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2026年1月9日金曜日

何もかもがデジタル!今度は税金も”Making Tax Digital”

一気にというわけではなく、収入が高い順に3年くらいに分けて導入が始まる仕組み。

私は来年2027年の4月から完全にデジタル移行の予定です。


ただ、急に何もかも変えてしまうことに不安があったので、実は去年の9月からいろいろなシステムを試し始めています。
税務署と繋げるのは政府公認の会計ソフトウェアである必要があります。
英政府公認の会計ソフトウェアにもたくさんの種類があるし、利用金額も色々。
経費の支払いも、これまではプライベートで利用するクレジットカードを使っていましたが、新たにビジネス専用のクレジットカード口座を開けたりして準備中。

一昨日にはAPTGプロフェッショナル観光ガイド協会(リンクします)の CPD でも税金のデジタル化についてのレクチャーがあったので参加しました。

今まで認識していたことが裏付けされてちょっと自信が付いたかも。
やっぱり基本は自分に合ったソフトウェアを利用して、お金の出入りを透明化するってことみたいです。
でも現在認定されているソフトウェアはかなりの数(60以上)に上ります。

その中で自分に合うものを探すなら、やっぱり早く始めて色々試してみるのが一番の方法。
会計士を使っているのなら、その会社との相互性も視野に入れる必要があります。

最近はイギリスにYMSのシステムを使って滞在している日本からの渡航者も多いです。
もし働いているなら、雇用システムが自営業でないことを再確認しておいた方がいいです。
毎月振り込みがあるからって、雇用主がいると思い込んでいても、実際は保険システムの節約などの理由で個人事業主になっていたりするケースも時々耳にします。

オフィス勤務でも委託という形になっていたりするケースもあるので給与明細はきっちり調べておくべき。
特に2025 年 4 月 6 日から雇用主の ナショナルインシュアランス率は15%に増加して、その適応も年間 5,000 ポンド以上となっています。
雇用でなく個人事業主への委託ということになればそういった費用も払う必要がなくなります。
給与明細などを確認しておくとその辺りの詳細が出ていると思うので、必ず確認した方がいいです。

以前、オフィス勤務の知り合いが個人事業主の制度を利用されて、本来ならあるべき有給休暇などの権利が適応されていなかったことなどが明るみに出たことがあります。

お互いが納得しているのなら犯罪とは言えないかも知れませんが、会計知識がない人たちを安く雇用するグレーゾーンといった体だったと記憶しています。

話を個人事業主会計のデジタル化に戻すと、9月から4か月間試してみた結果、経費の漏れがほぼなくなりました。
これまでは、例えばちょっとした支出は、それが経費であってもすっかり忘れて計上しないことがよくありました。
例えば鉄道の運賃。
ロンドン交通局の会計は既に個人用とお仕事用のオイスターカードに分けているのでそのままお仕事用のものを計上するだけなんですが、ロンドン交通局以外のトラベル経費は領収書の管理が雑で年度末に計上し忘れということがほとんど。
それがクレジットカードをお仕事用にして、会計ソフトウェアにカードを紐づけしたことで100%計上できるようになりました。

また、これまではエクセルでインボイスを作って、それをPDFにしてお客様や旅行エージェントに送っていたのですが、インボイスの発行もソフトウェアから直接するようになったので、そういった手間がかなり省かれました。
それらが携帯で完結するのも嬉しいところ。
これまではエクセルを使用するのにどうしてもラップトップが必要だったのですが、9月からほぼ不要になっています。

そういった手続きで、これは慣れると問題なくなると思うのですが、経費の種類がやたらあるので税金のコードを少し勉強しないといけないなって思っています。






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2025年11月22日土曜日

映画のロケ地を探してみよう!

イギリスでは、古い町並みが多く残っているところで、映画の撮影に出くわしたりすることがあります。

私が住んでいるリッチモンドも6月、7月といった陽の長い時期に撮影隊をよく見ます。
200年位前のピリオドドラマ(時代劇のこと)だったり、コマーシャル撮りだったり、コンテンポラリー物も。

撮影の時はトラックがたくさん停まっていたりするのですぐ気が付きます。


もしくは駐車可能な場所に「何月何日はここは予約されているので駐車できなくなります」みたいな看板が出ているので前もって知ることもできる。
ただし、必ずとは限りません。
行ってみたら引っ越し会社のトラックだったりすることもありますから(笑)

ロンドンの金融街などは週末に撮影がよく入るようです。

他には天文台で有名なグリニッチ。
ここは現在グリニッチ大学になっている建物がよく撮影に使われます。

カリブ海の海賊とか、ジェームスボンドとか、他にもいろいろ。

ORNC(旧海軍士官学校)が催行しているロケツアーなんかも人気のようです。
この間はCPD(専門職継続学習プログラム) でそんなツアーに参加してきました。

偶然にも撮影が行われていました。
消防車もいたから爆発のシーンとかもあるのかな?


バックドロップに最近の建物が入ってしまう時は後の編集で消したりするらしいです。
ほかにもCGで新たな建物を加えたりすることもあるので、なんとなく見たことはあるけれど、ちょっと違うといったシーンが最近の映画らしい。

今回案内してくれたORNCのスタッフ。
このツアーは人気がある時代劇ツアー(ブリジャートンとか)に加えてつい数か月前に始まったばかりだそうです。

スパイものに焦点を当てていて、まぁ好きな人には面白いツアーなんだと思います。
ただ、この日は撮影のために入れない場所がすごく多くてルートもかなり遠回りさせられました。

この左側の建物は中にチャペルが入っています。
でもこの日はアメリカ関係の建物という設定らしい。
星条旗が翻っていました。

Bee Keeper 2 の撮影ですって。
1も知らないし、たぶんこれも観ないと思いますが、ロケ地のひとつはグリニッチという知識は得ました(爆)

グリニッチはロンドン中心部からそれほど遠くありません。
私はジュビリー線でノースグリニッチ駅まで出て、そこから188番の路線バスでアプローチすることが多いです。
船着き場もあるので、地下鉄よりも高いけれどテムズからアプローチするのもいいかも。
天文台やクイーンズハウス、海事博物館やカティーサークといった観光地をじっくり観るのもいいし、お散歩を楽しむのもおすすめです。

ツアーに参加してみたいという人はORNC の公式サイトからどうぞ(リンクします)


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2025年11月14日金曜日

ワンピースが好きなら行ってみて!

先日 CPD でゴールデンハインドに行ってきました。
CPD というのは、専門職のライセンスを取った後、継続して行う自分磨きのための勉強です。

10月の終わりから3月くらいにかけて行われるものが多いので、イギリスの冬時間とほぼ一致。

お仕事が終わるくらいの時間に設定されていたりすると、真っ暗になってから向かうことも多いです。
ゴールデンハインドに行ったのも夕方暗くなるころ。
まだ少しだけ写真を撮ることができる明かりが残っていました。

ゴールデンハインドはチューダー時代の船の複製です。
エリザベス1世の時代、16世紀後半にドレイク船長が世界を一周したという船。
ちょうどアニメのワンピースとかの時代なのかな?
私は詳しくは知らないのですが、ワンピースは大航海時代の幕開けが設定と聞きました。
だとすれば、ぴったりだと思います。

ロンドン橋のそば、ドライドックで見ることができます。
ハインドというのは雌のシカのこと。
なのでお船には金色のシカの絵が。
実はイギリスから出向した時にはペリカンという名前だったこの船。
途中で船長のドレイクが名前を変えています。
帆船には帆先があって、そこにはマスコットが付けられました。
フィギュアヘッドといいます。
もちろんこの船のフィギュアヘッドはハインド。

もともと5隻で就航しましたが、イギリスに無事に帰ってきたのはこの船のみ。
世界を一周したということで、ドレイクはエリザベス1世からナイトの称号を受けました。

この当時はスペインの方が海軍の力は上だとされていました。
接舷させて相手の船に乗り移って戦うスペインの戦術はたくさん乗れる大きな船が有利です。
でも大きなスペインの船と違って小回りが利く小さなイギリスの船は、船から大砲を使って敵を打つという方法をとりました。

ゴールデンハインドではそういった戦術や実際の船での生活を勉強することができます。
大砲を打つときに使用されたいろんな道具。
この船が素晴らしいのは本物ではなくてレプリカだということ。
「え、それっていいこと?」
そう思いますよね。
いいことなんです。
理由は何を触ってもいいこと(笑)
だってレプリカだから、傷むこととか考えなくてもいい。
もちろん常識の範囲内ですよ!

結構リアルにできています。
ただ、サイズもリアルなので甲板にいる時以外は腰をかがめる必要があることがちょっと辛い。
腰が悪い人にはお勧めしづらいなぁ。
元気な子供たちにはお勧めです!

どんなものを食べていたとか、長旅でどんな問題があったとか、いろいろ面白い話が多いです。
係の人がいろんな案内をしてくれる時もあるし、QRコードから案内を聞くのもあり。
貸し切りでパーティーすることもできるので、ワンピースのファンを集めて仮装で楽しむのもいいかも!

11月から3月は 10:00 - 17:00、
4月から10月は 10:00 - 18:00。
これからの季節はパーティーも多いので貸し切りで閉鎖されていないか事前にチェックした方がいいと思います。
今のところ、すでに以下の時間が閉館。
15th Nov 15:00 - 17:00
16th Nov 15:00 - 17:00
22nd Nov 12:00 - 17:00
23rd Nov 15:00 - 17:00
29th Nov 15:00 - 17:00
13th Dec 15:00 - 17:00
16th Dec 16:00 - 17:00
24th Dec 16:00 - 17:00
25th Dec All day
26th Dec 16:00 - 17:00
31st Dec 16:00 - 17:00

入場料はひとり6ポンド、家族4人で20ポンド、3歳以下は無料です。





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2025年4月19日土曜日

イギリスの刺繍のいろいろ



先日、JRTGA(英国日本語観光ガイド協会・リンクします)主催のお勉強会でイギリス刺繍についてのレクチャーがありました。


JRTGAはイギリスで日本語で観光ガイドをする資格「ブルーバッジ」を持ったメンバーが集まった協会で、定期的に勉強会を行っています。

ブルーバッジの資格を取るのも大変だけど、資格を取った後もみんなで勉強を続けているんです。
個性的なメンバーがそろっているので、どんな方にもピッタリなガイドが見つかると思います。
観光の際はぜひJRTGAのガイドを雇ってください。


刺繍といえば、イギリスのピリオドドラマを見ると「お嬢様のたしなみ」みたいな位置づけで出てきますよね。
いろんな時代で刺繍にも流行がありました。
また刺繍の目的に適したたくさんの種類があるのです。

今日はレクチャー後の復習もかねて、自分なりにイギリス刺繍をまとめてみました。
美術館や博物館を訪れる時の参考に、またはご自身でトライしてみるのもいいですね!

  • ジャコビアン刺繍 
ジャコビアンというのはイギリスのチューダー時代のひとつ後、17世紀初頭です。
リネンツイルという麻布にクルーウェルウールというウールの刺繍糸でベッドカバーやカーテンなどのインテリアに刺繍が施されました。 
東インド会社がイギリスに持ち帰ったインドの布の柄に影響を受けたデザインが多いです。


またジャコビアンのひとつ前のエリザベス様式のカラフルな刺繍、草木の茎や枝が円を描くようなパターンのデザインから発展したとも言われています。

例として紹介するのははV&A所蔵の「マーガレット・レイトンのウエストコート」
部分を拡大した写真がこちらで、1610年(年代はジャコビアンですが、スタイルがエリザベス朝)ごろのものです。
素材はリネンとシルク、刺繍糸はシルクと銀糸が使われています。
写真はV&Aの公式サイトから(リンクします)


  • スタンプワーク 
スチュワート朝に流行した立体的な刺繍。
チューダーの後期から製作はあったようですがスチュワート朝にその多くが作られました。
刺繍の材料は高価だったのでそれらを使うことができた女性たちはごく限られた階級でした。
少女のころから練習を重ね、単純なものからどんどん複雑なものに挑戦していくわけですが、その最高峰、ゴールにあたる製作がこういった小箱だったのです。
この小箱(V&A所蔵・リンクします)にはE・Cのイニシャルが入っていて、製作者エリザベス・クームを示しています。


  • キャンバスワーク 
キャンバスワークはその名の通りキャンバス地などにさしていくタイプの刺繍で、目を数えて文字や柄を入れていきます。
イギリスのアンティークショップなどで見かけるサンプラーなどもこのタイプ。
初心者でも取り組みやすいと言えます。
これは18世紀後半にメアリー・アン・ボディーという名前の9歳の女の子が作ったものです。
こちらも所蔵はV&A(リンクします)


  • シルクシェーディング 
シルクシェーディングとは 糸で作り上げる絵画。
カラースケッチをもとにステッチする方向をきめ、リアリスティックで自然な外観を刺繍で表現する 方法。
いろんな色が使われていたり、長さが違うステッチを組み合わせることでで微妙な色合いを出しているのがわかります。
写真は2点とも王立刺繍学校のオンラインショップから(リンクします)



  • ブラックワーク 
ブラックワークとは単色の糸を使って濃淡を表現する刺繍。
様々な幾何学模様や太さの違う糸を使って白黒写真のような効果を生み出す方法。
パッと見るとペン画や鉛筆画に見えますが刺繍です。
部分的に拡大するといろんなスティッチが使われているのがわかります。
写真は王立刺繍学校のテクニックページから(リンクします)



  • ゴールドワーク
ゴールドワークはその名の通り金糸を使う刺繍で、イギリスでは戴冠式に使用される儀式用のローブや教会の装飾、司祭の装身具にも利用される刺繍です。

もっとも最近の戴冠式は2023年5月6日でした。
チャールズ3世は何でも新調するのではなく、昔からのものを大切に使っていくことを心がけています。
そこで戴冠式の装身具も歴代の戴冠式で既に使用されたものが再利用されました。

右側の金のマントは「インペリアル・マントル」とよばれるもので、もとは1821年に戴冠したジョージ4世のために作られたもの。
左側は「スーパーチュニカ」といって、こちらは1911年のジョージ5世の戴冠式のためにつくられたもの。
戴冠式ではスーパーチュニカの上にインペリアル・マントルを羽織ります。
金糸で刺繍が施されているのでその重さはかなりのものです。

こちらは一部を拡大したスーパーチュニカの刺繍部分。
写真は両方ロイヤルコレクションのウェブサイトから(リンクします)

もちろん新しく作られたものもありますよ!
王立刺繡学校のパトロンを2017年から務めているカミラ王妃のローブ。
これまでの戴冠式のローブと異なるのは、自然を愛する王と王妃を表すためにミツバチなどの昆虫が刺繍のデザインに含まれたこと。
写真の中のかわいいミツバチや甲虫が見えますか?
こちらの写真もロイヤルコレクションのウェブサイトから(リンクします)
刺繍は王立刺繍学校が担当したそうです。
パトロンのための刺繍なんて、緊張しそう!(笑)



  • ホワイトワーク 
ホワイトワークはリネンなどに施された刺繍で、結婚式や洗礼式の衣装によくみられるエレガントな刺繍です。


ケイトさんのウエディングドレスもホワイトワークが使われました。
バッキンガム宮殿の公式YOUTUBEです。


このウエディングドレスの製作(刺繍部分)も王立刺繍学校が担当しました。
その製作チームにはなんと日本人がいて、今回のレクチャーも彼女が担当してくれたんです。

ニュートン雅子さん(リンクします)という女性で、製作や修繕、コンサベーション、レクチャーなどのサービスも行っているそうです。




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2025年1月19日日曜日

イギリス王家のお財布事情

この冬もたくさんのCPDに参加を予定している私。

観光ガイドの CPD(専門職の能力開発継続制度)というのはコースやレクチャーだけでなくガイドウォークや観光地でのツアーなども含みます。
興味深い内容のものも多いし、発表後1日で残席無しなんてものも多いです。

この間も面白いレクチャーを受けてきました。
題して「Royal Finances(イギリス王家のお財布事情)」




20代でブルーバッジの資格を取った私ですが、実はそれってかなり珍しいことなんです。
イギリスのブルーバッジ観光ガイドの多くは何かの専門職の経験があって、その後資格を取ってガイドに転向したりします。
弁護士だったり軍の士官だったりお医者さんだったり宗教家や建築家もいたりします。
もちろん会計士もいるわけで、今回のレクチャーは元会計士のガイドが講義をしてくれました。
元会計士といっても今はガイドなので内容はわかりやすく楽しいです。
数字ばっかりの理詰めのレクチャーではない。


今日はそんな王室のお金の話を少し紹介したいと思います。
これは現在イギリスで使用されている最高額紙幣。
2024年に英国銀行で発行されたチャールズ3世の肖像入り50ポンド札とそれ以前のエリザベス2世の50ポンド札です。
ともにポリマー製。

実業界やお金持ちの人物を紹介するときに「xx さんの価値は ooミリオンポンド」などと金額で表すことがありますよね。
人の価値の表現はその相手が誰なのかによってお金で評価しきれるものではありませんが、それでもどれだけの経済力があるかという表現のひとつとして容認されています。

そういった意味で「ロイヤルファミリーの価値は?」という場合、注意しないといけないのは公と私の別。

イギリスの王族には個人財産があります。
それらは代々受け継がれていく王家の宝石類やお城や土地とはまた別。

今回のレクチャーではそういった公の部分と私の部分をわかりやすく学ぶことができました。
漠然とした知識が言語化されたので、受けてよかった授業。

数年前まで皇太子だったチャールズ3世。
彼が王様になったことで個人財産が変わりました。

彼の現在の個人財産は約500ミリオンポンドといわれています。
日本円だと約1千億円くらいです。

持っているのはサンドリンガムハウスやバルモラル城、馬や車、宝石類、切手のコレクションだけでもひと財産。
もちろんお金を生み出すエステート(土地や不動産)もあります。
それがランカスター公領(Duchy of Lancaster) 
↑で触れた百億円の財産にはこの公領は含まれません。
あくまでもここから得られるお金が収入としてカウントされるわけです。

というのもランカスター公領は1265年に君主の個人的な収入を生み出すために定められたもの。
君主だからといって部分的に売ったりすることは不可能ではないですが、かなり難しいです。
なので増えることはあっても減ることはあまり考えられません。
代々の君主がここからの収益を個人的に使ってきました。

2024年の時点でランカスター公領の評価額は 712ミリオンポンド(1400億円くらい)でここからの収益(主に家賃や土地の賃貸料)がで2024年3月までの1年間で£27ミリオン(54億円くらい)でした。

チャールズ3世は所得税を支払う義務はありませんが、自主的にこの収入から所得税相当の金額を政府に収めています。
ランカスター公領というのは名前だけでランカスター州にある土地や物件は全体の20%ほど。
それよりも多くの土地がヨークシャーに存在します。
またロンドン市内だとストランド通りの南側にあるサボイチャペルのエリアもランカスター公領です。



チャールズ3世が皇太子だったころの彼の個人的な収入はコーンウォール公領(Duchy of Cornwall )から得られました。
コーンウォール公領は1337年に皇太子の収入源にするために制定されたもので、広い農地などを含みました。
コーンウォール公領の評価額というのは2000億円くらいらしいのですが都会の土地や物件が少ないので利益は50億円を切ります。
実はチャールズ3世のお気に入りのお屋敷ハイグローブは1980年の皇太子時代にチャールズが購入したのでコーンウォール公領のもの。
なので現在はウイリアム王子がチャールズ国王の大家さんという変な図式になっています。
お家賃がいくらか知りたい?
1年間のお家賃は 521000ポンド(1億円ちょっと)です。

さて王族は相続税や贈与税を払うのかという問題。
答えは誰から誰へなのか、そしてそのタイミングによります。

王様や女王様から皇太子や皇太子妃に残されるものには相続税はかかりません。
そしてイギリスの相続税には7年ルールというものがあって、財産を贈った後7年以上贈り主が生存すれば相続税のための計算に入れなくてもいいのです。
エリザベス女王は長生きしたので彼女の残した個人財産にはあまり相続税がかかっていないと思われます。

逆にダイアナ妃は若くして亡くなりました。
ダイアナ妃がチャールズ皇太子と離婚した時にかなりの額の現金がダイアナ妃への慰謝料に支払われました。
チャールズ皇太子の財産のうち、現金がほぼ空っぽになったともいわれています。
彼女はウイリアムとハリーにそのほどんどを残したのですが、手続きの1年後に亡くなったことでその全額が相続税の対象になりました。
財産の約20ミリオンポンド(40億円)から8ミリオン(16億円)が相続税として支払われ、残りをウイリアムとハリーが受け取ったそうです。
ま、相続税を引いてもかなりの額ですけどね。


では次回は公の部分や王族がかかわる財団なんかも紹介しようと思います。









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2024年10月29日火曜日

ロンドンの市庁舎を見学してきたよ!

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イギリスにロンドン市はふたつあります。


ひとつは金融街とか旧市街地とよばれている、ローマ人が作った町。
2000年の歴史があります。
大きさは約3平方㎞で人口は8500人ほど。


もうひとつはグレーターロンドンとよばれる場所で、外国人も含め、一般の人たちが考えるロンドン市。
こちらは約1570平方㎞のサイズで約900万人の人口があります。

今日紹介するのは大きな方のロンドン市の市庁舎です。

以前はテムズ川にかかるタワーブリッジの脇にありましたが、現在は東に移転してしまいました。
この、片側が丸いシルエットの建物がそうです。

グレーターロンドンの政治は、地方政府という考えが生まれた時代からLCC(London County Council)という組織が担っていました。

その組織が1963年にGLC(グレーターロンドンカウンシル)となって範囲も権力も大きくなっていきます。
その当時の市庁舎がこちら。
現在ロンドンアイのお隣にそのまま建っていますが、中はホテルやアトラクション施設として使われています。
さて、ロンドンは元々労働党のサポーターが多いので、ロンドンの政治は労働党。
80年代には当時の政府であるサッチャー時代の保守党と争う場面も多かったそうです。
サッチャー政権では Small State(小さな政府)が公言に掲げられていたので、大きな組織であったGLCも縮小の対象になります。
そして1986年に GLC は解体されることになってしまいます。
で、その後ロンドンの政治がどうなったかというと、グレーターロンドンの中を33の地方自治体に分割して行うようになったのです。
33の地方自治体のうち、31はバラー(区)とよばれるもので、残りの2つはシティー(市)です。
シティーはウエストミンスターとロンドン。
ロンドン市(上で説明した小さい方)は歴史上の既得権力があるので、通常グレーターロンドンの中は32の区と1つの特別市があるといった表現がされます。

書きながら思っていますけれど、めちゃめちゃややこしいですね!!(笑)

私はロンドンのガイドになる時にこういった歴史も勉強しているので、無理なく頭に入ってきますけれど、ロンドンに住んでいる人たちでもこの辺のことがわかっていない人たちが多いです。

そしてこんなお話をパワーポイントを駆使して説明してくれているこの人はリチャードさん。
ロンドン市庁舎の、教育・広報担当の人です。


さて、それではこの市庁舎ではなくて、各地方自治体はどんなことに責任があるか。
1,ごみの収集と処理。
2,駐車(路上駐車や駐車場)。
3,学校。
4,地方税の取り立て。
5,レジャー。
6,社会保障と公衆衛生。
他にも建築許可とか図書館の管理などもあります。
参考までに私が住んでいるリッチモンド区のウェブサイト(リンクします)を載せておきます。
興味があれば、地方自治体にどんなサービスがあるのか、このサイトで調べることができると思います。

大きなロンドン市ではどんなことをやっているのか。
まずは予算の決定。
ロンドンをより良い市にするために、どの分野にどれだけの予算を割り振るのか。

そのための予算はどこから来るのか。
主な収入は政府からの補助金、地方税の一部、法人税、ロンドン交通局の運賃です。
今年度の予算は収入と資産合わせて約220億ポンドです。

使い道は多岐にわたりますが、公安、消防、ロンドン交通局といった生活に必要な部門に割かれる金額を考えると十分なのかそうでないのか微妙な数字。



ロンドン市庁舎には3つの部門があります。
ロンドン市長に助言するための機関ですべての会議は一般市民が傍聴(会議室の傍聴席もしくはウェブキャスト)することが可能です。
また、過去の会議の検索も可能。

市長と市長補佐のチーム。

3,市庁舎のスタッフ(約150人)。
今回案内を務めてくれたリチャードさんもスタッフの一人で、何とロンドンの初市長ケン・リヴィングストン市長の時からお勤めされているそうです。

こちらが現在の市庁舎の建物。
最寄り駅はDLRのロイヤルヴィクトリア駅。
もとは電気機器の会社シーメンズのショールームとしてロンドンオリンピックの時に建てられたものです。
その当時はクリスタルとよばれていました。
今でもグーグルの地図でクリスタルと検索すると市庁舎が出てきます。

タワーブリッジ脇の市庁舎のリースが2022年に切れた後、再リースの金額が以前の倍のお値段だったことから、もっと安いこちらに引っ越してきました。
ただ、場所が東過ぎること引っ越しの認知度が低いことで、いまだにタワーブリッジ脇にあると思っている人たちも多いそうです。

市庁舎はエアポートスタイルのセキュリティーシステムで荷物検査などもありますが、中は一般に公開されています。
セキュリティーを抜けたところにはロンドンオリンピックの聖火トーチやメダルが飾られている。
カフェも8時半から5時半まで開いています。
そして会議を傍聴するところがこちら。

間に透明な衝立はありますが、傍聴席と会議室はひとつの部屋です。
「天井から下がっている円形にならんだ明かりはロンドンの33の地方自治体を表している」とかかなぁと思って数えてみたんですが、全く無意味な数字でした(笑)
45くらいまで数えたんだけど、どこから始めたのかわからなくなって途中で諦めたから、いくつあるのかはわかりません。

アセンブリーのミーティング以外にも、このお部屋は市長のへの質問という公開イベントに利用されます。
こんな感じで、こちらも市民の参加や市長が可能です。



他にも意外な機能のひとつが市庁舎はロンドンの撮影(映画やコマーシャルなど)の許可機関があること。
ロンドンのイメージ向上のための広報の役割もしているそうです。
例えばあまり知られていないロンドンの逸話を紹介したり。
と言って教えてくれたトリビアがこちら。

シルクハットってロンドンで始まったんですって。
ジョン・へザリントンというお洋服屋さんが考案して1797年1月15日に被って変な恰好をしていると50ポンドの罰金刑になったそうです。

こんなのを集めてクイズを作ったら売れると思うんだけどなぁ(笑)

ロンドンのトラファルガー広場の管理もロンドン市庁舎の管轄。
トラファルガー広場の4隅にのうち、3つには銅像が建てられています。
3つとも伝統的で恒久展示。
北西の台は Fourth Plinth(4つ目の台)とよばれてコンテンポラリーなアートが短期で飾られます。
1999年から始まった制度で、今までいろんなアートが飾られてきました。
私が一番面白いと思ったものはアンソニー・ゴムリーが企画した「One &Other」というもの。2009年の夏に数カ月間、一般募集で集まった人たちが台の上で1時間何をしてもいいという企画。
着ぐるみの人とか,今のロンドンって感じで面白かったなぁ。

それでは機会があったら是非ロンドン市庁舎に行ってみてください。




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