2024年5月4日土曜日

セントキャサリンズドックのパスタ屋さん

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


お友達のSちゃんとパスタランチしてきました。

場所はロンドン塔の東側にある、セント・キャサリンズ・ドックです。

ドックというのは波止場。
波の影響を受けない安全な場所で積み荷を上げ下ろしできるエリアです。
ロンドンの場合はテムズ川に設けられたゲートから内側に入って壁に囲まれた安全な場所です。

似たような言葉でウォーフ(wharf)というのは岸壁に作られた船着き場。
なのでウォーフの場合は川岸で、ゲートは普通ありません。
ただの船着き場であれば、キー(quay)という単語がそう。

これはセントキャサリンズドック。



中に入るととても小さいことにびっくり。

人気店らしく、私が数日前に予約した時にはカウンター席しか取れませんでした。
店内のテーブル席の数はすごく少ないです。

そして、外の席(雨天でも大丈夫)が10席ちょっと。
当日用の余裕があるみたいで、私は12時に予約して入店したら、カウンターがイヤなら店内のテーブル席でも屋外のテーブルでも変更可能と言われました。

メニューは手作りパスタが中心。
黒板メニューもあります。

他の人が食べているものも気になる(笑)

前菜にブラッタとトマトのサラダを注文して、ふたりでシェアしました。
シェアでちょうどいい量。

こうやって見ると美味しそうだけど、ブラッタはあまりクリーミーさがなくて、ほぼモッツァレラな感じ。
トマトもまだ充分に熟れていなくてちょっと残念でした。

メインは、お友達の Sちゃんが「4時間煮込んだボロネーズのパパデッラ」
私はラムとセージのラビオリ。
お互いにちょっとずつお味見もしました。
美味しかった。
メニューを選ぶときには、やっぱり自分で作らないものっていうのを重要視しました。

こちらがお勘定。
そんなに高くないので、カジュアルランチにはぴったりだと思いました。

ロンドンには他にも何店舗かあるようです。
ここはお手洗いが店舗内にはありません。
このエリア共有のお手洗いだったのがちょっとマイナス点かな?





  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年5月2日木曜日

イギリスの運転手さんの労働時間

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


どんどん春らしくなってきたイギリス(嘘!!今年の春は寒くてお天気が悪いです)
観光のプランを立てている人も多いと思います。

個人で手配する機会はあまりないかもしれませんが、今日はイギリスのバスの運転手さんの規定についてちょっと紹介したいと思います。


安全にお客様を運ぶために、ヨーロッパの各国で運転手さんの業務が過労をもたらさないように、いろいろなルールが定められています。


40ページほどの詳しい内容を読み込むのも大変なので、そこから抜粋した重要な項目をいくつか、簡単に紹介しますね。

まず、この規定が適応されるのは3.5トン以上の車。
なので、通常の乗用車は関係ありません。
簡単に言えば、ミニバスとか、大型バス、トラックなどが対象です。


運転時間の数え方
1週間は、月曜日の0時から日曜日の24時までの7日間です。
1日は夜中の0時から24時間。
運転手さんが、1日に運転できる時間や、1週間に運転できる時間などが決められていて、また次の日、次の週までの間の休憩時間も厳しく管理されています。

運転手さんには、4時間半のルールというものが存在して、45分間の休憩なしにそれ以上運転することはできません。
「じゃあ、9時にホテルにお迎えに来てもらったら、13時半に終われば休憩はいらないのね」
そう思ったあなた、甘いです。
運転時間というのは、デポで運転手さんが自分の運転手カードをデジタル・タコメーターに挿入した時から始まって、デポに車を返してタコメーターから自分のカードを取り出すまでなんです。
デポの場所によっては、市内中心地のホテルまで1時間以上かかることもあります。
そういった時間も運転時間に入るのです。
また、休憩というのはバスを駐車してエンジンを完全に止めた状態。
更に15分以上でなければ休憩とはみなされません。
なので、お客様がバスに乗っていない状態というだけでは不十分なのです。
例えば博物館でお客様をおろして、1時間半後にお迎えに来てもらったら、お客様からすれば1時間半の休憩を運転手さんが取ったと思われたりしますが、実際駐車できずに運転し続けている場合は休憩0分だったりすることも、ロンドンでは珍しくありません。

4時間半運転した後、45分の休憩を取ればまた4時間半運転をすることができます。
そして、この休憩時間は分割して取ることが可能ですが、2度に分けた場合、初めの休憩よりも2度目の休憩の方が長くなる必要があります。
例えば2時間運転して15分の休憩、さらに2時間半運転した後に30分の休憩といった具合です。逆は違反になります。

1日に運転できるのは9時間まで。
但し、1週間の中で2日だけ、条件を満たせば、10時間運転することが認められています。

そして、1週間で認められている運転時間は56時間まで。
6日を超えた連続の運転はご法度。
更に2週間の合計運転時間が90時間を越えてはいけないというルールが存在します。
つまりある週に56時間運転したのなら、その前の週と後の週は34時間までしか運転できないことになります。

ややこしいですか?
もっとややこしくなりますよ(笑)

1日の休息時間は11時間以上必要です。
休息時間は最短でも3時間以上じゃないとカウントされません。
例えば朝6時にデポを出るお仕事なら、その前日は午後7時にデポで仕事を終了する必要があるのです。

終日観光で9時から6時までバスを手配しても、9時間通しで運転できないのがわかっていただけたと思います。
そういった必要があれば、運転手を2人用意して、休憩しながら長距離の運転をすることになります。
なので、デジタルタコメーターには2枚のドライバーカードが挿入できるようになっていて、自動で全て計算してくれる仕組みです。

これ以外にも夜間の運転に関する規定とか、細かいことがいろいろありますが長くなりすぎるので割愛しました。
興味のある方は最初にリンクしたサイトや各国の規定を読んでみるといいと思います。

最後に運転手さんが以上の規定を違反した場合の罰金を載せておきます。
クリックすると大きくなります。
うるさいなぁ、面倒だなぁ、そう思われるかもしれませんが、こういったルールで道路上の安全が守られているのです。






  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月30日火曜日

美味しいビリヤーニを作ったよ!

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


ティムちゃんはインド料理が大好き。
もちろん作るのも得意。

でもビリヤーニは私が作るものが好きだって。
というか、ティムちゃんに作ってもらったことは無いような気もする。
ビリヤーニというのはインド風の炊き込みごはん。
インドではお祝いの時に食べる特別なお料理らしいです。
ごはん系は私が味にうるさいと思い込んでいて、文句を言われるのがイヤだから作らないって言っています。
作ってくれたらおいしく食べると思うんだけどなぁ。

どう、美味しそう?
左からインドのパン、パラサ。
ビリヤーニのライタ添え。
ロゼワイン

ビリヤーニはインド料理のレストランで食べることができますが、おうちでも作れます。
レストランで食べたビリヤーニの記事。


おうちで作るなら、レシピはこちら。

前日にお肉をマリネしておく。
お肉はラムかチキンがお勧め。

今回はチキンを使いました。

二人分でむね肉1枚とモモ肉1個半くらい。
でも量や部位はお好みで。
私はもも肉の方が絶対に美味しいと思いますが、ティムちゃんは健康に良い胸肉派(笑)
一口サイズに切ったらお砂糖一つまみとガラマサラ大さじ1・5とヨーグルト大さじ2を混ぜ込んで冷蔵庫で一晩。

ガラマサラというのはインド系のスパイスミックスです。
ターメリックやクミンなどが含まれる、数種のスパイスが入っている。
自分で好きなものを選んで組み合わせてもいいです。
お砂糖一つまみはお肉がジューシーに仕上がるから。
塩はしません。
マリネの段階で入れるとお肉がドライになる気がするから。

食べたい時間の1時間前に大きなお鍋にカルダモン、クローブ、ベイリーフ、黒コショウ、シナモンスティック、クミンシードを適量(スプーン1杯ずつくらい?)入れたら10分くらい沸騰させます。
バスマティ米(1合くらい)はさっと洗って10分ほど浸水させた後ざるにあげておきます。

玉ねぎ1個は薄くスライスしてフライパンで飴色に揚げておきます。

スパイスを入れたお湯を大さじ2杯くらい一つまみのサフランに加えます。
他にもマグ1杯分ほど取っておく。

サフランにお湯を入れるときれいな色が出ます。

スパイス湯のお鍋に、用意したバスマティ米を入れて4分煮た後ざるにあげます。
*仕上がりにスパイスの粒が入るのがイヤなら、スパイス入りのお湯はお米を入れる前に濾しておいた方がいいです。
特に子供が食べるなら絶対に濾した方がいい。
私はスパイスの粒(鞘丸ごとのカルダモンとか)入ってる方が好きだけど、食べておいしいわけじゃないし噛んだら苦いし。
シナモンスティックの破片は刺さる可能性があるので危険でもあります。

オーブンに入れられるお鍋に油とバターを大さじ2ずつくらい入れて、おろしたショウガとニンニク大さじ1ずつを入れて、カレー粉(お好みで市販のものでも、自分でミックスしたものでも)大さじ1を軽く炒めたらマリネしていたチキンを入れて焼き付けます。
そこに取り分けておいたスパイス湯を150mlくらい入れて、5分くらい強火でチキンに火を通します。
ラムを使うなら、すね肉とかはもっと長く煮たほうがいいし、ロインとかならチキンと同じで大丈夫。
味をみて、塩を足します。
ちょっとしょっぱいかな?くらいがいい。

水分がかなり飛んだら茹でたバスマティ米を上から振り入れて、サフラン水を振りかけます。
お米は混ぜるんじゃなくて、上から乗せるだけ。
サフラン水も、かかった部分とかからない部分ができてちょうどいい。
そこに揚げた玉ねぎとコリアンダーを加えます。

蓋をして180度のオーブンで40分ほど火を入れたら出来上がり。
お鍋ごと食卓に出してもいいけれど、大きな深皿に取り出した方が食べやすいです。
お鍋をくるっと逆さにして、お皿に伏せたらうまくできます。
お好みで砕いたカシューナッツや松の実なんかを散らしても食感が楽しいです。

付け合わせはヨーグルトにきゅうりとシャロットのみじん切りを加えたライタ。
フラットブレッド(今回はパラサ)と一緒に。
ワインはロゼを合わせました。

炭水化物が多いので、夕食よりは週末のブランチなんかにお勧めです。








  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月27日土曜日

イギリスの無印良品が倒産?

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


今月の初めだったか、ツイッターを見ていたら「イギリスの無印良品が倒産!」というショッキングな書き込みが何件かありました。

実際には「英国民事再生手続きに掛かる財産管理人の候補者選定をした」ということで、倒産とは違います。

「え~MUJIが無くなったら、xxが買えなくなる」
「MUJIのXX のファンなのに」
そういったつぶやきも見ましたが、明治製菓がチェルシーを生産中止した時と同じ。
こうなる前にそういったお客さんがたくさんいたら…。

私は別にMUJI のファンでも何でもありませんが、書き込まれた記事を見ていると、買えるうちにいくつか試してみようかなという気持ちになって、オンラインショップを覗いてみました。
イギリスで、化粧品で有名なボディーショップも、同じ手続きに入ってから定番の商品がいくつか無くなってしまって残念だったからです。

MUJI の綿棒とかふき取りコットンのことを書いていた人が結構いたので、別に私はイギリスの製品で満足してはいるのですが、比べてみたくなりました。
食べ物のことを書いている人も多かった。
なので、フリーズドライのスープとお味噌汁とか、お菓子とか、いろいろ買ってみました。
全部で80ポンドくらい買ったかな?

決済した後すぐにメール。
「Dear Miki,
Thank you for shopping at MUJI UK - Ryohin Keikaku Europe Ltd.
Your order has now been entered for processing and will be despatched as soon as possible.(お買い上げありがとうございます。注文は手続きに入りました。早急に発送しますね」

実はその後すっかり忘れていましたが、10日以上経った頃に「発送しました」とメール。
別に直ぐ要るものでもないし、こっちも忘れていましたが、お商売なんだからもうちょっとアフターケアがあってもいいんじゃないかと思いました。
最近のオンラインでのお買い物は、買った後に「ここで買って良かったな」と思わせるメールなどが届くことが多いです。
あと、追加でもっと買おうかなというような後追いメールもよくある。

でもMuji はそういった心遣いはゼロ。
もし心待ちにしていたら、10日以上音沙汰無しだったら、多分カスタマーサービスに連絡していたと思います。
クリスマスに日本のブランドのスポーツシューズを桃太郎君に買った時も、「日本のブランドだから丁寧なサービスだろうな」と期待していたら、(詳細は書きませんが)すっかり裏切られて「二度とここでは買わない」と思ったことを思い出しました。

今回は発送が遅かったこと以外にマイナス面があったわけではないけれど、サービスの在り方が消極的だな、という感想を持ちました。
もし何らかの事情でそんなにかかるなら、
「申し訳ありませんが、予想外に忙しくて時間がかかっています」(真面目版)
「安心して、忘れてませんよ、丁寧に梱包してるだけ!」(おふざけ版)
「配送会社が手間取っています」(言い訳版)
いずれにしても、加えていつ頃の配達になりそうとかのフォロー位あってもいいんじゃないかと思いました。

ただでさえイギリスの小売業が苦戦している中、今時ストックがある商品の発送に10日以上かかるなんて、遅すぎ。
何が理由かは知らないけれど、いろいろ難しいんだろうなと思いました。

遅かったけど、無事に届いたお荷物を開けると、
たくさん入ってる。
スープやお味噌汁は安いので、ひとつ1人分だと思って複数買ったら、一袋に4つ入っていてびっくりでした。
きっと賞味期限の夏までに食べきらないので桃太郎君にあげることになると思います。
味に興味があったバターチキンカレーも買ってみました。
これも一つ£2.95(600円弱)とすごく安い。
そう思って日本のサイトを見たら、日本では400円弱。
こんなに安くて儲けが出るわけないって思ってしまいました。

無印のお菓子も初めて買った。
ギモーヴって初めて食べたけど、マシュマロみたいな味。
チョコ掛けの乾燥イチゴも食感がおもしろい(私は好きじゃないけど)
安いし、イギリスの人にも売れそうだけど、Mujiで食べ物売ってるなんて、みんな知らないんだろうな(私も知らなかった)

管財人が入ってこの先どうなるかわからないけど、とりあえずフリーズドライの簡単調理ものがあるってもっと積極的に宣伝すればいいのに。
スーパーマーケットに卸しても、売れると思う。
忙しい人やお料理嫌いな人には便利だろうし、しかもこんなに安いんだし。
(専門家じゃないから的外れな意見かもしれないけれど)
ファンの人には申し訳ないけれど、シンプルな服とプラスティックの収納グッズを置いているだけのお店というイメージの人多いと思うなぁ。

今サイト見たら5月6日まで、60ポンド以上買ったら送料無料ですって。
とりあえずリンクしておきます。
イギリスのMUJI(リンクします)





  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月24日水曜日

セントジョージの日のSurf and Turf

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


Surf and Turf というのは、直訳すれば「波と芝」
でも英語では、surfは海鮮料理、turfは肉料理という意味で使います。
例えばメニューの魚料理って書くところに Surf って書いてあったり、肉料理って書く代わりに Turf って書いてあったり。

どっちにしようか決めかねて、半分ずつ両方なんて言う時に「Surf and Turf」という言い方をします。
お魚料理のソースにちょっとベーコンが入ってる、とか、お肉の上にキャヴィアが乗ってるといった、添え物程度の場合はあまり使いません。
どちらかと言えば両方インパクトが強いもの。
例えばステーキとロブスターみたいな感じです。
そしてこういった言い方をするときには、一皿に入っていることが多い。

昨日は4月23日。
セントジョージの日です。

昨日はイギリスが誇るもの、そんな感じでお夕食を作りました。

前菜にカニ、メインにウエリントン。
前菜とメインという風に、お皿が分かれる場合には Surf and Turf とは言わない場合が多い。
でも言い回しは知っていて損はないと思います。
Surf and Turf、機会があったら使ってみてね。
本当は一皿で両方入っているという場合に使うことが多いんですが、ちょっと言葉を紹介したかったので、こじ付けのタイトルです(笑)

春はカニのシーズンの始まり。
ということで大きめのコック(オスのカニ)を届けてもらいました。
本当は爪だけ1ダース注文したんだけど、いいのがなかったそうで、代わりに丸ごと持ってきてくれたんです。
爪だけだと、金づちで割るだけだから楽なんだけど。
このカニ、身をほぐすのは30分くらいかかりました。
正直これだけでおなか一杯になる量です。
でもこれは前菜。
残ったら明日のランチのパスタに入れるから大丈夫(笑)



こちらはビーフウエリントン。
きれいに焼けました。

牛のフィレ肉をマッシュルームのパテと生ハムでくるんでパイ生地で包み焼きにしたもの。

以前レシピをのせました(リンクします)


「イギリスの旬」というカテゴリーでいえば、セントジョージの日はアスパラガスの旬の初日です。
蒸したり茹でたりしてホランデールソースで食べることが多い。
スーパーマーケットでは年中手に入るアスパラガスですが、イギリスの国産の旬は4月23日のセントジョージの日から夏至(通常は6月20日ごろ)までと言われています。

是非この期間にお試しあれ。



  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月22日月曜日

もうすぐ選挙のロンドン

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


少し前にティムちゃん宛に選挙の案内が来ていました。

ロンドン市長選の案内です。

先週には投票用紙も届きました。
コロナの時に普通に投票所へ行く代わりに、郵便投票に切り替えたからです。

郵便投票から実際に投票所へ行くという方法に切り替えるのは簡単なのです。
が、ティムちゃん曰く、投票日にどんなお天気になるか、どんな用事ができるかを考えなくてもいい郵便投票をやめるつもりはないということらしいです。

田舎の方ではわかりませんが、ロンドンでは徒歩圏に投票所があるのが普通なようです。

例えば私が住んでいるリッチモンド区(London Borough of Richmond upon Thames)には51の投票所があります。
投票所には公共の建物が使われることが多いのですが、私たちのエリアは、ボーリング場が投票所でした。
これはそんな紹介記事のひとつ。
でも最新の場所を調べたら地区教会に変わっていました。
おうちからの距離はボーリング場だった頃とそんなに変わりません。

イギリスの投票率は日本に比べると高いと思います。
もうすぐ総選挙のイギリス(リンクします)でも紹介したようにこの国の投票率は選挙区によって差はありますが、平均で約70%。

イギリスでは、兵役中や入院中の人たちの選挙権を考慮して、第一次世界大戦中(1918年)に投票所に行かなくても投票できる制度が整備され始めました。
それ以降、いろいろな方法で投票する選択が設けられたのです。
そんなひとつが郵便投票。

Polling Card  は届きますが、ちゃんとポスタル(郵便による)って書いてあります。
本来の投票日は、このカードに記載があるように5月2日木曜日。
でもこのポーリングカード以外にも、郵便投票者には投票用紙や候補者のインフォメーションなんかが2週間以上前に郵送されます。

普通に郵便屋さんが配達してくれます。

セキュリティーメールとかではないので、以前は投票用紙の窃盗を含め、不正投票が話題に上がったこともあります。
2000年から、イギリスの各地域で、完全な郵便投票(投票所を使わない選挙)のお試しが行われていて、その際に話題になったりもしました。
ただ、プラス面を挙げれば、どの地域でも郵便投票の際は以前より投票率が上がったそうです。

ティムちゃんが言うように「お天気や用事を気にせずに、ゆっくり自宅で考えながら投票できるのは素晴らしい制度」ということなんでしょうね。

今回届いたのは、左から投票用紙が3種類(オレンジ、ピンク、黄色)
茶色は封筒、一番右は候補者の案内。
封筒と黄色の用紙の間にあるのは身分証明の用紙です。
生年月日とサインの欄があって、投票用紙と一緒に送ります。

でもみんな一緒に入れないんですよ。
投票用紙は茶色の封筒へ。
その封筒と、身分証明の紙を同封された封筒に入れてポストに入れるんです。
投票用紙に記載した人が、投票権があるかどうかのセキュリティーチェックみたいです。


2024年現在、リッチモンド区の人口は19.5万人、うち選挙権がある人の数は約14万人です。
思ったよりも多い。

ロンドンは外国人も多いので、私のように永住権はあるけれど市民権(選挙権など)がない、という人も多くいます。
また短期で滞在している外国人も多いです。
もちろん併せて18歳以下の子供も選挙権はありません(イングランド)

ちょっと気になって、統計を調べてみました。
住民の数に対する選挙権を持っている人の数、ロンドンの区ごとにパーセンテージで出してみました。
それを高い順に並べるとこんな感じ。
計算に利用した資料はOffice for National Statisticsから。
パッと探して選挙権の人口と住民の数が両方手に入った、2018年の数字です。
区によってかなりばらつきがあるのがわかると思います。

Sutton 75.4%
Harrow 75.4%
Havering 73.9%
Merton 73.3%
Bromley 73.2%
Richmond Upon Thames 72.7%
City Of London 72.6%
Hammersmith and Fulham 70.8%
Brent 70.5%
Ealing 70.1%
Hounslow 69.8%
Wandsworth 69.7%
Bexley 69.7%
Croydon 69.6%
Lambeth 69.4%
Southwark 68.2%
Barnet 66.4%
Waltham Forest 66.0%
Redbridge 65.4%
Kingston Upon Thames 65.4%
Hillingdon 65.3%
Greenwich 65.0%
Barking and Dagenham 64.4%
Lewisham 64.1%
Islington 63.4%
Haringey 62.6%
Enfield 62.6%
Hackney 62.0%
Kensington and Chelsea 61.4%
Tower Hamlets 60.1%
Newham 58.4%
Camden 57.3%
Westminster 56.1%


一番低いのは、思った通りウエストミンスター市の56.1%
つまり市民権のない外国人が多く住んでいるということ。

一言でロンドンといっても、場所によってずいぶん差があるのがわかる、ひとつの例です。







  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月20日土曜日

老舗ベリーブラザーズがきれいになったよ!

  今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)

さてこの間「人前で体重を量るの楽しい?(リンクします)」で紹介したベリーブラザーズは、つい数週間前に改装が終わって、見間違えるほどきれいになりました。

内装だけ見たら、以前来たことのある人は別のお店だと思うほど。

ちょっとお邪魔して、写真を撮ってきました。

ウイスキーのセクションがずいぶん広がって、小さな「特別室」もありました。
特に高価なものを置いているセクション。

日本のウイスキーもそこに鎮座していました。

お店で一番高価なウイスキーは?って聞いたら (すみません、大阪出身なのでつい聞いてしまいます)これですって。
マッカランの78年物。
お値段は9万ポンド(1800万円)

ちなみに日本のウイスキーで一番高価なのは、1958年の白河。
上の写真の真ん中がそう。
いくらくらいだと思います?
なんと、25000ポンド(500万円)!

白河蒸留所は既に存在しないことに併せて、これが日本で初めてのビンテージもの(その年限定)だという貴重さでこのお値段だそうです。
親会社で1樽みつかったものをボトル詰めしたんですって。

流線形が美しいこちらは車会社ベントリーとのコラボ作品。
珍しいウイスキーを探しているなら一押しでお勧めです。

ベリーブラザーズ(リンクします)









  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月18日木曜日

ドイツチームの襲来、再び?

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


昨日はバイヤン対アーセナルの試合がありました。
チャンピオンズリーグの準々決勝。
先週の水曜日はエミレイツで、バイヤンの観客ゼロという圧倒的な地の利も生かせず2-2の同点。
ただ、試合はスピーディーで、とても楽しめるものでした。
アーセナルのメンバーでなくても観られます。

昨日はバイエルンでの試合。
前半戦はやや押されてはいたものの、後半に期待できる中身で、特に富安の活躍が良かった0-0です。
でも後半は全然ダメ。
ミッドフィールドがつながらない。
途中で選手交代があったものの、あれは愚策だったんじゃないかな。
とにかく時間が経つばかり。
ラインズマンのミスでコーナーキックがゴールキックになったのも痛かったです。
結局1-0でバイヤンの勝利。
ナブリもいなかったのに、バイヤンはとてもいい動きでした。
ノイエの活躍もさすが。

ところで今年のチャンピオンズリーグの決戦はイギリスで行われる予定です。

現在、ベスト4に残っているのは;
バイヤン、リアルマドリッド、ドートマン、そしてパリサンジェルマン。
準決勝の組み合わせと日程はこちら。


昨日までアーセナルと共に残っていたマンCも負けてしまったので、開催国のチームが出ない試合の予定です。
2013年の再来なるか?

この時はうれしそうなドイツのファンがロンドン中に溢れて、ドイツで開催に変えればこの人たちもっと楽に試合が見れただろうにって思いました。

アーセナル、これからはリーグ戦に集中して、今年こそ優勝して欲しいなぁ。
この間、ヴィラに負けたのが痛いよ~。



  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月16日火曜日

人前で体重量るの楽しい?

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


楽しいわけないでしょ😡
と思ったあなた、私も同意見です!(笑)

それなのに、18世紀からそれをウリにしたお店がロンドンにはあるんです…。


私たちが考える家庭用の「体重計」が日本で発売されるようになったのは、谷田製作所の「ヘルスメーター」で、1959年のことだそう。
つまり、それまでは誰かに量ってもらうしかなかったんですね。

イギリスでは1830年代から、鉄道駅に荷物用のはかりが設置され始めました。
今でも駅で見ることができる、古い鋳鉄製の台はかり。
イギリスの Henry Pooley & Son という会社が有名で、のちに W & T Avery Ltd に合併されます。
こういったプラットフォームスケールは1831年にサディアス・フェアバンクスというアメリカ人が特許を取って世界に広がったものだといわれています。
荷物の重さを量ったのは列車などの許容範囲を超えないように、という目的だったそう。
荷物の代わりに乗って体重を調べた人もいたかもね。

その当時、頻繁に体重を量ったりしたのは主に軍隊で、ヴィクトリア時代から入隊時に健康かどうかの目安として調べたそうです。
帝国戦争博物館所蔵の写真で第一次世界大戦時の入隊テストの様子。
身長を測られている人と体重を量られている人。
椅子状の計りに座っている人の後ろにバネばかりのようなものを持っている人がいます。

Averyと併せてイギリスで有名な秤のブランドといえばSalter 。
元はバネを作る会社で、18世紀にはバネ秤を作っていたそう。
この写真のものがSalter製なのかどうかは調べてもわかりませんでした。

この Salter が1897年に家庭用の体重計を発明したそうです。

では、バネばかりや台はかりよりも前はどんな秤を使っていたか。
それはね、天秤。
天秤っておくすりや貴金属といった、もっと小さなものを量るイメージがありますよね。
でも、これで体重を量っていたんです。
え、暗くてよくわからない?

じゃあ矢印を入れます。
天井から下がった天秤計りが見えますか?
左に人が座って、右に重りを置いて量るんです。



天秤の歴史は古い。
大英博物館でお客様にご案内する「死者の書」にも出てくる。
これは3200年前くらいのもの。
亡くなった人の心臓を量っているところ。

エジプトは置いといて、写真で紹介した方の秤が今日のテーマ。

この秤はロンドンの有名なワイン屋さんベリーブラザーズ(リンクします)のものです。
壁のフレームにあるように、1765年からここで顧客のために体重を量っていたって!
そしてそれが評判で、ワインを買いに来る人が増えたとか!
他には簡単に量れる場所なんてなかっただろうし、この辺は紳士クラブも多いから、
「おい、お前と俺とどっちが重いか賭けよう!」
なんてことをやっていたのかもしれません(笑)

私はやっぱり自分のベッドルームで誰にも見られずに量るほうがいいなぁ。

因みにこのお店はキングスマンの2作目、ゴールデンサークルに出てきたお店です。




  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月13日土曜日

ろうあ者のためのスポーツ観戦

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


土曜日のお昼、テレビ中継で観ていたニューカッスル対トッテナムの試合。
イギリスのプレミアリーグです。

スカイでの中継だったのですが、その中で興味深い場面があったので紹介したいと思います。

この試合で、ニューカッスルの特別なシャツを着ることによって、聴覚に障害のある人たちが試合を感じることができるようになるというシステムが始まったそうです。
このシステムを紹介したYouTubeのビデオ。

実際に着用した子供たちが観客として興奮している様子が中継されたのを見て、とても感動しました。
こちらがそのシャツの仕組み。
スタジアムの興奮を振動で感じることができるシステムが装着されているシャツ。
4-0という結果だったので、その興奮は大変なものだったでしょうね!

スポーツ観戦は、全く障害がなくても、会場へのアクセスや会場内での移動などハードルが高いイベントのひとつです。
特にプレミアリーグの試合は、狭い場所に何万人と集まるわけですから、安全に楽しむだけでも気を使います。

最近では各チームがアクセシビリティーを意識しているのは知ってはいますが、「参加できる」ことと「楽しむ」の間にはやはり大きな溝があることも事実です。

車いすでアクセスができる席を増やすとか、リフトの数とかは最低事項。
私は足を捻挫した時にアーセナルを観に行って、すごく苦労した経験があるので、リフトがあっても利用者が多すぎて使えないなんて「リフトがあればいい」では問題解決にならないのを知っています。
目の手術をした当日に、アーセナルを観に行ったこともある。
ひとりじゃなくてティムちゃんがサポートしてくれたけど、ほとんど見えない状態で足元が怖かったのを覚えています。
マイナス面を取り去るのはもちろん最重要課題です。
加えて、ニューカッスルのような「興奮を感じる」といった側面を提供しているチームがあるのは、とてもうれしいことです。

気になったのでアーセナルのサイトをチェックしてみました。
多少のサポートはあるようでしたが、画期的と言えるようなものは何もなくて残念。

このニューカッスルの事例が、他のクラブにも広がると嬉しいな。



  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。

2024年4月12日金曜日

雨宿りのつもりがシルバーのお買い物になってしまった!

今日のイギリス情報ブログのランキング(リンクします)


以前に紹介したことがあるかも、と思って探したらありました。
だけど、中は全く変わっていません。
ここへは時々お客様をご案内するんだけど、この間は小雨が降っていたので時間つぶしに立ち寄りました。


地下に降りたら昔の金庫が飾ってあります。
世界で初めての万博、1851年のグレート・エキシビションに展示されたものだそうです。

以前あった写真禁止の札がない。
各お店の様子は全く変わっていません。
お店のショーウィンドウを見て気になったものがあれば中に入ればいい。
これなんか面白い。
はちみつ入れかな?
でもミツバチというよりはハエに見える(爆)

ぶらぶら歩いてウインドウを楽しんだ後、ジョージアンのとても素敵な小物入れがあったので購入しました。
ティムちゃんにあげたら喜ぶかなって思って。

ホールマーク(イギリスの銀製品に付けられる刻印のこと)のシルバーで、中は金張りの豪華なもの。
手のひらにちょうど乗るサイズで、きれいな楕円形のフォルム。
包み込むように持って、両脇を少し押すとパカッと蓋が開く仕組み。
ぴっちり閉まるので、嗅ぎたばこ入れとして作られたものだと思います。

とても素敵だけど、何に使うだろう。
持ち運ぶにはちょっとかさばる。
ポケットには入るけれど、ティムちゃんはお財布すら持たないし。
ベッドサイドテーブルに置いて、チョコレートとか入れたらかわいいかな。
買った後で使い方を考えないといけないなんて、衝動買いの女王、私らしいお買い物です。


一緒にいた、ブログ友達のねこなすさん(リンクします)はトーストラックを見ていて、お値段を聞いたりしていました。
トーストラックというのは朝ごはんにトーストを立てて出すためのもの。
ちょっと例を挙げておきます。
銀の重さや造られた年代、デザインなどでお値段はいろいろ。

お店の人は比較的若めの気さくな人で「安くしとくよ~」みたいなノリ。
で、いくつかトーストラックを見せてくれた後、ねこなすさんは買う気がないみたいなので、私の方にセールスをかけてきました。

この日は特に探し物があったわけではなくて、時間つぶしが目的。
ねこなすさんが来たことがないというので、気軽にどんなものがあるか見てみようという気分で、シルバー製品をふたつも買うつもりは毛頭ないです。
(というか一つ買うとも思っていなかった!)

でも、見せてくれたトーストラックのひとつが、とてもお値打ち品だったので心が揺らいでしまいました。
持ってみるとずっしり重い。
計ってみると300gほど。
現在の銀の価格は、グラム当たり約70ペンスなので、銀としての価値だけでも200ポンド以上ということになります。

正直なところ、嗅ぎたばこ入れのような上品な魅力はありませんが、使い方を無理やり考えなくてもいいところはポイント高いかも。
もちろんこちらもホールマーク付き。
ところがアンティークではありません。

アンティークというのは100年以上前のもの。
つまり、今年なら1923年よりも前のもの。
30年以上前のものはヴィンテージ、50年以上前のものは本物の(True)ヴィンテージという言い方をします。

このトーストラックはヴィンテージでもなくて、何と2000年に作られたもの。
こちらがそのホールマークです。
左から制作者、925というのはシルバーの純度、錨のマークはバーミンガムのアセイ(査定機関)ライオンはイギリスの銀製品であるということ。
普通は右端に制作年がアルファベットで入ります。

これは主なアセイマーク。
どこで査定されたものかでアルファベットが変わるので、アセイが判ればこのサイトが便利。

写真のライオンのおとなり、十字のマークは特別な年のマークです。
十字は西暦2000年のこと。
特別な年の記念のマークということで、このサイトに他のマークと併せて記述があります(リンクします)


で、一番左の制作者のマーク、M&Wって書いてあるでしょう?
銀製品で有名なマッピン&ウェッブのことです。
ブランド物が大好きなティムちゃんにはこっちの方がいいかな。

銀製品をふたつも買いたくないと言ったら、じゃあ前のを返品してこれを買えばいいと言われて、結局買ってしまいました。
ジョージアンの嗅ぎたばこ入れには未練があるけど、実用的なのはこっち。

ティムちゃんにトーストラックをプレゼントしたら大喜びしてくれましたから、いいお買い物でした。
こちらがプレゼントしたトーストラック。

毎日使ってくれているのでとっても嬉しいです。







  ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。