と呼ばれています。
オクスフォード大学では、1096年には既に教育が行われていたとの記録があります。
1167年にはパリ大学が英国人の学生を排除したことで、イギリスの大学(オクスフォードとケンブリッジ)は飛躍的に学生数を伸ばしています。

そのうちバラバラに勉強するよりも、寝食共にお互いにがんばろうということで、お金持ちの貴族や有名なお坊さんがパトロンになってカレッジを作り始めます。
そしてそれらのカレッジに送り込む有能な子供たちの教育、ということでパブリックスクールが出来ました。
パブリックスクールは13歳から18歳までの男の子の学校です。

才能のある子なら身分に関係なく入れる「開かれた(パブリック)学校」ということです。
よく日本の方が「イギリスではパブリックが私立でプライベートが公立でしょう?」
というのですが、学校に関して言えばパブリックもプライベートも私立です。

そしてそのうちこういったパブリックの前に行く学校ということでプレップ(プレパレイトリーの略、準備といった意味合い)が出来はじめます。

公立の学校は日本でいう明治時代の頃に、貧しい子供たちに最低限の教育を与えるために始まりました。
これらの中間に日本で言う寺子屋的な教会が出資の学校もありますが、これも貧しい子供たちのためです。
最近では勿論こういった学校からも大学に行く子供たちがいますが、一昔前までは考えられなかったことです。


桃太郎君は現在中学校3年生です。
彼は公立の小学校で5歳から6年間を過しました。
中学校は私立に進みましたが11歳から18歳までの7年間の学校です。
公立の中学校は11歳から16歳までの5年間だけで、中学校の最後の2年間は卒業試験(GCSE) の勉強のみになります。
これは15-16歳の子供たちに行われる全国統一試験です。
学校によって科目数や教科は様々。

桃太郎君が選んだのは、選択科目がスペイン語、歴史、美術、テクノロジーです。
必須は英語(国語)、英文学、数学、化学、生物、物理。
選択できるけれど、今回見送ったのは、ラテン、ギリシャ語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、ドラマ、宗教、音楽、地理です。
つまりこれらの科目はこの先無縁になるということ。
地理なんてまだ大したこともやっていないのに、本当にいいの???って感じです。

でも選択した教科は今年の9月から2年間みっちりお勉強。
今日は生物の時間に心臓の解剖をするそうです。
「マミィ、豚の心臓をひとつ買ってきてね」
といわれたのは先週の話。
お肉屋さんで聞いてみたら
「変わってますね、普通は羊の心臓ですよ」といわれました。
宗教上の理由で豚はまずい人もたくさんいて、最近は羊が主流ですって。
桃太郎君に聞いてみたら
「ああ、何でもいいって。豚とか羊とか。でも牛は大きいからだめって言ってた。」
ということで写真はそれです。
開けてみる気にはなりませんでした。

でもイギリスでは食べる人もいるそうです。
勿論お料理してから!!

私はパス!

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