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2018年5月15日火曜日

イギリスのキッチンで作るお料理と読めないレシピ

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最近いいお天気が続いているロンドン。
久しぶりにハンプトンコート宮殿のお仕事が入りました。
500年前のレンガの建物が青空に映えてキレイです。

 5月8日にここのキッチンがリニューアルされました。
大幅な変化はないものの、いくつかの展示が変わりました。

キッチンでは、本物のビーフを使ってあぶり肉が焼かれています。
このデモンストレーションは数年前からやっています。
が、以前は祭日とか、特別な時だけだったのですが、最近は毎日焼いているみたい。
ここをご案内させていただいて一番多い質問は「これ、宮殿内のカフェとかで出しているんですか?」ってこと。
実は、ここで焼いているものは、清潔さが保証されていないので、一般のお客様には出せません。
でも捨てるなんてもったいないことはしませんよ。

 スタッフの間でくじ引きがあって、当たった人が持って帰るシステム。
私はまだ申し込んだことはありません。
たくさんの人が通っているところで焼いているわけで、あまり清潔そうじゃない。
興味はあるけど、お腹壊したくないもん。

新しい試みとして、他のお料理も作っていました。
私が行った時には、500年前のレシピを使って王様のためのスイーツを作っていました。
レシピを聞いてきたので紹介します(笑)

材料
バラ水を1パイント(568ml)
同じ重さのお砂糖
卵の黄身(割れていないもの)を作りたい数だけ
お砂糖(仕上げ用)
シナモン
レモン

まず火をつけます。
 これも、実際におがくずとかから熾しました!
 銅のお鍋にバラ水とお砂糖を入れて溶かします。
そこへ卵の黄身をひとつづつ壊さないように入れて、表面が固くなるまで茹でます。
中身は半熟のまま、ということで、火を通しすぎないように注意。
 卵を取り出したらお砂糖をまぶして出来上がり。
このデザートは単純だけど、お砂糖が高価だったので、王様用だったと教えてもらいました。
シナモンとレモンも登場したんだけど、どの段階で入れるか忘れてしまいました。

多分、レモンはバラ水を煮立てるとき、シナモンは仕上げの砂糖に混ぜて振りかけるんじゃなかったかな?

気になる人はレシピを解読してください(笑)
こちらがそのレシピ。
 …読めません(涙)

昔の字って難しいですよね。
ヨーロッパでは今の字も難しいですけどね(笑)

ホテルにチェックインして、受付の人が手書きで部屋番号を書いてくれる時なんて、日本人には読めないものがあります。
「アルファベットならともかく、数字なんてなんとかわかるでしょ?」って言われそうですが、そんなことありません!
例えば、これ、なんて書いてあるかわかりますか?
正解は1720です。
実際に書かれているのを見たことがあります。
え~って感じですよね。
イギリスのホテルの受付には、本当にたくさんの国籍の人が働いていて、その人たちが普通だと思っている書き方で何でも書いてくれるのです。

会話が通じなくて、書いてもらってもよくわからなかったなんて笑い話になるくらい、手書きの文字や数字にはスタイルがあります。

日本からのご旅行の方だけじゃないです。
30年近くここに住んでいる私も、最近ちょっと面白い発見がありました。

さて、この写真はハンプトンコート宮殿のクロックコートにある大時計。
24時間制で16世紀にヘンリー8世のために作られました。

これ、時間だけじゃなく、テムズの満ち引きとか、その日の月の形、太陽が位置する星座、日にち、いろんなことがわかる万能時計なんです。
中心に近い部分が水色に塗られていて、2,3,4の数字が確認できます。

でも「1」であるべき部分を見ると、なぜか「J 」の文字。
矢印を入れてあるのでわかると思います。

なぜ「1」の代わりが「J 」なのか、誰に理由を聞いても知らないって言われて、途方に暮れていました。
自分でいろいろ調べて、一番、これはどうかなって思ったのが、
幾何学の世界では、アルファベットの「I 」を「J」と表すことがあるらしいという事実。
そこから拡大解釈すれば、ローマ数字では「I」は1のこと。
だから「J」は「1」???
しっくりこないなぁ…。

結局、宮殿のカスタマーサービスの人に、この時計の装飾に関する専門家を誰か紹介してくれるようにお願いしました。
わからないことをそのままにしておくのは嫌なので。
(といっても疑問に思い始めたのは去年の話だから、結構長い間放置していました(笑)

そうしたら、専門家でも何でもないその人が言ったこと。
「あれは1、2,3,4って書いてあるのよ」
「いや、意味はわかってるんだけど、1の文字はどう見ても J でしょう?」
「その当時流行ったフォントじゃない?思い出せないけど、宮殿のどこかで年号の最初が J みたいなのがあるわよ。どこだったか思い出したら教えてあげる」
ということで、意外な結果になりました。

まだその年号を見ていないので、100%納得はしていないんだけど、どうやら深く考えたのが間違いだったようです。



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2017年6月26日月曜日

イギリスの夏はピクニックと屋外コンサート!

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イギリス、6月の末は暗くなるのがずいぶん遅い。
この写真を撮ったのは夜の10時。
ハンプトンコート宮殿です。

今日はガイドではなくて、お客さまとしてやってきました。
ハンプトンコート宮殿では、毎年6月の半ばから約2週間、音楽祭が催されます。

私が行ったのは最終日、先週の土曜日でした。

イギリスの音楽祭はピクニックが楽しめるようになっているところがほとんど。

そして、ほぼ必ずコーポレートのホスピタリティーテントも用意されています。

イベントを接待に使うのはどこの国でもあると思いますが、歴史的な建物で行われる、屋外コンサートはとてもイギリスらしい。

シャンペンを飲みながら、お友達とおしゃべり。

芝生でのんびりピクニックもいいけど、ちゃんとガゼボを借りることもできます。
 テーブルや椅子、寒い時用の毛布まで完備されています。

私たちはピクニックではなくて、宮殿内でのお食事付きセットを選びました。
場所はいろいろ選べます。

私たちのテーブルは、普段一般公開されていないバンケティングハウス。
ウイリアム3世が建てさせた、離れの一角。

私、ここに入るのは初めてだったので、すごくうれしかったです。

メニューは普通かベジタリアンかの選択です。

私もティムちゃんも普通コース

 前菜はトマトとモッツアレラのサラダ。
Colourful Heritage Tomato Salad with buffalo mozzarella balls, served with basil,
white tomato gel and rustic breads.
グラスがたくさんでしょう?
入口でシャンペンを受けっとってから、白、ロゼ、赤ずっとひっきりなしに注いでくれました。

一体どれくらい飲んだのか不明。

こちらはメイン。
Pot Roasted Guinea Fowl with crispy skin served with sweet potato dauphinoise,
asparagus, garden peas and a sherry jus.
ホロホロ鳥のポットロースト。


 デザートはアールグレーのクランブーレとチーズ。
Earl Grey Crème Brûlée served with gooseberry chutney, Berkswell cheese and
homemade biscuits 

天井画はアントニオ・ヴェリオ。


王様や貴族が集った、同じお部屋でご飯を食べるなんてステキ!
この後はベースコートでコンサート。
今日の演目はクラッシックなので、ティムちゃんがそれほど好きじゃない。 
私たちは途中でお庭のガゼボに戻ってきました。
音楽と同じか、それよりもっと、夕暮れの外飲みは楽しい(笑)
私たちと同じような人もちらほら。
そして、音楽が終わると、みんなお庭に戻ってきました。

お庭でフィナーレの花火があがるから。



この写真で10時35分。
すっかり暗くなりました。

タクシーに乗ったのは覚えているけれど、その後の記憶がない。
ずいぶん飲みすぎたようで、翌日の二日酔いがひどかったです。

それでも楽しかった。
イギリスの夏は最高!!






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2016年11月30日水曜日

ハンプトン宮殿シリーズ  上を向いて歩こう

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来週はいよいよハンプトン宮殿のガイド資格試験。

準備はきちんとしたつもりなので、落ち着いてブログでも書こうとラップトップを開けました。

今更焦っても始まらないし、これ以上知識を仕入れても混乱するだけなので、実地試験のスピーチの練習くらいしか、もうすることはありません。

どのタイミングで、内容をどうつなぐかといった構成も、まぁ満足しています。

試験は二日にわたって行われる予定で、
1日目は筆記。
何を聞かれるかはお楽しみ。
多分100から200問くらいの内容になると思います。
エッセイはないと思う。

2日目は実地試験。
試験官と一緒に宮殿内を歩いて、名前を呼ばれたら5分程度の案内をするというもの。
これは何回名前を呼ばれるか、どこが当たるかはその時にしかわかりません。
宮殿内で15か所ほど候補地がある。
でも、そこに立って何を話すのかはガイドの自由。

候補生は16人。
だけど試験は5人前後で回ります。

授業中に各自のプレゼンテーションがあるので、聞いていると面白い。
個性色々。
私たちのクラスで一番上手だと思うのはジョーという女の子。
事実とユーモアのバランスがすごくいい。

屋外も多いので、お天気がいいとうれしいなぁ。

こんな青空だったら、気分もいいだろうし。
これ、宮殿のクロックコートから見上げたグレートホールです。
小さくて見えないけれど、てっぺんにたくさんの動物が彫られています。
キングスビースト。

こちらはチムニー。
煙突です。
宮殿内に241本建っている。
全て模様が違うっていうけど、本当かなぁ?


ゲートをくぐるときは忘れずに見上げるとたくさんの模様。
とても美しくて、つい写真を撮ってしまいます。

 こういった模様にはひとつひとつ意味があります。
左から時計回りに、
イニシャル、A と H が恋結びになっている、
フレ・デ・リー(フランス)、
王冠を身に付けたハヤブサ、
そして落とし格子。

ヘンリー8世は、2番目のお妃、アン・ブリンをロンドン塔で処刑しますが、まだ仲が良かった時に宮殿のあちこちに彼女のイニシャルやシンボルを彫らせました。
A と H はアンとヘンリーです。
そしてハヤブサは彼女のシンボル。

フランスの紋であるフレ・デ・リーはフランスの王位継承権を求めた百年戦争の時代から、英国の紋の一部として定着しました。

落とし格子はヘンリー8世の父方の祖母であるマーガレット・ボーフォートの家紋。
チューダー朝の王位継承権が彼女の血筋から受け継がれたからからです。


こっちはカラフルでしょう?

中心やや右手が赤い帽子なのが分かりますか?
ちょっとアップできるかな?
これでどう?

この帽子は枢機卿の帽子です。
ウルジー枢機卿を意味します。
ハンプトン宮殿は彼のために建てられたものを、のちにヘンリー8世が取り上げたのです。

理由はヘンリー8世の一人目のお妃、キャサリン・オブ・アラゴンの離婚調停に失敗したから。

かわいそ~う。

チューダー時代の人の浮き沈みって、本当すごい。


こちらは屋内。
グレート・ウォッチング・チェンバーの天井。
金張りで豪華でしょう?


 こちらのバッジは左ふたつが3人目のお妃ジェイン・シーモアのもの。
右のは色が黒いでしょう?
チューダー時代のオリジナル。
だから約500年前。

材料はレザーマシェ。

レンガの粉と使い物にならない皮の端切れをノリと混ぜて固めるだけ。
ごみのリサイクルみたいなものです。
色を塗って仕上げればずいぶん立派に見えますね。

これ以外に天井画なんかも素敵です。

それらはまた別の機会に紹介します。



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2016年11月17日木曜日

ハンプトン宮殿シリーズ 英国国教会ってどうしてできたの?

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もしクイズ番組で、この国で王座に就いた人を挙げなさい、そんな風に尋ねたら、誰がトップに来るかな?


多分エリザベス女王とヴィクトリア女王、そしてヘンリー8世あたりが濃厚。

もしかしたらウイリアム征服王が入るかも。

皆さんは何人名前を挙げることができますか?


私の知っているイギリス人は、けっこう歴史に詳しい人が多いんだけど、それでもウイリアム征服王から現在のエリザベス2世に至るまで、ちゃんと順番通りに言える人を今まで見たことがありません。
もちろんガイドのお友達は別にして!!

イギリス人は歴史に弱いとよく言われます。
が、日本でも征夷大将軍の名前をはじめから終わりまで言えるかといえば、きっとそんなことができる人はそれ程多くないんじゃないかと想像します。




順番で覚えるよりは、やっぱり特徴のある人が覚えやすいですよね。

この窓はハンプトン宮殿のグレートホールにあるもの。

中央に立っているのはイギリスで一番有名な王様のひとり、ヘンリー8世です。

イギリスの小学校で、必ず勉強する王様。

英国国教会を作った王様。
そして、6人のお妃さまがいた王様。

一度に、じゃないですよ。
次から次に、です(笑)

ヘンリーの両脇には左に3つ、右にも3つ、王冠の付いた紋章。
これらは彼のお妃たちの紋章です。

左から、結婚した順に並んでいます。

一番初めはスペインのお姫様、キャサリン・オブ・アラゴン。
20年以上も一緒にいました。
家柄もばっちり。
当時ヨーロッパで一番の権力を誇っていた、ハプスブルグ家のカール5世の親せきです。

でもこの二人の間で、ちゃんと育った子供は女の子ひとり。
のちのメアリ1世です。
なので、男の子が欲しいヘンリーは悩みます。

結婚した時は、6歳年上で面倒見のいい姉さん女房。
それがどんどん色あせて見え始め、浮気もいろいろしてみます。
死産があったり流産が続いたりしたうちは、まだ僅かな望みもあったものの、
そのうち諦めをつけないといけない年齢になりました。


キャサリンと別れた方がいいのかなぁ…。


気に入った王妃の侍女アンからは
「結婚してくれないなら、お付き合いできません」と言い切らたこともそう思い始めた原因の一つ。



実はヘンリーは皇太子ではなかったのです。

お兄さんにアーサーという人がいました。
アーサーが王様になって、ヘンリーは教会の世界に入るというのが、お父さんヘンリー7世のプラン。
キャサリンはそのアーサーのために選ばれた花嫁だったのです。

ところがまだ二人が若い時に、結婚後半年もたたずにアーサーが亡くなってしまいました。
実家に帰してしまうのがもったいなくて、そのまま次男であるヘンリーと結婚したわけ。



とうとうヘンリーはローマ法王にキャサリンとの結婚の無効を申し出ます。

理由は兄嫁だったから。
聖書の中に、兄弟の嫁と結婚するなと書かれているらしい。

この当時のローマ法王はメディチ家のクレメンス7世。
彼は度重なるヘタな政治でカール5世を怒らせてしまい、
カール5世の捕虜のような生活をしていました。

なので、カール5世の親せきに不利な決定などできるわけがなかったんですよね。
そうじゃなければ、お金のために何でもやったルネッサンスの法王のひとりだから、何とかなったと思います。

埒が明かないと思ったヘンリーはカソリックからの離脱を決意。
英国国教会を設立します。

そして、国王至上法(ローマ法王よりも自分が偉いという法律)を元に、キャサリンとの結婚を無効にしてしまいます。

キャサリンは英国の元王妃という肩書は受け取れず、
英国の元皇太子妃(皇太子アーサーの未亡人)という肩書で満足しなくてはいけませんでした。


ハンプトン宮殿のチャペルロイヤルへの入り口近くには、とても面白い絵がかかっています。
鮮やかな色がないので、目立ちません。

こういった白黒の絵は彫刻を思い起こさせるように描かれました。
ところどころに金が使われています。
4人の男性が、いい身なりのお爺さんに石を投げつけています。

4人は聖書を書いた福音書記者。
左からヨハネ、マタイ、ルカ、そしてマルコです。
それぞれが持っている石に名前が書かれていて簡単!(笑)

身なりのいいお爺さんは、その帽子からローマ法王だと分かります。
彼の両隣には女性がいて、それぞれに強欲と偽善と書かれています。


絵の左上にはエルサレムの町に新しい明りが灯されて、それはキリスト教の新しい時代の到来を表しているのです。

描いたのはジロラモ・ダ・トレビーゾ。
ヘンリ8世につかえていた画家のひとり。
英国国教会設立後の、国王至上法を広めるために描かれたのでしょう。
ヘンリーはこんな絵を毎日眺めて自己満足に浸っていたのかもしれません。




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2016年11月15日火曜日

イギリスらしい食べ物といえば…

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観光中に、今日のランチは何が食べたいですか? 
そう尋ねると、
…イギリスらしいもの
って返事が返ってきます。

イギリスらしいもの、たくさんあります.
が、なかでもランチにおすすめなのはパイ。


パイはシチューをパイ生地の中に包み込んだものです。
ただ、お料理によっては、パイ生地がシチューの上に乗っているだけの時もあります。

また、生地の代わりにポテトの場合もあります。


先月からハンプトン宮殿のコースを取っているので、最近ここでランチを食べ続けています。
レストランのメインはとりあえず一通り食べたので、今日はチャペル横のカフェに行ってきました。

チャペル横のカフェは軽食のみ。

今日のスープとかパイが並んでいます。

寒い時には温かいものがうれしい。
こんなカンジです。
 
これはチキンとハムのパイ。

中身はクリームソースにハムとチキンがたっぷり。
付け合わせはサラダかグリーンピースが選べます。

お値段もリーズナブルだし、こんな風に包み込んであるタイプは持ち運びもできるのでお弁当にも便利。
具のいっぱい入った、おにぎりのイギリス版ってところ(笑)
コーニッシュパスティーなんかもパイの仲間です。

もちろんハンプトンコート以外でも手に入ります。

主要駅にはパイのお店があったりもするので、是非一度試してみてください。





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2016年11月12日土曜日

イギリスでの勉強方法

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最近、お勉強疲れでストレスが溜まっています。

イギリスのお勉強って底が見えない。

これ全部暗記しなさい、とかだと楽なんだけどなぁ。


イギリスのお勉強は、基本自習です。

自分で大事だと思うことを掘り下げていって、自分の言葉でまとめる作業が続きます。
幾つかプレゼンした内容をこのブログにも書きましたが、あの程度の文章をまとめるのに、膨大な資料に目を通したり、事実の裏付けを取ったりします。
ネットや一般のガイドブックに書いてあることが、必ず正しいとは限りませんからね。
宮殿出版のものは信用できますけど、内容が短すぎて、それだけだと足りない。
もっとたくさんの事実が必要。

他の人たちのプレゼンを聞いて「あ、それいただき」なんて時もあるし、逆に「そっちに持っていくと、話がややこしくなるな」なんて場合もあります。

それぞれの個性もあるので、聞いていると面白い。
16人の候補生が半分に分かれて一緒に行動するので8人。

宮殿のスタッフが2人、ろうあ者が一人、ロシア語ブルーバッジガイドが一人、中国語ブルーバッジガイドが一人、イタリア語ブルーバッジガイドが一人、ろうあ者の通訳とは別に、候補生として手話通訳者が一人、そして私の8人。
もう一つのチームと、対抗でディスカッションなどもあるので、バランスを考えて分けたみたいです。


興味深い事実を毎回含んでくれるので、宮殿スタッフのプレゼンは楽しみです。
だけど、事実を詰めすぎで、いつも規定時間オーバー、しかも内容が凝りすぎていて、私たちや専門家だと面白い場合が多い。
一般の人には難しすぎる場合がほとんど。

ロシア語とイタリア語のブルーバッジガイドは、さすがガイドが本業なので内容は簡潔。
だけど、事実の選択にお国柄が出ています。
特にイタリア人はアートやアーティストに走りすぎで、日本人の私には名前やアートのタームが多すぎます。

中国人の候補生は、ジョークを程よく入れていて、話題のつなぎが上手です。
今年合格したばっかりの、ほやほやガイドらしい。
なので、ガイディングのテクニック、立ち居振る舞いとかは、まだ現場で擦れていないので新鮮です(笑)

私はガイディングの中に細かな年代を持ち込むのは好きじゃありません。
西暦何年何月何日に、こんなことがありましたって案内。
だって、聞いている人がそんな細かな事実に興味があるとは思えませんから。

それよりも、ほぼ同じ時代にどんなことがあったかとか、聞いてくれる人の想像力を刺激するのが好きです。

同じように、高さや大きさの数字を並べるより、同じようなサイズの身近なものを持ち出したりして、想像してもらう方法が好き。



ガイド内容ではあまり触れないことだけど、バックグラウンドで知っておくべきことなんかはスペシャリストのレクチャーが役立ちます。

ハンプトン宮殿のコースでは、スペシャリストの授業が午前と午後の2回、約2時間弱含まれます。

一昨日は午前中に宮殿の庭師頭とガーデンを回りました。
午後はロイヤルコレクション(王室の宝物庫)の管理人のレクチャー。

以前、ハンプトン宮殿に出てくる幽霊のレクチャーもありました。
2時間たっぷり、どこにどんな幽霊が出るか。

また、宮殿の経営に関するレクチャーも面白かった。

毎回、その道の専門家に質問ができるので、とてもためになります。

イギリスの授業ではどれだけ質問するかも大事な要素。
もちろんレクチャーの流れもあるし、時間的な要素も無視できないけど、聞いてるだけじゃなくて参加が求められます。

チューターは授業中のそういった反応をきちんと見ていて、フィードバック時にコメントされたりします。

これはガイドコースに限ったことではなくて、学校の勉強でもそうです。
講義の内容をただノートに取るだけではなくて、その後が大事。

私は授業中のノートはほとんど取りません。
だって書いている間に他のことを聞き逃すかもしれないから。

なので、面白そうだなと思ったキーワードをいくつか書き留める程度。
授業によって違うけど、2時間のレクチャーだとキーワードは5個程度。

おうちに戻ったら、そのキーワードを自分なりに掘り下げていきます。
で、気が付いたら、全く宮殿に関係ないことばっかり調べて、数時間経過とかになっちゃう(笑)

ご飯の時間以外はラップトップ見てるので、最近ティムちゃんのご機嫌が悪いです(笑)
ハンプトン宮殿のお庭で見た虹。
かなり癒されました!





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2016年11月10日木曜日

ハンプトン宮殿シリーズ グレートホール 

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最近のブログがハンプトン宮殿コースの復習の場になっています(笑)

ま、でもこのブログを読んで「行ってみようかな~」という奇特な人もいるかもしれないので(笑)無駄ではないと思っています。

これは、クロックコートから見上げたグレートホール。
ヘンリー8世が改築した部分です。
1530年代に数年かけて造られました。


こちらが内部。
まず足を踏み入れたら、見事な天井を堪能してください。
天井までは18m。
ダブルデッカーバス4台積み重ねて、やっと届くかなぁといった高さ。

あちこちに施された飾りはきっと時間がかかったことでしょう。
もどかしがったヘンリーの命で、何と作業は昼夜を問わず続けられました。

現在残っている、中世最後のホールといわれています。

内部の大きさですが、奥行きが30m、幅は12mに及びます。

ということはテニスコートがすっぽり入る大きさ。
もちろんヘンリーはここでテニスなんてしませんよ。
 ガラスの値段はすごかったですからね!

ヘンリーはちゃんと敷地の中に別のテニスコートを持っていました。
現在みられるステンドグラスはずっと後。
全部ビクトリア時代のもの。
たった150年ほど前です。
ヘンリーの女遍歴(!!)や家柄がテーマになっていて、読み解いていくと面白いですよ。

現在のお金持ちはフットボールクラブのオーナーになりたがりますが、ヘンリーの時代はタペストリーのオーナーになりたがりました。

この部屋にかかっているタペストリーは、約500年前にヘンリーが注文したものです。
今ではすっかり色あせているので、当時の面影を偲ぶのは難しいかも。 

ブラッセルで織られたこれらのタペストリーは、カラフルなシルクやウール、そして金糸や銀糸で作られていました。

テーマは聖書のアブラハムの物語。

アブラハムは神様から約束された通り、年老いてから息子アイザックを授かります。
そしてそのアイザックを通して神との契約を結び、その子孫は世界に広がることになるのです。
ヘンリーが息子エドワードを授かったのは英国国教会を樹立した後。
つまり、神様はエドワードの誕生を通してヘンリーの行動に同意したわけです。
ヘンリーは第二のアブラハムになり、
新しい世界の父となって世界にその子孫を広げるのです。


すごいデマゴーグでしょう?

誰もがこの部屋を通らなければヘンリーに面会できなかったわけですから、都合のいい所に掛けてあるわけです(笑)

しかも制作当時は金銀あでやかな織物でサイズもすごい。
誰もが圧倒されたことは想像できます。

10枚でセットになっている、このタペストリーは、ヘンリーの持ち物の中で一番高価だったそうです。
このセットと軍艦2隻が同じ値段だったとか。

同じ時代に宮廷画家だったホルバインのお給料が年間30ポンド。
これはその100倍以上だったと想像されています。

何年か前に裏地の部分から当時の色合いを再現する試みがありました。
一時だけの展示だったので、今はありません。

でもそんなに昔のものがまだ残っているっていうだけですごい。
しかもケースにも入れずに展示されています。









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2016年11月4日金曜日

ハンプトン宮殿の表玄関

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かっこいい建物でしょう?
ハンプトン宮殿の正面玄関、グレート・ゲートハウスです。

トマスウルジーがここに宮殿を構えたのは500年前のこと。
交通便利なテムズ川沿いに建てられました。

当時は何と5階建てだったんです。
18世紀に倒壊のおそれがあるということで、上部が取り壊されて、今見ているような3階建てになりました。
背の高い、装飾が施されたチムニーと併せて、チューダー時代の空にそびえていたのです。

初めてここを訪れた人々は、さぞかし感心したことだと思います。
他に比べるものがないほど豪華な宮殿だったそう。

私たちがシャードスカイガーデンを見上げるのと、似たような気持ちかも知れません。

その時代の宮殿といえば、他にもウインザー城やホワイトホール宮殿、リッチモンド宮殿などが有名です。
何れもここから船で行けます。

ただ時間はかかりますけどね。

ロンドンのホワイトホール宮殿まで、多分4~5時間?
リッチモンドでも2時間弱はかかったと思います。

なので、到着したらまず始めに行きたいのは…


…トイレですよね?

この正面玄関の右翼部分は何とそのための建物!
グレートハウスオブイーズメントと呼ばれていました。
2階にわたって合計28個のトイレがあった部分です。

汚水はそのままテムズに流されていました。
ウルジーは、5㎞ほど離れたクームから、きれいな水をパイプで引いていたので、テムズの水は飲まなかったそうです。

さて玄関に戻ると、色々な装飾が目を楽しませてくれます。

ローマの皇帝も2人いますよ。

こちらはティベリウス。
ウルジーが装飾のためにフィレンツェの芸術家マイアーノに注文しました。
1枚200万円くらいかなぁ。
そんなに豪華に見えない?

その当時は色が塗られて金箔も施されていたそうです。
壁のレンガにも、ところどころ金が張られていたり、色が塗られたりしていました。
ここを建築中に枢機卿の職にもついて、この国でも最高の権力を持っていたウルジー、
その立場にふさわしいお屋敷ということなんでしょうね。

中には国王ヘンリー8世とその家族の部屋も造られました。
完成したのは1525年。
ヘンリーも滞在したそうです。

よっぽど気に入ったんでしょうね。
ヘンリーは3年後にこのお屋敷をウルジーから取り上げてしまいます。

その後、彼の好みで建増しや装飾が行われました。
表玄関に10個並ぶロイヤルビーストなども、この時代のスタイルです。
ライオンや牡牛など、本物の動物もいれば、ユニコーンやドラゴンなど架空の動物もいます。

これはヤギに見えるかもしれませんが、イェールという架空の動物です。
チューダー朝の血筋が正当なものであるということを宣伝するためにおばあちゃんの家紋から拝借してきました。
おばあちゃんのマーガレット・ボーフォートはエドワード3世の血を受け継いでいる(=つまり自分も)とアピールしているんです。

そんなことよりも、イェールって角がグルグル回るんですって(笑)
怖いっていうより面白いと思うんですけど!

アメリカにあるイェール大学は、この動物に因んでできました、
嘘ですよ。
全く関係ありません。
イェールさんという人が作ったからその名前になりました。
(これは本当)

でも、プレジデントの旗や、儀式用の杖にはこのイェールがかたどられているそうです。

こういったロイヤルビーストはヘンリー8世や、その王妃、また、チューダー朝に関係のあるもので、持っている旗や飾りも家紋などに由来します。

面白い飾りも多いので、ぜひお気に入りを見つけてください。


これはすぐ脇にあるハンプトン橋。
橋を渡ったところには鉄道駅があって、ロンドンから乗り換えなしです。





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