2025年9月22日月曜日

ラムタバーン

さて、前回紹介したレデンホール・マーケット(リンクします)内のパブ、ラムタバーン。

イギリスのパブには大きく分けてふたつの種類があります。

ひとつはビール醸造所と提携(もしくは所有)のパブ、もうひとつはそういった括りがない「Free House」といった体裁のパブ。

ラムタバーンは醸造所 Youngs の系列パブです。
なので基本ここのビールはYoungs のもの。

1780年にできたパブということで、長い歴史があります。
1階のバーでは飲み物、2階でお食事。

メニューは伝統的なイギリス料理が多いので、イギリスらしいパブに行きたいというならぴったりです。

先日はここでフィッシュ&チップスをいただきました。
本当はラムチョップが食べたかったんだけど、残念ながら品切れ。


フィッシュ&チップスはカリッと仕上がっていてなかなか美味しかったです。
特にチップスがホクホク。

タルタルソースだけじゃなくてカレーソースも付いてくる。
ちょっと面白いですね。

たくさんの席が窓際でマーケットを見下ろすことができます。
このマーケットの近辺は歩いてご案内することも多いので、そんな休憩に飲み物だけ楽しむのもあり。
イギリスではあまりおつまみは食べませんが、ここのバースナックにはスコッチエッグがあります。
ひとつを半分に切って出してくれるのでふたりでつまむのにはちょうどいい。
もしくはチップスをおつまみにして外で飲むのも楽しいです。

パンケーキ競争の日(2月もしくは3月)にはこのパブが受付場所。
そちらはそんなに歴史があるわけではないけれど、イギリスらしいもののひとつなのでその日にロンドンにいるなら行ってみると面白いと思います。
イースター前にある四旬節に入る前日の火曜日です。

そんなタイミングよく来れません、というならサンデーローストはいかがですか?
日曜日の特別メニュー。

他にもいろんなイベントがあるのでパブの公式サイトを貼っておきます。
ラムタバーン(リンクします)


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2025年9月20日土曜日

レデンホール・マーケット


ロンドンの中心地には市場が何か所かありました。
旧市街地からテムズを渡った南側。
ロンドン橋の脇です。

残念なことに、ほとんどの市場はその機能を失いつつあります。
お肉屋さんが集まったのはスミスフィールド
ここは現在ロンドン博物館になるための工事中。
一部のお肉屋さんはまだ営業していますが閉鎖はほぼ確実。

ここはもう閉鎖が決まっていて、跡地は住宅になるような話です。
実は今の市場も1980年代にロンドン塔の脇から移転した新しいもの。
数年後、今の場所よりさらに東のデガナムにお肉屋さんの中央市場と共に移転の計画がありましたが予算オーバーで計画は頓挫してしまいました。

家禽類の取り扱いがあったのはレデンホール・マーケット。
家禽類というのは鳥やウサギのことで、昔はにぎやかな市場だったんだろうな。
ヴィクトリア時代の建物がとても素敵な一角です。
ここはハリーポッターのダイアゴン横丁のロケ地なので、今は市場ではないけれど観光客がたくさん来るところです。
周りの建物が超近代的なので差が凄いですね。

ヴィクトリア時代のアーケードが今もそのまま使われています。
現在は観光で訪れた人たちも利用しやすいカフェやパブ、お洋服屋さんなど。

それでは次回はこのレデンホール・マーケットのパブ、ラム・タバーンを紹介します。




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2025年9月18日木曜日

ロンドンの野生動物といえば…?

ロンドンにはたくさんの観光地があります。

そのほとんどが長い歴史を誇っていて、そんなひとつがロンドン塔。
ウイリアム征服王が11世紀に建てた要塞。

ここは王様の住居、造幣局、火薬を含む武器の保管庫、牢獄、処刑場などいろんな役割がありました。

現在ではその機能はなくなりましたが、動物園のように珍しい動物が飼われていたこともあります。
イギリスで初めて像やライオンを飼っていたのはここなんです。
サウスケンジントンの自然史博物館にはそんなライオンの頭蓋骨が展示されています。

今でも飼われているのは大ガラス。
ずいぶん前にそのお話は記事にしたのでどうぞ(リンクします)


でも今日は飼われている動物じゃなくて野生の動物のお話。
野生といっても熊とかオオカミはイギリスにはいませんよ。
野生動物ということであればイギリスは比較的安全な国です。

この写真を見てください。
先日ロンドン塔に行った時に撮ったもの。
制服の彼女、一般的にはビーフィーターで知られるロンドン塔の管理人さん、正式名称はヨーマンウォーダーです。

何をしているかわかりますか?
リスちゃんにナッツをあげているんです!
彼女のペットじゃないです(笑)
野生のリスちゃん。

ロンドンでは至る所で見ることができます。
一番探しやすいのは公園かな?
他にもきつねを見ることも多い。
ロンドン塔にきつねが出没するのは夜なので、私は見たことはありませんが、以前カラスがきつねに怪我をさせられた話なんかは聞いたことがあります。

きつねは人間を見ると逃げてしまいますが、リスちゃんは人間に慣れている。
公園でも餌をあげている人をよく見かけます。
ただ、野生動物なので、その個体の衛生状態はいろいろ。
撫でたりするのは避けた方がいいと思うし、餌をあげる時に噛まれたりする可能性も無いわけじゃないので十分気を付けてください。

それにしてもかわいいですよね。



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2025年9月16日火曜日

カプチーノを頼まなくなったよ!


自宅からお仕事に向かう時はおうちで朝ごはんを食べない私。

でも早めに到着したらデーニッシュやクロワッサンと一緒にコーヒーを飲んだりします。
去年の夏頃くらいまで朝のコーヒーはいつもカプチーノを注文していました。
ランチの食後はエスプレッソ、そしてディナーの後はコーヒーは飲みません。
眠れなくなりますからね。

カプチーノ、大好きってわけじゃなくて、惰性で注文していました。
美味しいところで朝ゆっくり飲むのはいまだに好き。
でもチェーンのカフェで美味しくもないカプチーノも多いです。
そして、きまって量が多い。

飲みきれないのも嫌なので、ダブルエスプレッソに温かいミルクを入れてほしいってカフェで言ってみたら「それはマキアート」って教えてもらいました。
知らなかった~(笑)

ということで、最近、朝のコーヒーはほとんどがマキアート。

先日はお客様との待ち合わせ場所が鉄道駅。

忙しく行きかう人々を眺めながらのんびりコーヒーを飲んでいました。
今まで気づかなかったけれど、このカフェの紙コップにはいろんなコーヒーの種類が書いてあって注文したら色付けしてバリシタがその通りのコーヒーを作るといったスタイル。
注文する場所と受け取る場所が違います。
効率的ですね。

でもコーヒーを待つカウンターには、大概ひとりかふたり、注文がいつまでも来ない人が待っていたりします(笑)
多分誰かが自分の注文じゃないものを間違って持って行っちゃうんだろうな~。

そして、マキアートのいいところは飲み切れる量ということだけではない。
お値段が少し安めの設定なのも嬉しいです。
カフェによって細かい金額は違うけれど、カプチーノが4ポンドだったらマキアートは3ポンドといった感じ。

まだ待ち合わせの時間まで30分もある。
この日は地下鉄がストで大変だったんだけど、ラッキーなことに鉄道の利用だけで動く予定。
朝のコーヒータイムものんびり、なかなかいい日でした。



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2025年9月14日日曜日

イギリスではサンドウィッチが美味しいよ!

SNSを見ていると、定期的に出てくる話題が「メシマズ・イギリス」
失礼な表現だと思いますが、もう30年住んでいるのでそういわれるのにも慣れました(笑)
確かにイギリスで安くて美味しいものを探すのは難しいかもしれません。
正直なところ、日本との物価が違いすぎるので、美味しいものを食べても「この値段でこの味か」みたいな感想になっちゃう。
でも基本「美味しい」というのは主観なので、万人受けするというのは多国籍の場所だとちょっと難しいんじゃないかな。
特にいろんな人種が集まるロンドンのような場所では「何を美味しいと思うか」の幅が広そう。

私がお客様にお勧めする「安くて美味しいもの」のひとつはサンドウィッチ!
「お料理じゃない」って怒られるかな?

私はそれほどサンドウィッチが好きなわけじゃありません。
でもごくたまに無性に食べたくなります。

この間はシーサイドでとっても美味しいカニサンドをいただきました。
もしイギリスでシーサイドのカフェメニューにあれば、是非トライしてみてください。
ローカルなカフェのご当地メニュー。
健康のために胚芽入りのパンが主流のイギリスですが、キュウリのサンドウィッチとカニサンドウィッチは白いパンが合うと思います。
このカニサンドウィッチは日本円にして3500円くらい。
それってイギリスの物価だとそれほど高いとは思いません。

日本ではカニのサンドウィッチってあまり食べないんじゃないかな。
日本の蟹だとお刺身とかお酢の物。
さっと焼いたりお鍋に入れたりするのもおいしいですよね。

因みにティムちゃんが好きなのはベーコンのサンドウィッチ。

ところで、最近日本風のサンドウィッチがイギリスで人気です。
初夏にはイチゴのサンドウィッチが話題になりましたがそろそろ下火。
ここ数年で目立ってきたのはカツサンド。
いろんなお店で見かけるようになりました。
Katsu-Sando の名前でメニューには載るようです。
日本から短い日程で旅行に来た人がわざわざイギリスで食べる必要はないかもしれませんが、カニサンドは本当におすすめなので見かけたら是非どうぞ!



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2025年9月12日金曜日

テンプルチャーチに行ってみよう!


ダン・ブラウンの小説(そして映画)で一躍有名になったテンプルチャーチ。

ガイド学校の時に一応勉強はしましたが、お客様をご案内することはとても稀。
1年に一度あるかないかといった頻度。
でも歴史のある教会なのでキリスト教の歴史や十字軍の遠征などに興味があるならぜひどうぞ。
ウエストミンスター寺院やセントポール大聖堂に比べると入場料も低めの設定で、それも嬉しいです。
2025年9月の時点で;
ウエストミンスター寺院 31ポンド
セントポール大聖堂 26ポンド
テンプルチャーチ 5ポンド
まあ規模は全く違いますけれど、歴史といった面で見ればそれほど引けを取るとは思わない。

少し写真を紹介します。
テンプルチャーチは十字軍の遠征で護衛を務めた騎士団の教会として始まりました。
教会にはエフィジーとよばれる記念碑がいくつかあります。
ダ・ヴィンチ・コードの中でトム・ハンクスが「これらはお墓じゃない、エフィジーだ〜っ」って叫ぶあれです。
そして見えないところにたくさんのお墓があって、何体埋まっているのかは誰にもわかりません。
ヴィクトリア時代にそんなお墓の大部分はまとめて移葬されました。
現在ここの牧師さんのお庭として使われている部分がそう。
わかりやすい様に牧師さんと書きましたがこのテンプルチャーチは「ロイヤルペキューリア」つまり大聖堂などに帰属しない王室直のチャペルです。
それに騎士団の歴史も加わって Vicar(牧師)ではなくReverend and Valiant Master of the Temple(テンプルの尊厳と勇敢なマスター)というのが正式名称😂

この写真、奥がウイリアム・マーシャル、そして手前がその息子。
損傷が激しいのは第二次世界大戦の時に爆撃の被害を受けたから。
幸いなことに、ヴィクトリア時代にコピーがとられていて、それらが本物の横に展示されています。

ウイリアム・マーシャルはマグナカルタの調印前に内乱状態にあった諸侯とジョン王とをとりなした人物で、ジョン王が亡くなった後は子供だったヘンリー3世の摂政としてマグナカルタを再調印したり、いろいろな功績があります。

建物は部分的に改築されているけれど、円形の部分はエルサレムの教会を模して造られました。


昔は教会の入り口だった扉。

ステンドグラスは第二次世界大戦の折に破壊された後にシティーのギルドWorshipful Company of Glaziers から寄付されたものです。

色が深いので中世のガラスだとわかります。
爆撃を受けた教会の瓦礫の中からガラスを集めて、それを再構成したものだそうです。
製作はカール・エドワーズさん。

爆撃を受けた教会は無残な姿でしたが、ステンドグラスだけではなく、オリジナルの素材や残骸を駆使して元の姿によみがえりました。
この写真はテンプルチャーチの公式ウェブサイトから。
1941年5月10日の爆撃の跡です。

小さな教会なので1時間ほどで見学することができます。
気を付けなければいけないのは開いている時間。
レビューにも「いつ来ても閉まっている」という苦情が結構あります。
訪れるならウェブサイト(リンクします)をチェックしてから。
毎週ではありませんが、金曜日に教会のトークがあったりするので、それを聞きに行くのもいいかも。
独立した教会ではなく、インナーテンプルとミドルテンプルに属した教会なので夏休みがあったりします。
聖歌隊で有名だから礼拝に参加したいなら、こちらもウェブサイトで日程をチェックしてからの方が確実です。







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2025年9月10日水曜日

あと少しだけど・・・


9月に入ってお天気が変わりやすくなったロンドン。
今年の夏は雨が少なかったけれど、少し雨も降るようになってきました。
お庭がある人にはうれしいですね!

ロンドンは雨が多いというイメージなんですが、実際はそんなことはありません。
年間降水量は585mm で特に雨季があるわけではありません。
東京の年間降水量は1598mm だそうですから東京の方がずっと多いです。

雨で洗われた後の日差しに照らされた建物はことのほかきれい。

そんな時には屋外でのランチもいいですね!

ロンドンではたくさんのレストランが屋外に席を設けています。
でも何となくセキュリティーが気になる。
道行く人がすべて善人というわけでもないので、テーブルに置いた携帯電話だとか、足元に置いたバッグだとか。

そんな人にうってつけなのは、あまり人通りがないお庭に面したカフェ。
今日はそんなカフェを紹介したいと思います。
だけど、期間限定、5月から9月までしか開いていないので後数週間ですね。

ここで食べられるのは軽食と飲み物。
こちらはキーシュとお野菜。
希望を言えばキーシュは温めて出してくれます。
グラスワインと併せて一体いくらだと思います?
たったの11.70ポンド!
ロンドンとは思えない価格です。

きれいな芝生を目の前にラップトップを広げて作業するのも気持ちいい。
もちろん屋内エリアもあって、ゆったりした作りです。

テンプルの地下鉄駅からアプローチするとこんな素敵な建物の間を縫ってたどり着きます。

お庭への入り口はひとつしかないので、それであまり人通りがないんですね。
もちろん安全を保障するわけではありませんが、周りを気にせずのんびり軽食という人にはいいと思います。



このカフェがあるエリアはミドルテンプルとインナーテンプルという法学院のエリア。
お散歩にも向いているし、じっくり観光するならテンプルチャーチがおすすめです。

ではテンプルチャーチは次回紹介しますね。


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2025年9月8日月曜日

ペリシテ人を打ちのめすサムソン



女運が悪い選手権を開いたら絶対に5本の指に入る聖書の登場人物サムソン。




ということで、今回紹介するのはジャンボローニャの彫刻のサムソン。

別にマッチョな男の人が好みっていうわけじゃないです。
でもこの像の魅力は力強さ、とても惹かれる彫刻です。

この像は大理石でできているのですが、熱気というか、殺気というか、すごい迫力。
聖書の士師記15章に出てくるシーン。

14サムソンがレヒに着くと、ペリシテ人は歓声をあげて彼を迎えた。そのとき、主の霊が激しく彼に降り、腕を縛っていた縄は、火がついて燃える亜麻の糸のようになり、縄目は解けて彼の手から落ちた。 
15彼は、真新しいろばのあご骨を見つけ、手を伸ばして取り、これで千人を打ち殺した。 
16そこで彼は言った。
「ろばのあご骨で、ひと山、ふた山
ろばのあご骨で、千人を打ち殺した。」
17こう言い終わると、彼は手に持っていたあご骨を投げ捨てた。こうして、その場所はラマト・レヒ(あご骨の高台)と呼ばれるようになった。 
18彼は非常に喉が渇いていたので、主に祈って言った。「あなたはこの大いなる勝利を、この僕の手によってお与えになりました。しかし今、わたしは喉が渇いて死にそうで、無割礼の者たちの手に落ちようとしています。」 
19神はレヒのくぼんだ地を裂き、そこから水が湧き出るようにされた。彼はその水を飲んで元気を取り戻し、生き返った。それゆえ、その泉はエン・ハコレ(祈る者の泉)と呼ばれ、今日もレヒにある。
20彼はペリシテ人の時代に、二十年間、士師としてイスラエルを裁いた。

この彫刻は実は噴水の飾りとしてメディチ家のために作られました。
神様がサムソンのために泉を与えたという、噴水にはうってつけのモチーフですね。
でもこういったお話は説明されないとわからないとよく言われます。

ま、そのためにガイドがいるので美術館や博物館に行く時はぜひ声をかけてください(笑)

ところで聖書のお話といえば全く今の私たちの世界とは関係ないと思っている人も多いと思います。
特に日本に住んでいれば聖書を読む機会がある人も少ないし、それも旧約聖書はなおさらかもしれません。

でもイギリスに住んでいるとメインの宗教はキリスト教の一派である英国国教会だし、そのほかの宗教の人と触れ合う機会も多いです。
主義主張が違う人たちがデモをしたりするのを間近で見ることもあって、最近は土曜日といえばイスラエルに対する抗議のデモを見ることも多いロンドン。
その中で「ガザのために」とうたう人も多くいます。
実はパレスチナというのはローマ帝国の時代にペリシテ人が住むところという意味で付けられた名前です。
ただ聖書の時代のペリシテ人が現在のパレスティナの人々の直接の祖先というわけではないようです。
ガザも士師記を含め聖書に何回も出てくる土地の名前。
そしてもちろんイスラエルも旧約聖書には欠かせない名前。
歴史の本を読む感じで旧約聖書を読んでみると興味深い発見があるかもしれませんね。



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2025年9月6日土曜日

おしゃれなレストランに行ってきた!


サウスケンジントンには博物館がいくつもあるので行く機会は多いけれど、ランチのお気に入りは特にありません。
しいて言えばV&Aのカフェかな。
そんなに美味しいわけじゃないし、特に安いわけでもないけれど、便利だから。
でもいつも人がいっぱいで落ち着かない。

というわけで、ふと見かけたレストランを試してみました。
駅から自然史博物館に行く途中。
こんな看板が出ていた。

グラウンドフロアーのカフェもおしゃれっぽくてサンドウィッチ程度のものは食べられるみたい。
でも上の階はレストランで、ランチタイムにはセットメニューがあるそうです。
予約してないって言ったら、問題ないですって。
階段を上がったらバーと*レストラン。

中はこんな感じ。
広くてのんびりできそう。
平日のお昼はいつもこんな感じだそうです。
経営大丈夫かな(笑)

セットメニューはこちら。
前菜3種、メイン3種からひとつずつ選んでデザートは選択無しで38ポンド。

前菜にはイカの炒め物。

メインはお肉を選びました。
両方少ない材料でサッとお料理されていて南フランスのカフェで食べてる感じ。
なんだかちょっとだけホリデーに来たみたい。
窓が開いているせいかな。


デザートはチーズケーキ。
小さいし、甘すぎなかったのがとても良かった。

前菜に白ワイン、メインに赤ワインをグラスで注文してお会計は58ポンド。
のんびりひとりでランチするのもいいし、お友達と来てもいいかな。
あと、バスルームのソープが良かったです。

To My Ships (リンクします)というブランドで、初めて見ました。
粒々が入ったジェルタイプなのでお塩かと思ったらパーライトらしい。
香りも好きなのでおうち用に買おうかなとネットで調べたら39ポンド。
そこまでいいとは思わなかったので、買っていません(笑)
我が家で使うのは大抵その半分以下のお値段です。




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2025年9月4日木曜日

王立海水浴病院???

「王立」「海水浴」「病院」
その一つ一つの意味は解るんだけど、全部くっつけると「???」になっちゃう。

でもそんな場所がイギリスにはあるんです。
いや、あったんですといった方がいいかな。


場所はマーゲイト、ロンドンからは南東、ケント州の海辺の町です。
駅を出たらこれは西側に5分くらい歩いたところ、マーゲートは海水浴場としても有名で、そちらは駅を出たら北東に歩くとすぐ。
先日、きれいに晴れた日にこの写真を撮りました。

王立海水浴病院は1791年に創立された肺外結核患者のための屋外療養施設がある、もし世界初でなければ少なくとも国内初の施設でした。

私は結核というのは肺の病気だけだと思っていたのですが、結核菌はいろんな場所に病気を起こすらしい。
首にできるリンパ節炎以外にも他の臓器(腎臓、骨、脳など)に炎症が及ぶこともあるそうです。

この病院の提唱者はジョン・コークリー・レティソンという医師で、カリブ海生まれのクェーカー教徒。
病気を治すために日光と新鮮な空気、そして海水浴が効果的だと提唱しました。

海水浴が身体にいいことは、イギリスでは16世紀ごろから言われていましたが、本格的に勧められるようになったのは18世紀に入ってから。
初めに人気になった場所はブライトンです。
特に当時皇太子だったのちのジョージ4世が滞在するようになってから、上流階級のたまり場にもなりました。
その当時の海水浴は今と全く違います。
海水浴にはベイジング・マシーンという馬にひかせた小屋のようなものを利用していました。
海岸でこの小屋に入り、中で着換えをしてある程度の深みへ進むまで小屋内で待機、そして海水に浸かります。
その後小屋に戻って小屋ごと海岸に戻ってくるというシステム。
えらく面倒ですね!
これもそうなんですが、古くから海水浴で有名な場所の郷土資料館などに行くと、昔の絵葉書が収集されていたりして当時のシステムがよくわかります。

この王立海水浴病院でもベイジング・マシーンが利用されていました。
建物にはバルコニーもあって、そこで日光浴もできるようになっていたようです。

初めは約30人の入院患者を収容できたそうですが、のちに規模が大きくなってたくさんの増設が行われました。
19世紀半ばにはポンプで海水を屋内に取り入れることができるようになったので、夏期のみの病院から通年で利用できるようになりました。
そんな海水プールも増設された部分です。
ギルバートスコット(イギリスの有名な建築家)が担当したチャペルもあります。

この病院は結局他の総合病院に吸収されてしまい、20世紀の終わりには建物をどうするかでひと悶着あったようです。
結局、建物は売却されて2016年には分譲マンションとしてリースの販売が始まりました。

1LDKから3LDKくらいの規模が主で、ロンドンから比べるとずいぶん安い。
海が見える2LDKの物件(93平米)で7500万円程度。
見取り図はこんな感じ。

この物件の室内写真です。

上のに比べると海が見えなくて少し狭い(53平米)けれど、もっと安い物件もあります。
こんな感じの物件で同じく2LDK で3000万円程度。

定年を迎えた後に海の近くで過ごしたいならお手頃ですね。