2010年4月15日木曜日

転職

ティムちゃんがかわいがっていた、セールスの男の子(といっても30過ぎてるけど)がライバル会社に転職してしまいました。
M君と仮名にしておきます(笑)
M君はイタリア人です。
彼は3年くらい前にティムちゃんの会社に入ったのですが、彼直属の上司を飛び越えて、ティムちゃんにいつも電話をしてきたりするので、それも彼に目をかける理由のひとつだったみたいです。
「僕のマネージャーは能無し、僕を彼のチームから外して、直接面倒みてよ」みたいなことを言ってくるわけです。
ティムちゃんは「M は、子犬みたいだから、僕が面倒を見てあげないと。他からいじめられたりするとカワイソウだし」とよく言ってました。
私の目には「調子のいいイタリア人」としか映りませんでしたけど、なついて来られると、かわいくなるのが人間だから仕方ありません。
イタリア人が全てそうだと断定するほど、私はイタリア人を知りません。
でも、私がこれまで出会ったイタリア人は、みんなお世辞がとても上手です。
「ボスだから、言うんじゃないよ、個人的にね、僕は本当に、あなたのことを尊敬してるし、ファミリーだし、友達なんだよ」
とかは、よく聞く台詞。
こう書くと、空々しいけど、イタリア人がこういうと、本当らしく聞こえるので不思議です(笑)

イギリスはとてもコスモポリタン。
ティムちゃんの会社にも、たくさんの国籍の人が働いています。
イギリス人、フランス人、スペイン人、オーストラリア人、モーリシャスから来た人だっています。
でもね、いつもティムちゃんが心を痛めるのはイタリア人かな?
だって、会社を離れて個人的な相談とか、プライベートとお仕事をミックスするから、辞める時には余計にショックが大きいのです。
そして辞める時には決まって、「このままずっと友達で」とか、涙の別れとかもするのに、その後は音沙汰ナシ。
連絡してくるのは、困ったことができた時だけ。
長年、ティムちゃんのそばで色々見てきたので、最近では大体のパターンが見えてくるようになりました。

最近、イギリスの会社では、人の動き(転職)が活発になっています。
去年、たくさんの人を解雇した会社が、今年の第一四半期を終えて、有能な人間がいなくなったことが業績がおちた理由だというのに気が付いて、その補充をしようとしています。

2-3日前の新聞にも、業種によって、今年のお給料の伸び率に、倍以上差が出ているようなことが書かれていました。
人をたくさん解雇したところは、補充のための予算を他社よりも多めにとっています。
たくさん解雇せずに、何とか切り盛りした会社は、お給料の伸び率がそれほどでもないので、転職が魅力的なオプションに見えるわけです。
でもね、すぐに人員整理をする会社は、はっきり言って信用できない、と思うんですけどね。
会社のスタイルって、結構いろんなところに出るので、お給料だけで判断しない方がいいんじゃないの、なんて思ったりもします。
イギリスでは、転職は特別なことではありません。
普通は職業というのは、その人が専門とする仕事内容なわけで、会社が変わっても、仕事自体はあまり変わりません。
そこで少しでも条件のいいところがあると、ポンと移ってしまうのです。

M君も、最近余り電話がかかってこなくなったので、おかしいな、と思っていたら案の定、裏でライバル会社と話をしていたようです。
ティムちゃんは、出来るだけ、条件をよくしてあげようと努力したみたいですが、年収500ポンド位の差で、結局転職してしまいました。
会社に返さないといけないラップトップとか、携帯とか、持ってこさせればいいのに、わざわざおうちの近くに取りに行ってあげて、夜遅くまで(M君の好きな)レストランでお別れの食事をしてきたみたいです。
「涙の別れだった、イタリア人は感傷的だから、大変だ」
とティムちゃんは言うのですが、私がどう思うかは黙っておきました。

2 件のコメント:

かんとく さんのコメント...

興味深い記事ありがとうございました。最近、うちの会社も昨年に比べて、辞めていく人が増えた気がするのですが、そんな転職市場が影響しているのかもしれませんね。

先日となりのチームのイタリア人が辞めた時、似たようなことがありましたので、ちょっと笑ってしまいました。

miki bartley さんのコメント...

かんとくさん、こんにちは。
似たようなことがあったんですね(笑)
私は普段「・・・人は***」みたいなことを書くのはどうかと思うんですが、今回はちょっと書いちゃいました。

ところで転職、多くなっているみたいですね。
将来の不安なんかも要因のひとつかもしれません。
どの政権になっても、パブリックセクターは人員整理が始まるでしょうし。
もう少し安全そうなところを今の内に探して、という人も多いのかもしれません。