2015年5月19日火曜日

イギリスのフードバンクってどう機能しているの?

グレーターロンドンというのは人口が800万人強で、大阪府の1割引きくらいの面積です。
その中が33に細胞分裂してると思ってください。

33のうち、2つはシティー、残り31はバラーと呼ばれています。
そのすべてが自治区。

よくロンドン市を省いて32のバラーと書かれたりしますが、33が正解です。
ロンドンで何らかの統計を取ったりする時は、この自治区のリストが使われます。

私の住んでいるリッチモンド区もロンドンの地方自治体の一つ。
どちらかといえば比較的恵まれた区です。
学校のレベルも高いし、平均収入や平均寿命なんかも高め。
そういった情報は公開されていて、探せばいくらでも出てきます。

政府が発表しているロンドンの地区ごとのデータ(リンクします)
(このリンク先からエクセルがダウンロードできて、そちらの方が使いやすいかも)

そんなリッチモンドでも、やっぱり貧困世帯は存在します。

リッチモンドで住宅手当を受けている所帯は8.7%。
ロンドンの平均は23%です。
また、親が失業者である子供は8.6%、ロンドンの平均が21.5%。

その日食べるものもないというのは、もちろんその中でもごくわずか。
でもそんな人たちのためにフードバンクというシステムがあります。

フードバンクというのは、寄付された食べ物を必要な人に分けるチャリティーです。



先日近所のスーパーマーケットにフードバンクからのボランティアがスタンドを出していました。

いつもはレジを出たところに専用の箱が置いてあるだけなんです。

でもやっぱり人がいて、リーフレットを配っていたりするとインパクトが違う。
リーフレットには、寄附してほしいものがリストアップされています。
赤字で書かれているのは、特にいま必要とされているもの。

この日の赤いリストは
缶詰のお肉
インスタントコーヒー
スポンジとかライスプディング
お砂糖(500gの包み)
缶詰の果物
缶詰のスープ
インスタントのマッシュポテト



まず、食べ物が必要な人を見分けます。
これは、医療従事者、ソーシャルワーカー、市民アドヴァイス所員、警察官などが、必要に応じてバウチャーを発行します。
これはバウチャーの例。

このバウチャーをもってフードバンクに行けば、3日分の食料を無料で受け取ることができます。

フードバンクでは仕分けや保存がボランティアの手で行われています。

そしてその食料は一般から寄付されたものというわけ。
リッチモンドのウェイトローズでは、前述したようにレジの横に寄附の箱があるので便利。
自分のお買い物をするついでに、リストからも何か選んでお買い物します。
お金を払ったあと、箱に入れるだけ。

もちろんウェブサイトからお金を寄付したり、ボランティアとしてチームに加わる選択もあります。
詳しくは Trussell の公式サイト(リンクします)をどうぞ。

2014年から2015年春までの1年間で、108万人が利用したそうです。
ただ、この数字は重複利用した人も含まれます。

49%の人が1年に1回しか利用していません。
また15%の人は3回利用したそうです。
残りの大半は2回利用だそうです。

よくフードバンクの利用者が増えたのは、福祉の切りつめのせいだなんて単純な意見を聞きますが、知名度と利用のしやすさ、また規模の拡大も理由だと思います。

そうでなければ1年に3日分の食料で足りるわけがありません。

ロンドンのどこに行けばいいかは、このサイトが便利です。
ロンドンのフードマップ(リンクします)



***お知らせ*** 
英国公認日本語観光ガイド協会ではチャリティーツアーを行っています。 
詳しくはウェブサイト(リンクします)をご覧ください。     
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