
大英博物館の始皇帝の副葬品「素焼きの軍隊」を見てきました。
この展示は特別展示なので一般のギャラリーと違って有料です。
9月から始まった展示ですが、かなりの人気で50万枚用意された前売り券はほぼ完売の状態です。
当日券が朝9時15分から500枚リリースされますが、それを手に入れるために朝7時過ぎから行列が付く日もあるそうです。
朝の10時過ぎに中に入ると既にチケット売り場には100人弱の列ができていました。
実は中国の磁器を見に来たのですが、「ついでに見れたらいいかな」くらいの軽い気持ちで並んでみました。
以前同じように並んだときは4時半のチケットしかなくて、帰宅ラッシュの電車に乗るのは嫌なので、諦めた経験があります。
今日は月曜日、しかも雨、それもあって20分ほど並んだだけで2時のチケットが取れるということなのでラッキーです。
大英博物館の中央には大英図書館の閲覧室があるのですが、この展示はそこを改装して行われていますから来年の春までは閲覧室をみることはできません。
まぁ他に大きなスペースが取れないのは解りますが、これが定着してとても素敵な閲覧室がいつも特別展示のために為に利用されてしまうことがないことを祈ります。
中に入るとイヤフォーンガイドが3.5ポンド。
入場料を12ポンド払ったあとに、それはないでしょう?と思いました。
やっぱり半分以下の人たちしかしか手にしていませんでした。
まず始めに時代背景の説明の展示が続きます。
エリアのこととか、その辺りの埋葬のしきたりや、戦争の際に使われた武器など、始皇帝には直接関係のない時代が殆どです。
大きなスクリーンでは戦いのシーンが映し出されて、始皇帝が5つのエリアを征服して皇帝になったという雰囲気が感じられるようになっています。
次の展示は秦がどれくらい文化が発達していたか、始皇帝がどんなところに住んでいたのか、という資料です。
続いて彼らの思想、そして死後の世界の為の準備、そして実際の素焼きの軍隊がどのようにして作られたかといった資料に移ります。
1974年という本当に最近発見されたということや、畑を耕していて偶然発見者となったYangさんの事とか・・・・
・・・・
もう、前置きが長すぎ!!
ここにたどり着くまでに1時間以上掛かりました。
さっさと見せてよって思ってしまいました。
暗いし、すごい人ごみだし、だんだんイライラして来ました。
で角を曲がるとやっと素焼きの軍隊です。
今から2200年前に作られた物です。
正直な感想を書いていいですか?
「少なすぎます」
テレビなんかでぎっしり埋葬されている映像を既に見ているせいか、感動がありません。
2列にきれいに並んでいる「ただの素焼きの像」に見えます。
特にその前に中国の部屋で磁器の名作をかなり見た後だからかもしれませんが、秦の始皇帝の副葬品はその規模がすばらしいのであって、技術が優れていたわけではありません。
大量生産でオートメーション化されていた工程でしたから、職人さんが創ったというよりも労働者がツクッタモノなんです。
だから一つ一つを丁寧にみると、あらが目立つだけ。でも「ぎっしり感」があると感動を呼ぶ訳です。
特に展示の初めの部分で青銅やヒスイを使った展示が(しかも時代も前だし)あったので余計に目立ちます。
「でも12ポンドも払って2時間以上楽しんだわけだから・・・」
「メディアの批評家も絶賛してるし・・・」
せめて100体位手に入れられないのかな?
掘ればまだたくさん出て来るそうだから・・・。
大英博物館ではあまりのこの人気に、展示の終わる4月が近づくと24時間体制で展示をすること考えているそうです。
中国に行く予定がない方は、ここで見ておくのもいいかもしれません。
でも北館の常設のの中国のギャラリーのほうが目の保養になります。