英国の付加価値税(消費税のようなもの)(VAT)
英国でVATが始まったのは1973年。
1940年に導入された「Purchase Tax」に代わり、EU統合の一環として、単純化したものです。
今年はじめに17.5%から20%に上がりましたが、日本と違って大きな反対はみられていません。
現在英国のVATは、スタンダードレートが20%、割引レートが5%、0%レート、非課税の4カテゴリーに分かれています。
VAT非課税の項目は、家賃、私立校の授業料、ヘルスサーヴィス、郵便、金融、保険、ギャンブルなどです。
割引レートが適応されるのは、住宅の光熱費、生理用品、車のチャイルドシート、住宅改造費など。
0%レートは食料、書籍、子供用品などです。
これは個人的な意見だけど、授業料やヘルスサーヴィスは、VAT非課税にするよりも、所得税対象所得から控除すべき。
そうでないと、高所得者とみなされているミドルクラスの負担が、あまりにも多すぎると思います。
特に年収が5万ポンドから15万ポンドというクラスは、長年の努力が実って得ている所得層です。
100万ポンドクラスの人たちと違って、所得税を支払った後に、将来のための貯金やプライベートの学費、プライベートの医療費、そしてわずかな娯楽の後にはたいしたものは残りません。
所得税のように、収入によってレートが変わるわけではないので、よく、VATは不公平な税金だといわれます。
でも、生活必需品にはかかっていないので、個人的には悪税だとは思いません。
払いたくない人は、買い物の時に、ちょっと考えればいいと思います。
もちろん細かいところは見直しが必要だと思えることもありますが。
例えば食料品にはVATはかかっていないはずなのですが、細かく見ると、いろんなものが対象外になっています。
基本はぜいたく品(必須ではないもの)とみなされるとアウト。
じゃあクイズです。
次にあげるものはVATがかかっているでしょうか?
① チョコレート
② ソーセージ
③ イチゴヨーグルト
④ 牛ひれ肉
⑤ コカコーラ
⑥ ミルク
⑦ 輸入オレンジジュース
⑧ 国産りんごジュース
⑨ ビスケット
⑩ 紅茶
⑪ ミネラルウォーター
⑫ オーブンで焼くだけの一部調理済み食品
⑬ 濃縮ヴァニラ液
⑭ クリスプス(ポテトチップス)
⑮ マッシュポテトの素
答 VATがかかっているものは、①⑤⑦⑧⑪⑭の6つです。
スーパーマーケットでレシートをもらったら、何にVATがかかっているか記載されています。
ぜひきちんとみてください。
レシートの詳細部分。レシートの合計のところ。
もっと細かく見たい人のために、英国政府の条例のページをリンクしておきます。
0%レートの項目と対象外のもののリスト。
VAT条例(1994年)
2 件のコメント:
どこに線を引いて何を贅沢品と見るか、これはものすごく難しいと思います。
財務官僚の人と話しをしたことがあるのですが、もめるのはわかっている。多分官僚の方たちは消費税アップの時死人が出るぐらいハードワークになるだろうといってました。キャビアであろうと米であろうと食料品は割引消費税にしてしまえばよいと思います。細かいことを言い出したらきりがない。
ドンだけ考えたって、万人にとって公平なレートなんてありえませんからね。それにしても日本は消費税上げるのが遅すぎる気がしますよ。
ロッテンマイヤーさん、おはようございます。
ドイツでは、VATどうなっているんですか?
19%とかでしたっけ?
イギリスではたまに企業が特定の商品からVATを取るアピールをします。
最近だとスムージーの会社「イノセント」が敗訴しました。
コメントを投稿