2025年8月3日日曜日

大英博物館の人気者は?

大英博物館でどの展示がいちばん人気なのかは意見が分かれるところだと思います。

結構いい線いくんじゃないかと個人的に思うのは「モアイ像」かな?


モアイ像は博物館中央のグレートコートと北出入り口の間にある「生と死のギャラリー」に展示されています。
日本からのお客様がこの像を見てまず初めに口にする質問は「これ、本物?」です。
「本物ですよ、イースター島から持ってこられました」って答えると信じてもらえないこともあります。
大英博物館にあるモアイ像はヴィクトリア女王から寄付されたものです。

彼女が君主だった時代、イギリスの調査船がイースター島に立ち寄ったときに首まで地面に埋められていたこの像を発見して掘り出して持って帰ってきたそうです。

ヴィクトリア女王はその知らせを聞いてすぐにモアイを大英博物館に寄付したので、モアイはこの国に到着後、直接大英博物館に運び込まれています。
1869年に展示が始まって以来、モアイはずっと大英博物館の人気者。

大英博物館のモアイはラパヌイ(イースター島)にある多くのものと違ってホア・ハカナナイアとよばれています。
他のモアイ像が火山岩で作られているのに対して、ホア・ハカナナイアは玄武岩で作られました。
また背中側にも鳥人の掘り込みがあります。
鳥人はラパヌイの信仰では豊穣をもたらすとされていました。

ホア・ハカナナイアを首まで埋めたのはおそらく儀式のためだったのでは、と思われています。
そういった意味ではモアイの中でも特別に価値があるモアイだそうです。

2018年にはラパヌイから使節団が大英博物館にやってきて正式な返還要求があったそうです。
またその時に使節団はこのホア・ハカナナイアにお供え物を持ってきていて、現在像の前に置かれています。
そして今でもラパヌイの人々と大英博物館の間で協議が行われているそうです。
今のところは大英博物館にモアイがあることでラパヌイの文化や知名度を世界中に広めることに貢献しているということ、そしてラパヌイに残った900体ほどのモアイの研究の手助けをしていることが大英博物館側の認識のようです。

いつも人に囲まれているのでお供え物はちょっと見づらいので大英博物館の写真を載せておきます。

実は大英博物館には展示されていませんがもう一体のモアイがあります。
そちらも玄武岩、名前はモアイ・ハヴァです。
高さは2メートルほどなので、ホア・ハカナナイアよりも50センチほど低く、少しだけぽてっとしています。
2体並んだ企画とか、将来的にはあるかもしれませんね。




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