2018年3月8日木曜日

大英博物館にある、魔法のカップ

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今週末の日曜日にはチャリティーツアーを控えているので、(言葉通り)重い腰を上げて、大英博物館に下見に行ってきました。

私がJRTGAのチャリティーツアーにかかわるようになったのは、2011年から。
なので今年で8回目。
毎年いろんなツアーを行ってきました。

もちろんチャリティーのための募金が主な活動理由ですが、実際には、自分のためのモチベーションにもなるので、毎年新しいツアーを考えるようにしています。

ありがたいことに、以前ご参加くださった方もいらっしゃるので、何か新しいものを、という気持ちもあります。

今年は4種類のツアーを催行するのですが、そのうちの3つがこのチャリティーのために新しく考えたコースです。
当然、プランは頭でも考えますが、実際に歩いてみるというのは非常に大事です。

新しい看板ができていたり、展示されているはずのものが特別展示のためにあるべき場所に無かったり、いろんな可能性が考えられますからね。

でも実際は本番まで何があるかわかりません。

今回の4本のツアーの内、こんなこと考えなきゃよかったと思うのは…
ズバリ18日午前に予定の「大英博物館、ブリティッシュツアー」です。
大英博物館にはよく行くので、「新たに勉強しなきゃいけないものがたくさんあって大変!」ってわけじゃありません。
これまで私の経験では、大英博物館で特に英国のコレクションのみを観るということは、ありませんでした。
展示品の数が少ないわけじゃないのですが、今回プランを組んで思ったとこ。
「全体に地味!!」

誤解のないように書いておきますが、つまらないって言ってるわけじゃないです。
今週の日曜日に催行予定の「大英博物館のハイライトツアー」には、日本の世界史の教科書に出てくるようなものが、ずらずらとリストに入っています。
でもブリティッシュコレクションは、日本の人が知らないものが多いんじゃないかな。
っていうか、日本の世界史に出てくるイギリスって東インド会社と産業革命くらい?

ということで、コンテンツを並べるだけじゃなく、楽しんで観ていただくルート作りにちょっと苦労しています。


さて、タイトルにある魔法のカップの話に移ります。

これ、ローマの壺なので、本当だったら以前紹介したポートランドの壺(リンクします)がある、ルーム70とかに置くべきものです。

それなのに、なぜか辺鄙なアングロサクソンの部屋に置いてある。
今日はそのアングロサクソンの部屋に行く用事があったので、ついでにカップの写真も撮ってきました。
このお部屋、ルーム41は、改装されてからまだ数年。
中心になる展示は、イギリスの歴史ではかなり重要な、サットンフーの船葬墓からのもの。
私はすごいカップだと思うのですが、周りにマッチしていないし、足を止めて観る人も稀。
もったいないなぁって思ったのが、今日、ブログで紹介しようと思った理由です。

このカップ、名前は 「Lycurgus Cup」
この部屋の一つ手前(ルーム40)にはハリーポッターに出てくるチェスのモデルになったルイス島のチェスセットが展示してあります。
ハリーポッターのお話の中に、炎のゴブレットがありますよね。
火は出てこないけれど「Lycurgus Cup」は光を当てると、浅い緑色の本体が真っ赤に変わる不思議なカップなのです。

読むよりもこの写真を見るのが早い。
これ、携帯のカメラなので、肉眼だともっときれいです。


 いかがですか?
展示ケースの光が変化するだけでこんなになるんです。

男の人がぶどうの蔓に絡まれて、それをなぎ倒そうと、もがいているような模様です。
この部分はガラス製。
そしてカップの縁や足元は金をかぶせた銀でできています。

どうして色が変わるのかは、ガラスに秘密があるそうです。
ガラス製品を作る際に、微量な金属を加えることで二色性ガラスというものができます。

「Lycurgus Cup」には、ものすごく細かな金と銀の粉が、一定の割合で溶け込んでいるそうです。
飲み物を飲むためのカップとして作られたので、テーマにはギリシアのディオニッソス(ローマのバッカス)が選ばれました。
でも蔓に絡まれているのは、ディオニッソスじゃない。
彼のことが嫌いだった、リコルガスという王様。
あるとき、ディオニソスが彼の国に来ているとうわさを聞きます。
ディオニソスはワインの神様で、人々の正気を失わせたり、悪い行いをさせたりするので、リコルガスは悪い神様と思ったのです。
早速、追い出そうと考えた王様は、ぶどうの蔓を切ってワインを作れなくしてしまいます。
これに怒ったディオニソスは、リコルガスの正気を失わせて、彼の家族を殺すように仕向けたり、その罪として彼の国民らによって、荒れ野へ追放したりしています。

そんな柄が入っているから、出されたワインは断らずに飲み切ってしまわないと、罰が下りそうな恐ろしいカップです(笑)
でも飲みすぎると正気を失うかも…。

お酒は楽しむ程度にほどほどにってことでしょうか?

是非いろいろ考えながらご覧になるといいと思います。



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