2025年5月19日月曜日

意外と身近なところで手に入る毒!




なんだか怖いタイトルの今日の記事。
ミステリー小説だともっとかっこいいタイトルにするんですが(笑)


アガサクリスティーの小説を読んでいるとたまに出てくる木の名前、イチイ。

英語では「YEW」という名前で猛毒。
何と葉っぱ50gが致死量だとか?(←きちんと調べたわけではありません!)

日本にもイチイの木があります。
聖徳太子が持っている笏(薄い木のメモ帳)の材料としても知られています。
イチイという名前も「一位」と音が同じだということで、日本では縁起がいい木とされているようです。
何とお箸の材料にするところもあるとか。
きっとイギリスのものとは完全に同じではないんでしょうね。

葉っぱを50g食べるのは少し難しいかもしれませんが、秋口に実る赤い果実には種があって、種だと数粒で命の危険にかかわるそうです。
かなり苦いそうなので、すりつぶしてカプセルに入れるとか、もしくはすでに苦いものに入れるなどの工夫が必要。
クリスティーの「ポケットにライ麦を」の中ではマーマレードに混ぜて殺人が行われました。
(当然ながら、このブログではイチイの毒の利用をお勧めしているわけではありません!)

常緑樹なので、お屋敷の木を使った迷路や垣根なんかもこれで作られたりします。
イギリスでは教会の敷地内に植えられることが多いので、本当によく目にする木。

実は教会に植えられるのには訳があって、その毒性のため。
一本の木が地面のところから分かれて上に伸びていきます。
上に載せた葉っぱの写真で見分けがつくと思うけれど、幹は赤茶で木肌は新じゃがみたいに薄くはがれた感じです。

根にも毒があるので、動物がその周りを掘り返さないという利点があるのです。
教会の敷地は土葬の場所でもありますからね。

ということでこの木の周りに生えている草は、食べられるものでも採取しない方がいいということです。
春に行者ニンニクとか見てもちょっと気を付けた方がいい。

誰からそんな話を聞いたかって?

ジョージさんから。

「自然から採取できる食べることのできるもの」というテーマのウォークで、彼が最初に話してくれたことのひとつ。

「なんでもむやみやたらに採取せずに、安全に食べることができるかどうかを考えてから」ということです。
彼はオーガニックの農場で、そのオーナーに許可を取ったうえで、周りの草や木の実、キノコ類を採取するそうです。


さて物事にはなんにでも裏表があります。
このイチイの毒、何と抗がん剤の材料のひとつだそうです。




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2 件のコメント:

phary さんのコメント...

うちにも頂き物のイチイの木がありましたが、毎年刈り込むのが大変だったのでだんな君と二人係で3時間ぐらい格闘して抜いてしまいました。根がすごかったです。
そんな猛毒があるとは知りませんでした。

miki bartley さんのコメント...

Phary さん、こんにちは!コメントありがとうございます😊
イチイはトピアリーにするお庭もありますが、それって逆に言えば葉っぱがびっしりでよく伸びる(=お手入れが大変)なんでしょうね。
根っこがすごかったということですが何百年も長生きする木だから早めに対応して良かったですね。実には仄かな甘味があるので子供が間違って口にでもしたら大変!