2012年5月31日木曜日

パレルモの街角

 パレルモの町の表情をいくつか紹介します。
並んでいた野菜が面白かったので、写真を撮ろうと構えたら、お店の人がちょっと待ってってカンジでポーズをとってくれました。
私たちが滞在しているホテルは旧市街地。
下町っぽい雰囲気のところで、街角のあちこちにお店が出ています。

ストリートマーケットのひとつ。
ヴュッチリアというエリアです。
昼間がこんな風で・・・
夜はこんな風です。
 バンクシー風の壁の落書き。
 これは映画「アメリー」みたい。
 結構気に入ったかな?
明日から、リゾートのチェフルーに滞在です。

2012年5月30日水曜日

Easyjet

 今年のホリデーは、例年のように1回ではなくって、短めのものを2回取ることにしました。
今回の行き先はシチリアです。
と言っても、いつものように観光はミニマムな私たち。
だから、普通の日本人がシチリア観光で訪れそうな観光地には行く予定はありません。

飛行機はイージージェット。
初めての体験。
なぜこの会社を使う気になったかというと、ロンドンからパレルモまで、英国航空のフライトはひとり700ポンドなのに、イージージェットは150ポンドだったから(笑)
ただ、英国航空のチケット代には全てが含まれているのに対して、イージージェットの方は、スーツケースを預かるのにも、機内の食べ物や飲み物にも、全て追加料金がかかります。

上の写真のオレンジ色のサイン、はそんな追加料金のひとつ、スピーディーボーディングの表示です。

イージージェットの搭乗は4つのカテゴリーのグループに分かれています。
最初に搭乗するのは、身体上の理由があるアシスタントが必要な人たち。

その次が、スピーディーボーディングの権利(ちゃんと覚えてないけど、確か20ポンドくらいだったと思う)を買った人たち。

次は子供連れのグループ。

そして最後がその他大勢。


基本、イージージェットは座席が指定されないので、機内では自由席。
だから、早く乗り込んだ人ほど、好きな席が選べるわけです。
イージージェットの利用している機体は、エアバス319か、320。
通路を挟んで3列ずつです。

足を伸ばすことができる座席は、最前列と中ほどにある、非常口脇の2列。
ということは、全部で18席。

18人以上がこのスピーディーボーディングの権利を買ったら、足を伸ばせない座席に座らなきゃいけない人たちも出てくるわけです。

ま、もちろん、レッグルームが気にならない人もいるだろうけど(でもそんな人はわざわざ追加料金は払わないか・・・)

私たちのフライトでは、どう見ても20人以上の人たちがスピーディーボーディングを購入したようです。

このゲートでの待ち時間に座っていた席が、機内に通じるドアのすぐ前だったので、私たちは最初に搭乗できました。

最前列の席に座れたので、ラッキー。

もしイージージェットに乗る機会があったら、スピーディーボーディングの追加料金を払って、なおかつゲートでは、ドアの前で待機することをお勧めします(笑)


飲み物のサービスも前方からスタートなので、機内販売のシャンペンも買うことが出来ました。
この機体には、ハーフボトルが2本しか積まれていなかったそうです。
ちゃんと今年も連れてきた、ペットのジャック。

シートベルトのサインが消えたら、自分の席を立って、エアクルーの席に座る人たちが出てきたので、こんなサインがクルーシートに挟まれました。

ちゃんと用意してあるところを見ると、毎度のことなのね(笑)

機内販売が、大事な仕事内容らしく、クルーはほとんどゆっくり座る間もなく働いていました。話を聞いたら、いつもとんぼ返りなので、パレルモの町の中心に行ったことはないんですって。
テイクオフも、ランディングもとてもスムーズでした。
おまけに、朝早いフライトということで、前日にスーツケースを預けることが出来たので、朝はまっすぐゲートに向かって、とってもラクでした。



2012年5月23日水曜日

カイロプラクティック

土曜日の鍼治療では、思ったほどの効果がありませんでした。
というか、多分期待が大きすぎたんだと思います。
お友達から「杖をついて入っていった人が、普通に歩いて出てくる」って言われていたので、期待するなって言う方がちょっとムリかもね(笑)

ただ、おまけにちょっと指圧(?)してもらった、肩の方はすごくよかったけど。

それでも、月曜日に桃太郎君の学校で、美術の展覧会(アートをとっている、GCSE(16歳)とAレベル(18歳)の生徒の作品)には、問題なく参加できました。
だから、ある程度の効果はあったんだと思います。

でも、1時間半以上立ちっぱなしだったので、後でかなり疲れました。

そこで、翌日火曜日、近所にあるカイロプラクティックを覗いてみました。
本当は、ぎっくり腰になった日に、ティムちゃんに行きたいと言ったのです。
でも「歩けないのに無理をして行くと、逆効果だ」というお友達マーティーン(ぎっくり腰経験者)の意見で、私の希望は却下されてしまいました。

受付で予約をしたいというと「男性と女性どちらがいいか」と聞かれて、女性のカイロプラクターをお願いしました。

数時間後のアポイントが取れたので、予約の時間に行くと、簡単な問診表を書かされて、それから個室へ。

いきさつを話して、それから触診。

その後は、骸骨のモデルを使って、丁寧にどこがどんな状態か話してくれました。
どうやら、何らかの理由で、私の骨盤は右のほうが1インチくらい上にあるそうです。
それから、脊髄の下のほうが右に曲がっているんですって。

人間にはいろいろな癖がありますから、歩き方とかいろいろ、影響する場合が多いそうです。

脊髄のゆがみ自体は珍しくは無いそうです。

ただ、自分の体のことを知って、どこに注意をすればいいとか、どんな歩き方や座り方がいけないのかを理解していくことが大切だそうです。



治療は専門の台の上で行われます。

この台は、部分的に、ガクンと少し下がったりする仕組みがあって、そういった機能を使いながら、ひねったり押したり、全て、手で行います。

「ここをひねって、押し上げると、こんな音がするけど、びっくりしないで大丈夫だから」
そんな風にいちいち説明してくれるので、不安はありませんでした。
何回か、通った方がいいというので、金曜日にも予約しました。

論理的に説明されて、不安が取れただけでも行ってよかった。
そういったことが、きっと体が軽くなった理由の半分以上かもしれないけど。

今回のぎっくり腰は、ティムちゃんから、病名(というか症状?)英語で教えて欲しいって言われて、かなり困った経緯があります。

例えばただの腰痛(バック・ペイン)とも違うし、脊髄のディスクが神経に当たって痛いっていうの(スリップド・ディスク)も違うだろうし。

カイロプラクターからは骨盤の仙腸関節がすこし動きづらくなっていて、その周りの筋肉が、固くなっている(ロック・アップ)と説明されました。
だから、この関節がスムーズに動くようにすることと、その周りの筋肉をほぐすことが大事なんだそうです。

さて、気になるお値段ですが、診断が30ポンド、治療は一回当たり、39ポンドです。

治療以外にマッサージなんかもあるようなので、そちらにも興味があります。


こういったことは個人差があって当然なので、私のぎっくり腰の場合は(と但し書きの上で)鍼よりもカイロプラクティックに1票。

理由は

1、カイロプラクティックには診断があって、説明がロジカルで、しかも丁寧。

2、(針が嫌いなので)痛くはなくても恐怖心がある。

3、イーリングの鍼は、急な階段だし、ちょっと、体が不自由な時には向いていないつくりだと思います。

Wilton Diptych その2

先日はウィルトン・ディプティッチのことを書こうとして、すっかり横道にそれてしまいました(笑)
ご興味のある方は、ウィルトンディプティッチの前置き(リンクします)をどうぞ。

ナショナルギャラリー所蔵の作品なので、拡大して観たいという方には、ナショナルギャラリーのサイト(リンクします)をどうぞ。

前置きで触れたように、この「Wilton Diptych」はペンブローク伯爵の所蔵でした。
でも作品自体は彼には関係ありません。
600年ほど前に作られた、個人的なお祈りに使うための、携帯可能な祭壇です。
左右ふたつの絵が、真ん中で小さな鉄製の蝶番によって繋がれています。
そこで、今見ている状態は、本を開いたようなカンジ。
逆に、下の写真は、本で言えば表紙と裏表紙に当たる部分です。
だから、内側に比べて、かなり損傷が激しいわけです。

それでも600年の歳月がたっているなんて、ちょっと信じられないくらい。
Wilton Diptych は、樫の木に卵テンペラで描かれています。
絵の具がチューブに入っているのを見慣れている私たちには、ちょっと想像しがたいのですが、200年位前までは、絵の具とはミネラルや金属を粉にするところから始めなければいけなかったのです(映画「真珠の耳飾り」にでてきますよね)
そして、その粉末状の色を、何らかの溶剤(ミディアム)に混ぜて利用したのです。
卵テンペラでは卵黄が使われました。
油絵の場合は油が使われます。
水彩は水。
大英博物館にあるミイラのマスクには、蝋を使ったものなどもあります。


この肖像画は英国王リチャード2世のもの。
普段はウエストミンスター寺院に展示されています。
(2012年の7月から11月までは、シェークスピア関係の特別展示のために大英博物館に置かれる予定です)
英国王の肖像画としては、最も古いものだそうです。

彼は、10歳の時に国王として即位しました。
エドワード3世が始めた、フランスとの100年戦争中のことです。
エドワード3世はリチャードのおじいちゃん。
お父さんは、その息子ブラックプリンス。
長男だったので、跡継ぎです。
でも、戦争中に亡くなってしまいました。
リチャードにはお兄さんがいて、本当なら彼が世継ぎですが、その彼も亡くなって、リチャードに順番が回ってきました。

エドワード3世は、幸せな結婚をして、ブラックプリンス以外にもたくさんの子供をもうけました。
うるさい親戚の間で、しかもお隣フランスとは戦争中。
神様に頼りたくなる気持ちもわかります。

このウィルトン・ディプテッチは少年王リチャード2世のためのものなのです。

さて、今回も長くなりすぎてしまったので、実際にディプティッチの内容を観るのは次回ということで(笑)

2012年5月19日土曜日

ロンドンの鍼治療

「歩けなくなりました」の記事に書いたように、ぎっくり腰になってしまった私は、ここ1週間というもの、ベッドの上でほぼ寝たきりの状態です。
5日入っていたお仕事は、全てキャンセル。
来週の月曜日には、桃太郎君の学校で美術の展覧会もあるので、(言葉通り)重い腰を上げて、鍼治療を受けに行ってきました。
日本のものなら、結構何でも揃うロンドンです。
歯医者さんも、お医者さまも、美容院も、そしてもちろん指圧や鍼も日本のものが存在します。
どうせティムちゃんに連れて行ってもらわないといけないので、車の駐車を考えて、イーリングへ行きました。
イーリングには、お隣のアクトンと併せて、日本人コミュニティーがあります。
日本人学校があるために、住んでいる人たちも多くって、ウエストアクトンの駅前や、イーリングコモンの駅前には、レストランやショップや美容院が並んでいます。
イーリングコモンでは、そういったお店の前が車の駐車OKになっているので、とっても便利。
1時間まで無料です。
昨日くらいから、クラッチ(松葉杖のこと)なしで少し歩けるようになりましたが、すごくゆっくりと、ほんの少しの距離だけ。
だから、目の前に停められるというのは、本当に助かります。
ただ、残念ながら、鍼灸院はグラウンドフロアではなくて、ナチュラル・ナチュラル(リンクします)という、日系の食材店の2階。ショップの中を抜けて、裏の階段を上がると、クリニック(リンクします)にたどり着きます。一番上の写真は治療室。
左は用意してあった治療用のガウンを着たところ。
鍼治療を受けるのは、初めての体験なので記念写真。
すいません、髪の毛と歯はブラッシングしてきましたが、お化粧する元気はありませんでした(笑)
付き添いはティムちゃんだけじゃなくて、桃太郎君も。
写真は桃太郎君が(いやいや)撮ってくれました。
「マミィが、後でどんな風だったか見たいから、ちゃんと撮ってね」ってお願いしたんですが、
「マジかよー」って文句を言いながら。
最近、汚い日本語ばっかり覚えてくるので、困ります。
でもお願いしたことは何でもやってくれるから、文句は言えないかも。
これは、鍼を刺された状態の私。
拡大してみましょう(笑)
簡単な問診の後に、こんなに刺されました。
全然痛くなかった。
デモね、治療の途中に、「どれくらい深く刺さっているんですか?」って聞いたら「2cmくらい」
答えを聞いた途端に、すごく後悔しました(笑)
世の中には「知らない方がいいこと」がたくさんあるようです。

ところで、ロンドンには中国系の鍼が、あちこちにあります。
おうちから、100mくらいのところにもあるのですが、こういったことに詳しいお友達に聞いたら、中国の人たちが使っている鍼はすごく太いんですって。
この、ナチュラルクリニックでは、すごく細い日本の鍼を使っているというので安心できました。
しかも使い捨てだし。
治療を担当してくれたのは、まだ若そうな日本女性でした。
よかった、男の人だったらイヤだなーって思っていたので。
肩こりもあったんだけど、鍼と併せて指圧もしてもらって、すっかり軽くなりました。
でも腰はまだ時間がかかるみたいです。
2-3日、まだ安静にするようにって。

小1時間の治療で50ポンド。
私はすごく安いと思いました。
鍼灸院を出て、車に乗って、200mくらい走った時、ティムちゃんが、
「それで、チップはいくら払ったの?」だって。
お医者様には払わないから、こういった所も払わないと思っていたのですが、よく考えると、アロマセラピーやマッサージを受けたときとか、美容院では払っています。
指圧と鍼は、ビミョーなラインですね。
で、私は車を乗り降りするのが大変だし、階段はもっと大変なので、車をUターンさせて、桃太郎君にチップを届けてもらいました。

2012年5月17日木曜日

Wilton Diptych

これは、ナショナルギャラリーにある、ウィルトン・ディプティッチという作品です。
ディプティッチというのは、2枚絵が蝶番などで繋がれているもの。
本のように、開いたり、閉じたりすることが出来ます。
因みに大きな絵の両側に、その幅半分の絵が、同じように蝶番で繋がれているものは、トリピッチ(Triptych)といいます。
じゃあ、ウィルトンは何かというと、地名。
ストーンヘンジから、真南に10kmほど下りたところにある村の名前で、ペンブローク伯爵家のお屋敷があります。
ウィルトンにあるから、ウィルトンハウス(リンクします)
この作品は、300年位前からこのお屋敷におかれていたもの。
1929年にナショナルギャラリーが購入しました。 

1929年といえば、世界大恐慌のきっかけになった、アメリカの株の大暴落の年です。
第一次世界大戦の後、しばらく不況が続いていたイギリスでは、1925年に、チャーチルが英ポンドの価値を金の価格に連携させる政策をとりました。
その為に英国の貨幣価値が高くなって、輸出の競争力が落ちたので、製造業に関わっていた、たくさんの労働者が職を失ったそうです。
ストライキが各地で起こり、大規模なストライキが1926年にありました。
経済は落ち込んで、解雇以外にも、投資を控えて経費を削減する企業が目立ったようです。
 お金持ちの人たちの投資は、国内よりも外国へ向かいました。
アメリカの株などに投資していた貴族も多くて、1929年の大暴落では、イギリスでもたくさんのお金持ちが財を失いました。 

ペンブローク伯爵がどういった理由で「Wilton Diptych」を手放したのかは知りませんが、いろんな作品がどういった経路でナショナルギャラリーに飾られることになったのか、ちょっと考えてみるのも面白いかもしれません。

それでは「Wilton Diptych」を購入するためのお金はどこから来たのかというと、コートルド・インスティチュートを設立した、サミュエル・コートルドが関わっているようです。
コートルド一族は、織物工場の経営などで生計を立てていました。
サミュエルは、引き継いだ工場の経営よりも、レーヨンの開発のために大金持ちになりました。

絵画に興味を持つようになってからは、印象派を特に好んだようで、ゴッホの有名な自画像(耳に包帯をしているもの)も彼のコレクションです。
コレクションの主なものは、やはり、1926年から1930年に購入されました。
コートルド・インスティチュート(リンクします)は、絵画を扱うことを仕事にする人たちの教育のために作られました。
小規模ながら、質の高い美術館(リンクします)を併設していることで知られています。
残念ながら有料ですが、印象派の絵画がたくさん飾られています。
先月紹介したエルタムパレス(リンクします)は、サミュエルの弟、スティーブンが改築しました。
兄弟揃って新しいもの好きだったんですね。

前置きが長くなりすぎたので(笑)、ウィルトン・ディプテッチについては次の記事で。

2012年5月14日月曜日

ハービーとウサギちゃん

最近お気に入りのテレビコマーシャルです。
ハービーとウサギちゃん(リンクします)

これの、シリーズで、一つ前のものも面白かったのでついでに載せておきます。
ハービーの自己紹介ビデオ(リンクします)

この広告のバックグラウンドについては、ホームページがあります。
Thinkbox(リンクします)
テレビ広告の威力っていうのがテーマなんだけど、本当にすごいなーって思います。
でもそれよりも、ハービーの目線がかわいい。
イギリスではペットショップでワンちゃんを扱いません。
このコマーシャルの冒頭のように、保護センターからもらったり、ブリーダーから手に入れるのが一般的です。

2012年5月13日日曜日

歩けなくなりました

昨日の朝、ふとした拍子に、腰から下に力が入らなくなりました。
幸いにも、ティムちゃんも桃太郎君もおうちだったので、両脇を支えてもらってベッドに運んでもらいました。

キッチンで、パン生地でもこねようかと、調理台の上をキレイにしているところだったので、特に重いものを運ぼうとしていたとかではありません。

どうやらこういった状態のことを「ぎっくり腰」というみたいです。

ベッドで寝ているぶんには、痛みも全くないのですが、少しでも体をひねったりすると、激痛。
起き上がることすら出来ません。

ティムちゃんの会社のマーティーンが、似たような症状になったことがあるそうなので、電話でどうすればいいか聞いてみました。
彼女の話では、靴下を履くときにくしゃみがでて、そのまま動けなくなったそうです。
無理をしてカイロプラクティスに行ったけど、改善せずに、治療台からも降りられなくなって、救急車で病院に運ばれたそうです。
その後は、痛み止めのお薬と、精神をリラックスさせるお薬をもらって、5日目くらいに良くなったそうです。
とりあえず、大事なのは安静にすることと、リラックスすること。
心配するのが一番よくないそうです。
でも、急に歩けなくなって、心配するなって言われてもねぇ。

昨日は一日ベッドの上で過しました。
お手洗いに行くのにも、ティムちゃんと桃太郎君に連れて行ってもらいました。
ごはんも飲み物もみんなベッドに持ってきてもらっています。
でも腹ばいになった状態で食べるので、美味しさが半減。
簡単に食べられるように、ティムちゃんはパスタを作ってくれたのですが、いつもの半分くらいしか食べられませんでした。

ラップトップとか、美術の本とか携帯電話とかもぜーんぶ手の届くところに置いてもらって、何とか時間をつぶしています。

火曜日にはお仕事が入っているので、それまでに良くならないといけないんだけど、そういった精神的なプレッシャーが治る邪魔になるそうです。

2012年5月12日土曜日

セント・ドロシー(ドロアテ)

この作品はSaint Dorothy and the Infant Christ(セント・ドロシーと幼いキリスト)ナショナルギャラリーのサイトにリンクしますというタイトルです。
ロンドンのナショナルギャラリーにあります。
画家の名前は Francesco di Giorgio 。


この人は、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの先駆者ともいうべき人で「画家として」よりも、建築、彫刻、設計、発明などで有名だった人、シエナの出身です。
ヴァザーリの美術家列伝(英語訳版では画家、彫刻家、建築家の伝記というタイトル)で、彼の名前を探すと、やはり、建築家としての功績に、一番行数が割かれていました。
ナショナルギャラリーに展示されている、彼の作品はこれだけ。


この作品がある部屋には、大きな絵がたくさん飾られています。
その中で、特に小さなのがこれ。
サイズは33cmx20cm。


でも、絵のよさはサイズには関係ありません。
が、私はどちらかといえば、小さな作品が好きです。


大きな絵は教会とか貴族、王様が注文したものがほとんどなのに比べて、小さなものはもっと世俗的で、風潮を反映していたり、画家の好みがよく出ていたりするからです。


この絵をぱっと見ると、若い女性と子供の組み合わせなので「聖母子像」かなって思いそうですが、普通の聖母子像とは構図が全く違います。
手をつないだ聖母子像なんて見たことがありません。
綺麗な若い女性に手を引かれた子供は、ドレスを着て、かごを手に、まるでお散歩の途中って感じです。
かごの中にはたくさんのバラの花。
何となく、楽しそうな雰囲気がしませんか?


ところがとんでもない。


ドロシーはディオクレティアヌスがローマの皇帝だった時代に、現在のトルコで生活していました。
偶像の崇拝を拒んでキリスト教に改宗し、裕福な弁護士セオフィリウスから求婚されたのですが、神にこの身をささげていると断ってしまいます。


ディオクレティアヌスは、キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝の前に皇帝だった人。
数が増え続け、ローマ法に従わないキリスト教徒を、「ミラノ勅令」で公認して統率したコンスタンティヌスとは逆に、迫害して抹殺しようとした皇帝です。


ドロシーも捕らえられて拷問で改宗を迫られました。
ところが信仰心のおかげで拷問にも耐えて、改宗はしませんでした。
拷問中には「天国ではバラが咲き乱れ、たくさんのフルーツが実っている」と話しました。
拷問番は「じゃあお前が天国へ行ったら、花とフルーツでも届けてもらおうか」とからかいました。
ドロシーの処刑は2月6日、冬なのにその拷問番のところに子供がバラの花とりんごを持ったバスケットを届けに来ました。


別の説では、求婚を断られたセオフィリウスが、処刑場に向かう途中のドロシーに「天国へついたら、何か送ってくれよ」といやみを言ったところ、処刑の後に天使がバラとりんごの入ったバスケットを彼に届けたそうです。
それでセオフィリウスは心を入れ替えて、キリスト教に改宗し、彼自身も殉教しました。


このお話は黄金伝説にまとめられて、ヨーロッパで大変人気になりました。
特に15世紀にドロシーの人気がイタリアやドイツで高まって、たくさんの作品(絵画や彫刻)が作られたそうです。
モチーフに、バスケットに入ったバラやりんごが使われますから、それと分かります。
彼女はお花屋さんの守護聖人(守り神)です。


この絵は画家の Francesco di Giorgio が彫刻で有名なだけあって、金の使い方が見事です。
わずかですが模様に凹凸があるので、豪華さが一段と引き立ちます。
前述の美術家列伝の中にも、「芸術家として見事な作品を作り上げる満足感」や「作品が人々に与える喜び」を第一に考えて、自分の欲とか儲けには心を割かなかった、とあります。
金を使って豪華さを出すなら、これよりも大きな作品では逆効果になるのでしょうね。


実際に美術館に足を運んで観るのが一番ですが、上のリンクでナショナルギャラリーのサイトに行けば、ズームして作品を見ることが出来ます。
子供の表情がすごく陰気なところとか、ドロシーの美しさとか、いろんなポイントで楽しめます。
ナショナルギャラリーの中では、ルーム60に展示されています。

2012年5月9日水曜日

ラジオ番組に出演

今朝、JFN flowers(リンクします)というラジオ番組に、ちょこっとだけ出る機会をいただきました。
この番組では、海外に住んでいる日本人に、現地情報をインタビューするというコーナーがあります。
「ワールド・フラワー・ネットワーク」のウェブサイト(リンクします)で、このコーナーのウェブラジオを聴くことが出来ます。
ロンドンでは、今年、オリンピック開催ということで、それについて質問がありました。
私のは5月9日の収録分です。

早速聴いてみました。



「うーん」

録音された自分のしゃべり方って、勉強になりますね。
私の反省点は、無駄な返事とか、相槌が多すぎってこと。

おまけに女王様の在位60周年を「ゴールデン・ジュビリー」だって・・・。
これは、「ダイアモンド・ジュビリー」の間違い。
自分ではダイアモンドって言ってたつもりなのに。

他にも、教養があまりなさそうな話し方(笑)が気になります。
東ロンドンのオリンピック会場付近のことを「あまりお金持ちの人たちが住んでいない地域」なんて言ってるし。

本当は英語の「Deprived area」って言いたかったんだけど、訳すと貧困地区。
以前お客様から、貧困地区は差別用語(未確認)って言われたのを、話している途中、急に思い出したのが原因(笑)
とっさに思いついた言葉がこれだったのよねぇ。

なんだか。
日本って、言っちゃいけない言葉とか、多そう。
ま、とりあえず無事に終わってよかった。

このリンクで、以前のインタビューも聴くことが出来ます。
興味のある国のインタビューを探してみると面白いと思います。

2012年5月8日火曜日

麺屋一点張

麺屋一点張」かっこいい名前でしょう?
ロンドンのラーメン屋さんの名前です。
日本の「龍旗信」というラーメン屋さんの系列だそうです。

今日は、マリボーンで用事があったので、そのままピカデリーまで出てきました。
それで、以前お友達から「新しいラーメン屋さんが出来た」と聞いていた、ここでランチをとることにしたのです。
このサイトは20年以上前からラーメン屋さん。
私がロンドンに来た時は「はみね」という名前でした。
なんでも当時のオーナーのお嬢さんの名前だったそうです。
私は面識はないのですが、オーナーはラーメン屋さん以外にも、ナイトクラブとか、いろいろな経営に乗り出していた日本人だったそう。

でも時代は変わって経営者もいろいろ代わっていきました。
この間までは「ラーメンりょう」という名前でした。

「はみね」の時は、お友達と上の階でカラオケとか楽しんで、それでラーメンというパターンだったのですが、最近はまったくお邪魔する機会がありませんでした。

さて「麺屋一点張」ですが、結論から言えば、大ハズレでした。
事前勉強をしていけば、龍旗信が塩ラーメンのお店だと分かったかもしれませんが、知らずに入ったので、「しょうゆラーメン」を注文しました。

それが上の写真。
卵を食べた時にちょっと酸っぱいなって思ったのですが、お酢の味だったのかな?

麺は、これまで食べたどのラーメンよりも長くって、とても食べにくかったです。
そして、長いだけではなくて、「むちゃくちゃ絡んでるー」のにも、ちょっと困ったかも。

絡むだけのコシはあるけど、歯ざわりがいいまでは行かない。
表面が、どろっとしたカンジで、茹でるお湯が汚いんじゃないのって風。
私が行ったのは、午後1時ごろだから、12時から茹でるお湯を替えていないなら、こんな風になるのかな?

一緒に餃子も頼んで、こんなカンジで来ました。
 全然カリッとしていない。
一個食べてみたけど、中身の味も食感も変。
で、食べずに中を見てみたら、ピンクっぽい、判別不可能な中身。
一気に食べる気がうせて、そのまま残してきました。
これ食べるほど飢えてないので・・・(笑)
「チャイナタウンでもこんなの出さないでしょー」とは思いましたが、チャイナタウンにはほとんど行かないので、比べるすべなし。
175mlの梅酒(でも氷ばっかり)も注文して、全部で20ポンドだった。
多分もう2度と行かないと思う。

しかも、カードの取り扱いはなくって、現金のみ。
テーブルもべたべたしていたし、お店全体が安っぽくて、これだったらサンドウィッチ買って公園で食べた方がどんなにいいか、と思いました。