2010年4月19日月曜日

アイスランドの火山の影響

ニュースが手に入ってすぐに記事にした、アイスランドの火山灰の影響ですが、すごく広がってますね。

私はお仕事が旅行業界なだけに、もろに影響を受けています。
木曜日から、5日間ロンドンを楽しんでもらうはずだったお客様のフライトが、ロシア上空から引き返してしまって、その後処理で大忙し。
予約を入れていた全てのレストランや車の手配、その他いろいろのアレンジをキャンセルする羽目になりました。
困ったのはキャンセルの判断です。
お客様は機内の人なので、連絡は取れません。
そこで、ある程度は自分の判断で処理を進めていかないといけないわけです。
こういったことには、やはり、ある程度の経験とカン、そしてコミュニケーション能力が必要になります。
事実と予想、それから可能性とその対応です。

ニュースが私の耳に届いたのは木曜日の朝。
その段階での「事実」は噴火の影響で火山灰が広がっていること。
「予想」はもしかしたら、飛行機の着陸に影響があるかもしれないこと。
その次が問題の可能性。
可能性1、騒いでいるだけで、結局は予定通りか少し遅れてでも予定の飛行場に到着するかも。
可能性2、違う飛行場に着陸、陸路で予定の飛行場に到着するかも。
可能性3、外国の飛行場に到着、何らかの手段でイギリス入りするかも。
可能性4、今日は到着しないけど、明日到着かもしれない。
可能性5、あさって以降、来るかもしれない。
可能性6、今回の旅行自体がキャンセル。

対応1、お客様と連絡が取れるまで何もしない。一番楽な対応ですけど、その場合は連絡が取れた時点で既に幾つかの予約はキャンセルチャージの対象になります。
可能性1、2、3なら、それでもいいんですけどね。

対応2、とりあえず、手配を一旦全部キャンセルしてしまう。
これは、可能性6の時はいいけど、それ以外だったら、困ったことになります。

で、私がどうしたかというと、キャンセルのリスク(再び予約する時の難易度)とキャンセルチャージの発生を秤にかけて、お客様との連絡を待たずに、少しずつ対応していきました。

まず、飛行機会社に連絡を取って、最新の情報をゲット。
ウェブに出てくる情報は生情報よりも古いことがあるので、ウェブはチェックしながら、電話での確認です。
そこでお昼前にフライトが引き返したことが、リアルタイムで判明しました。
この情報で、可能性1、2、3は消えましたから、まず、車の手配のキャンセルです。
当日しかも4時間を切ってのキャンセルですから、当然チャージはかかります。
運転手と車を手配しているわけだし。
でも事情を説明して、出来るだけ早く連絡を取ることで、キャンセルチャージをおまけしてくれたり、割り引いてくれたりすることもあります。
これはホテルも同じ。
とりあえず出来ることはこちらの誠意を見せること。
だから面倒がって、ウェブで処理しない方がいいんです。
電話できちんと話す、これが大事。
今回は到着日のホテルと車はキャンセルチャージ無しにもって行くことができました。

レストランは少し厄介。
ロンドンの人気のあるレストランは、予約を取ること自体が難しいので、私は殆どのレストランに「登録」しています。
こういった「登録」でレストラン側は顧客管理をしています。
例えば、その人がどれだけお金を使うか、何てことも記録されちゃうんです。
全てのレストランがこの方法を採っているわけではありませんが、予約の電話をかけて名前を言うと、連絡先とか前回の食事の内容とか、わかっちゃうところも多くなってきています。
だから、「いい記録」を持つことは次回の予約の難易度につながったりします。
はじめに席がないといわれても、名前を言うと「ナントカしましょう」となるわけ。
これはVIPの対応が多い私にとっては、とても大切なことなのです。
そこで、レストランのキャンセルはなんとしても避けたいところ。
キャンセルするくらいなら、ダミーで知り合いに行ってもらったりした方がいい場合さえあるのです。
そんな場合は食事代は私が持ったりすることもあります。
そうしたら、後でやっぱり到着しました、なんて時に、そのままその予約が生かせます。
今回はその手のレストランが3つ、予定に入っていました。
そういったところ以外は全部一旦キャンセル。

そして、予約が難しい3つのレストランのうち、2つは友達にカバーしてもらいました。
半額は私が持つということで、了承してもらいました。
残りのひとつはティムちゃんと行きました。

お客様と連絡が取れたのは、木曜日の夜。
その時点では、翌日の出発は同時間の予定。
ただ最終決定は、イギリス時間の夜中にわかることになりました。
これまでのイギリスでの手配をお話して、その後は様子を見ることに。
結局、翌日のフライトもまたキャンセル。

最終的に、今回の旅行はお流れになってしまいました。
残念。

現在、イギリスに足止めになっている日本人もたくさんいます。
飛行機のキャンセルは、少しずつ、火山灰の様子を見ながら延長されています。
飛行機の各会社がキャンセルを決定するのではなく、英国全体のエアスペースが飛行禁止になっているわけですから、会社もそういったアナウンスにしたがって「今晩の7時までは飛びません」とか「明日の朝1時までは云々」となります。
なので、予定が立たなくて、とっても気の毒です。
ホテルを予約するにしろ、両替にしろ、先が見えないと、無駄が多くなって大変。

今日からイースター休みが終わって、登校という学校も多いのですが、生徒も先生も、外国から帰ってこられないというニュースが流れています。
ティムちゃんの会社でも、ホリデーから帰ってこられない人が3人いるそうです。

一体いつまで続くのかなぁ?

2 件のコメント:

Yogacat さんのコメント...

マダムみき、
ご無沙汰しております。
VIP対応のマダムみきにはそういう苦労もあるのですね。でもそういう対応ができるってスマートでかっこいいなぁ~、憧れちゃう♪ 
フライト中止による経済的ダメージは、深刻らしいですね。私もあと1日遅ければ足止めを食うところでしたよ。その件はまた後ほど。
それから、桃太郎君の調子はいかがですか? 

そして「バトン」の件もごめんなさいね。
いろいろ書いちゃいましたが、また!

miki bartley さんのコメント...

マダム、コメントありがとうございます。
あら、どこかにお出掛けだったんですか?

桃太郎君は元気になりました。
来週、最終チェックを病院で診てもらって、問題がなければ終わりです。
「バトン」はきっと皆さん同じようなことを考えていたと思いますよ(笑)